福智山系縦走 《 1日目 皿倉山~福智山直下 荒宿荘 》

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投稿者
好日山荘スタッフ
日程
2017年06月15日 (木)~2017年06月16日 (金)
メンバー
天候
コースタイム
尾倉登山口(65分)皿倉平(15分)皿倉山(10分)皿倉平(20分)市ノ瀬峠分岐(60分)田床峠(70分)観音越(100分)尺岳(75分)豊前越(35分)荒宿荘
コース状況
特に問題無し
ルート詳細は添付のグーグルマップの右上、最大化ボタンをクリックしてご覧くださいませ
難易度
Google Map
  • スタートナビ
  • おとな女子登山部

感想コメント

福岡県内で有名な縦走路の一つであり北九州地区の代表格、福智山系南北縦走に行って参りました!

福智山系南北縦走では北端の皿倉山から南端の牛斬山まで延べ30km。
縦走の方法としては、福智山直下にある避難小屋『荒宿荘』を利用する1泊2日の登山、もしくは健脚であれば日帰りでの縦走です。
たまには小屋でゆっくりしつつ、2日間楽しみながら歩いて充実した山登りをしたい。と言うわけで1泊2日の縦走にしました。
昨年の脊振山系全山縦走2daysでは1日目で福智山系縦走の往復分に近い距離を歩くなど、ロング山行ならではの楽しさはあれど中盤以降が修行の様になっていました。
今回は単独ではなく(=寂しくない笑)、久しぶりの小屋泊山行はゆっくりじっくり楽しみたい!という思惑であります。

最近の日中はすっかり夏の様に暑くなってしまい、日差しがある所では刺すような直射日光、花の周辺中心に飛び回り地の果てまでも纏わりついてくる虫達、人の少ない区間ではヤブが茂ったりと、この時期ならではの難点があります。
日差し(熱・紫外線)、虫刺され、ヤブなどは帽子、アームカバー、長袖のウェア、シェルの着用などで対応出来ますが、その他にも重要なのはなんと言っても水の携行&確保ですよね!!
この時期の1日当たりの行動中に消費する水量として最低でも2~3Lは携行したいもの。
個人的に夏場で6時間以上行動する場合は飲料用2~3L+非常時用1~2Lをいつも携行しています。
今回はグリコのクエン酸&BCAAを溶かした3Lの水をハイドレーションに、その他予備の水を2L準備しました。
補給点として荒宿荘のすぐそばの水場『たぬき水』に頼れますが、浄水器を持たない場合は極力生水の多飲は避けたい所です。


《 尾倉登山口 ~ 皿倉平 ~ 皿倉山 》
さて、今回の登山口は尾倉登山口からのスタートをチョイス。
一部階段の急登がありますが、およそ400mあたりから皿倉平まで緩やかなトラバースの登りなので楽に登れるコースです。また地形図で植生を見るとこの辺り一体が広葉樹林帯になっており、現地では爽やかな森林浴を楽しみながら歩けます。トラバース直前では一応水場もありますよ!
皿倉平にはトイレがあり、山頂への分かりやすい道を辿ると途中には休憩が出来る皿倉山ビジターセンター、程なくして北九州が見渡せる皿倉山山頂です。
山頂からの景観は新日本3大夜景の一つに選ばれるだけあっての大パノラマ!(←視野率200度以上とのこと)
ちなみに「新日本三大夜景」は北九州市・皿倉山、奈良市・若草山、山梨市・笛吹川フルーツ公園の3スポットだそうです。偶然にもどれも訪れたことのある場所でビックリしました!
夜景と言えば、個人的には本州在住の頃に六本木ヒルズや六甲ガーデンテラスから見る夜景の規模感にただただ圧倒されましたが、新日本3大夜景選定の経緯はきっとそういった単純な理由ではないのでしょう。
こちらからの夜景は市街地だけではなく八幡の工場の夜景や海も眼下に見え、加えてこのパノラマでまた一味違った綺麗なものに違いありません。10年ほど九州から離れていたので、九州の夜景と言えば稲佐山からの長崎市の立体夜景を連想してしまう自分はきっと過去に取り残されているんでしょうね…
登山口→山頂→皿倉平への折り返しに至るまで、近場にお住いと見られる方々が朝の日課で登られているのを拝見しました。こんなに山頂の景観が良くて観光地の快適さがある山が日常の範囲にあるなんて羨ましい限りです!

《 皿倉山 ~ 権現山 ~ 市ノ瀬峠 》
皿倉平から市ノ瀬峠方面へは権現山の手前に3つの分岐があります。(写真7参照)
①権現山 東側からのトラバース道
②権現山 直登後、西側トラバース道び降下
③権現山 西側からのトラバース道 皇后杉経由
今回は①を選択。こちらの路面は市ノ瀬峠分岐まで終始林道ですのでかなり歩きやすいです。
①に関しては道中に手前と奥で市ノ瀬峠への分岐が2ヶ所あります。
A.手前の分岐。トラバースしながら高度を下げ、市ノ瀬峠への尾根上に途中で接続するルート
B.奥の分岐。利用者が最も多く、市ノ瀬峠への尾根上をそのまま下るルート。
選択したBは市ノ瀬峠分岐からなだらかな下りと急坂(階段付き)の下りの繰り返しです。
重量を担ぐ山行では段差の衝撃と膝まわりの屈伸運動が膝に影響しやすいので要注意ですね。

《 市ノ瀬峠 ~ 田床峠 ~ 観音越 ~ 尺岳 》
縦走は地形的に稜線上を延々歩くのでUP&DOWNが多いのが常。「さあ、ここからが稜線歩きらしくなってメインの縦走開始だ!」と内心意気込んではいたものの、建郷山や双伍山は基本的にトラバースになっています。建郷山ピークハントに関しては登頂前に所有者の方に要連絡との事です。
田床峠から少し進んだ所に林道を小さな橋で越えなければならない箇所がありますが、直前にある橋方向と林道方向を示す分岐の表示が林道の方に向かわせるように見える為少し紛らわしいです。
加えて双伍山分岐(南側)と観音越の中間あたりに稜線方向から逸れてしまう迷い跡があるので注意です。誤って入り込んだとしても、すぐ先は小ピーク越しに急傾斜下りのどん詰まりになるのですぐに気付いて元の道に復帰しようとすると思われます。(写真11)
どちらも添付の地図に位置を表示してますので参考にご確認下さいませ。
観音越からはしばらく主稜線(進行方向)が東方向に向いているので、南側に目指す尺岳が少しだけ見えるポイントがあります。福智山は隠れて見えないのでまだまだ視覚で捉えられません…。
以降も基本的に徐々に標高を稼ぐトラバース道がメイン、直登の箇所はあまり多くなく想定よりUP&DOWNはしませんでした。
スタート地点から約15kmほど歩いて一区切りの尺岳からはやっとこさ見渡せる展望のご褒美にありつけました♪ ここで1日目の3/4の距離を消化したことになります。北側の皿倉山方面を見返せば歩いてきた道のりが丸見えです。そして、1日目の目的地の福智山も山頂東側の樹木の間から…。うん、案の定気合を入れなおした方がいい距離感です(笑)
尺岳の西側に位置する金剛山、こちらに続く尾根は蛇行した痩せ尾根と金剛山の山容がかなり綺麗に整っていて、今回の縦走とは全く関係ありませんが行ってみたい衝動が湧き上がりました!

《 尺岳 ~ 豊前越 ~ 荒宿荘(福智山) 》
ここからは徐々に福智山方面まで高度をあげていく行程です。終盤に差し掛かっているこの段階での水平距離のある緩やかな登り。
この区間も地形図からアップダウンは見て取れますが、荒宿荘直前の急登に差し掛かる直前まではやはりトラバース道が多くサクサクと進めます。想定より早く荒宿荘に到着出来一先ず安心しました。歩いてきた北側方面は約20km先の始点の皿倉山まで見渡せて、一日を振り返りながら「ふぅ~っ」とやっと一息つきます。
すぐ近くのたぬき水で飲料用・炊事用の水にありつけるだけでなく、小屋にはバイオトイレまで併設してあるのが嬉しい。
……このトイレ1年前はかなり綺麗でしたが、今回は的を外したのかかなり汚れていました。山中にあってなかなか手入れが行き届かないですし、皆が使う物なので登山者全員が協力して綺麗に使っていきたいですね!
今回の様に避難(無人)小屋を積極的に利用する場合は一応管理者への事前連絡や、入室時・退室時にそれぞれ小屋の中を掃除するのもマナーの一つです。残飯を残さない、トイレなどに捨てないなども徹底しないといけません。


《 1日目の総括 》
稜線上は広葉樹林が多く、日中でも暑い日差しの下で野ざらしにはならず、コル地形は風が吹きやすいので思っていたより暑い登山にはなりませんでした。それでも暑いんですけどね(^_^;)
九州自然歩道上なので道は分かりやすく何より樹林が美しい!!
また、道中にエスケープ出来るポイントが点在しており、基本的に西側に向かう方が人里に近いですが、東方面は唯一田代方面への離脱が良いかと思われます。
地形図から「隠れた小ピーク」を含めて覚悟していたアップダウンの多さは想定よりかなり少なく、7割トラバース・3割直登降の印象。順当なペース管理さえ出来ていれば、割と止まらずに歩行し続けられる区間の方が多いのは救いです。
荒宿荘到着後、早々に炊事⇒完食⇒爆睡でしたが、宿泊地は小屋なのでグループであればプチ宴会がやりやすいのも嬉しいですね♪ 


それでは2日目に続きます。

フォトギャラリー

1日目の稜線は木陰が多くて助かりました♪

尾倉登山口は「ふもと食堂」のすぐそば

急登は階段ついてます

皿倉平にはトイレもあります

天気が良くて展望も◎ スペースワールド見納めです…

これから歩く稜線、最奥に見えるピークが福智山 う~ん、距離感ありますね~

ここで進路が3つに分かれます 今回は①から

なにこの林道!?もはや遊歩道の様に歩きやすい

落葉が多いですが道標はちょくちょくあるので分かりやすい!

立ち止まれば木漏れ日のグラデーションが楽しめます

向きの関係で赤線に行く人が相当数いる模様 〇は事前に見つけていた珍地形 P478の様に通常尾根はピークから3本伸びます 隠れた小ピークが集合してますね

直線距離約1km以内にやっとこさ尺岳を視認!電線や鉄塔の下は現在地確認に有用です 奥に見えるピークは雲取山かな?

尺岳平です 休憩適地すぎます 

尺岳山頂から皿倉山方面 一番奥の稜線左側のPが権現山、右側のPが皿倉山

こちらが楽しそうな金剛山の稜線、奥にはうっすら宗像四塚が見えてるぅ♪

豊前越あたりからは大好きなコガクウツギが咲き乱れてました 癒される~

おそらくこの日一番歩きづらかったのは烏落~荒宿荘の斜面

貴重な水の補給源であるたぬき水を見てほっとしました

キタ!!

尾西の白飯に美味しいと評判の7・11チキンカレー、炒めたコンビーフとベビーリーフを添えて、めっちゃ暑い山登りはレモンの酸味で元気と食欲が出ますよ♪

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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