奥多摩 雨降谷 ~ 里山の奥に隠れた美瀑・雨乞滝を訪れる(榧ノ木山南面 蜂谷川支流)

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投稿者
伊藤 岳彦
横浜西口店 店舗詳細をみる
日程
2018年07月04日 (水)~
メンバー
単独行
天候
コースタイム
雲風呂(40分)棚沢出合(15分)雨乞滝(50分)雲風呂
コース状況
※ 本文をご参照ください
難易度
Google Map
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感想コメント






 雨乞滝



暑い夏の水遊びとして、隠れた大滝を見に行くだけでもリフレッシュできるものです。
今回訪れたスポットは、奥多摩・蜂谷川支流雨降川にある雨乞滝20m。
里山の奥に屹立する大滝は思いのほか立派で、心動かされるものでした。





  2018/7/4(水) 曇

雲風呂駐車場[13:54]…棚沢出合[14:36]…雨乞滝[14:52/15:05]…雲風呂駐車場[15:57]







■ 貧弱すぎる出合

雲風呂というバス停のすぐ先にある駐車スペースを出発したのは14時前のこと。
不思議な地名なので検索してみましたが、明確な由来は分かりませんでした。


 ↑ 駐車スペース


因みに『西東京バス』の路線は珍名奇名の宝庫として有名であるとのこと。
奥多摩を愛するハイカーにとっては当たり前のものになっていますが、言われてみれば、三条の湯に行くときに降りる『お祭』も変わった名前です。
他にも『女の湯めのゆ』『雨降り』『下り』『夕焼小焼』『下除毛しもよけ』『金風呂』などが取り上げられるようです。


無人のプレハブ小屋の先に小道が山に向かって伸びており、その脇に水が流れていない沢がありますが、出合はあまりにも貧弱。
上流に立派な滝がある沢の出合とは到底思えないものですが、この先にはそれらしい沢はないので、小道を辿ってみることにします。


 ↑ ここを入ります

何かの小屋の先に作業道が伸びており、里山感いっぱいの沢沿いをしばらく進んでいきます。
気が付くと沢に水が現れ、2度ほど沢を横切りながら進むと、道はさらに立派な作業道に合流します。


 ↑ 立派な作業道に合流

右手下に不動滝2段を見ながら歩を進めると、左岸に大規模な伐採地が広がります。


 ↑ 不動滝2段を見下ろす


 ↑ 作業道をさらに奥へ


 ↑ 大規模な伐採地

ここで道は終わりますが、依然アプローチ用のラバー沢靴で渓を進むことができます。


 ↑ 作業道はここまで


 ↑ 暫く単調な渓を辿ります

ワサビ田跡を過ぎ、横向き4m滝を巻き上がった先が棚沢出合。


 ↑ 横向き4m滝


 ↑ 棚沢を見上げる

そこでようやくフェルト沢靴に履き替えることにしました。


奥多摩の秘渓!?雨降川は、鷹ノ巣山から南東に派生する榧かやノ木尾根にある榧ノ木山を源頭とするマイナーな渓。
昭文社のエアリアマップでは雨降谷、『東京起点沢登りルート120(山と渓谷社)』では雨降川長久保沢として紹介されています。

後者ガイドでは、

“人里近くにありながら出合があまりにも貧弱なため、ほとんど見向きもされなかった沢だが、蜂谷集落の水源にもなっており、出合奥は水量が多く、大きな滝が連続する奥多摩の沢のなかでも非常に登攀的な沢だ。”

と記されています。

この滝のハイライトは中腹にある雨乞滝20m
名瀑の風格をもつ立派な大滝で、奥多摩の滝のなかでも見栄えがするもの。
今回の沢遊びは、雨乞滝下までのミニ遡下降です。


棚沢出合まで来ると、植林だらけの里山感がなくなり、二次林か原生林かは分かりませんが、緑豊かな山深い雰囲気となります。
ここからは小滝が連続する、とてもきれいなところ。
水も澄んでおり、気持ちのよい沢歩きを楽しむことができます。


















■ 雨乞滝を見上げる

やがて大きな瀑音とともに現れる雨乞滝20m。











 ↑ 雨乞滝20m

こんなところにこんな立派な大滝があるんだ、と感心してしまいます。
確かに名瀑の風格を有する見事な直瀑です。
それにしても、かつて本当に里の方が雨乞いをしていたのでしょうか。


 ↑ 雨乞滝を見上げる

この滝の登攀は、岩が非常に脆く、立ち木も枯れており、直登不可とのこと。
何となく右壁を登れそうに見えますが、そんなに甘くはないのでしょう。


 ↑ 右壁の様子


 ↑ 左壁の様子

因みに高巻きルートは2つ。
右岸枝沢から巻き上がるか、左岸尾根を登り懸垂で降りるのがセオリーのようです。


 ↑ 右岸枝沢


 ↑ 左岸尾根

そういえば駐車スペースを出発してから、僅か1時間ほどしか経っていません。
雨乞滝上では、斜滝やトイ状滝など10m前後の滝が連続し、結構楽しめるようですが、今回はここまで。


本来沢登りに対する姿勢として、“下から上までの完全遡行にこだわる”ことをやはり念頭に置くべきかもしれません。
しかし最近は、ハイライト核心となるところで“心動かされるもの”があれば、それで満足してしまう自分がいます。
雨乞滝は一見の価値ありと言える大滝。
滝を取り巻く緑豊かな空間も素敵で、心休まるところです。
ほんの僅かな沢歩きでしたが、とてもよいリフレッシュができました。



最後までご一読いただき、有難うございました。

※ 画像サイズはスマートフォンで見やすい大きさに設定してあります。



フォトギャラリー

雨乞滝にて

雨乞滝と巨木

巨木を見上げる

緑豊かな空間でした

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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