沢登り(比良、八池谷<やついけだに>、八淵ノ滝<やつぶちのたき>)

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投稿者
好日山荘スタッフ
日程
2016年10月07日 (金)~2016年10月07日 (金)
メンバー
天候
曇り時々晴れ
コースタイム
ガリバー青少年旅行村-(20分)-入渓点-(25分)-大摺鉢(おおすりばち)-
(55分)-七偏返しの滝-(30分)-オガサカ分岐-(90分)-登山道出合-
(90分)-ガリバー青少年旅行村
コース状況
入渓点は比較的分かりやすいと思います。ガリバー青少年旅行村から大摺鉢へ向かう登山道の途中に、「魚止滝・障子滝方面」という看板を伴った分岐点があるので、そちらへ進んで沢へ下り、出合った所が入渓点となります。

沢の多くの部分に登山道が沿っており、難しい滝も簡単に巻くことができますし、時間切れの場合もすぐに帰路に着くことができます。ただし、急斜面のトラバースや岩場、鎖場が出てきたりと、一般の登山道よりもやや難易度が高い箇所も出てくるので、滑落等には注意が必要です。

登山道との出合が遡行終了点なので、急斜面の詰めやヤブこぎもなく、すぐに帰路に着けることもこの沢の利点の一つでしょう。

今回はヒル被害には遭いませんでした。
難易度
Google Map
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感想コメント

この八池谷は、登山としては季節を問わず、しばしば訪れるエリアだったので、前から気になっていたこの沢を遡行したいと思い、今回やっと来る機会に恵まれました。

裏比良の奥ノ深谷(おくのふかたに)と並んで、比良を代表する名渓と言われるこの沢は、8つの淵と釜、そして大小20以上の滝群を懸けることから八淵ノ滝とも呼ばれ、日本の滝百選にも選ばれています。

沢のすぐ横を通る登山道は何回か歩いたことがありますが、沢の中を歩くと、いつもとはまた違った景色、感覚を味わうことができました。

薄暗いイメージの裏比良の沢とは裏腹に、全体的に明るい様相を呈しており、ブナの原生林とのコントラストも見事で、非常に美しい沢でした。
また、裏比良の沢の特徴が、泳ぎよりも滝の登攀がメインであるのに対して、この沢は、滝の登攀もそこそこありながら、水量が多いので泳ぎもあり、穏やかなせせらぎもあるので歩行もありと、多くの要素が詰まった沢でもありました。
釜や淵も深く、水も重ため。この時期の、しかも曇りがちな日だったので、足も着かない冷たい釜に身を投じるのはやや辛いものがありましたが、真夏の晴れた日なら、思いっきり水と戯れることができるでしょう。

初級者の方にはおススメの沢です!とくとご賞味あれ!

フォトギャラリー

ガリバー青少年旅行村から出発です。登山者専用駐車場は、この建物より数百m下にあります。

林道を抜け、登山道に入ると間もなく、「魚止滝・障子滝方面」という看板がある分岐点あり。そちらへ進み、斜面を下り、沢と出合った所が入渓点です。

障子ノ滝。水量が多く、通過に手こずりそう。今日は時間も押しているので、登山道を使って巻きます。ただ、そちらもそこそこの岩場となっており、転落には注意です。

八淵ノ滝の中心地とも言える大摺鉢。ここは登山道も横切っているので、多くのハイカーが休んでいることもあります。この日は終日、一人の登山者とも会いませんでした。

美しいゴルジュと淵にテンションが上がった相棒の、「高巻きのポーズ」。

ゴルジュの奥にあった屏風滝は思ったより手強そうで、ホントに高巻くことに。右岸を通る登山道に助けを求めます。

貴船ノ滝30m。八淵ノ滝の大御所とも言えるこの滝は、比良でも最大の滝ではないでしょうか。直登は極めて困難で、沢を徒渉し、右に見える梯子を伝って滝の上に出ます。

貴船ノ滝を越えると、沢はしばしの間穏やかな様相となり、美しいブナの原生林に癒されながらの遡行となります。

手前の七偏返しの滝と、奥のチョックストーン滝5m。接近すると、チョックストーン滝は意外と大きく、驚きました。そして巻きました。

その後はしばらく、ほどよい登攀レベルの滝が続きます。相棒も余裕の表情。その身震いは、喜びか寒さか。

う~む、なかなかどうして。清らかな水の流れ。美しい・・・。

オガサカ分岐を過ぎると、沢は谷間へと分け入っていきます。付近にしばらく登山道はないので、時間切れの場合は、オガサカ分岐で登山道に出て下山するのがいいでしょう。

谷の奥で遭遇した「まぼろしの滝」。少し離れた尾根道に、滝の案内板があるのですが、木々が葉を落とした冬でも、見えたことはありません。今回が初対面。感無量のポーズ。

つるつるのスラブをフリーで攀じるチャレンジャーな相棒。実際は、ホールドやスタンスがある所をしっかりと選んで登ってます。

標高約915m地点分岐。分かりにくいですが、本流は左に曲がっていっています。広谷へは、正面に見える右俣の滝を進みます。固定ロープも設置されていました。

もうしばらく小滝群が続き、徐々にせせらぎになってきて、

丸太橋がかかる所が登山道出合、広谷です。ここで遡行終了となります。

ここからは登山道を使って下山します。辛い詰めもヤブこぎもないなんて、嬉しい!楽しい!大好き!

大摺鉢まで戻ってきました。いつも気になる、幾何学模様が刻まれた岩に寄り添って休む相棒。その背中には、哀愁が漂っています。比良との別れが名残惜しいのでしょうか。

曇りがちな空の下に姿を見せた琵琶湖。この後、無事下山となりました。風はやや冷たく、比良の冬の足音が聞こえてくるような気がしました。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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