瑞牆山 十一面岩末端壁 調和の幻想
- 投稿者
- つじまい(おとな女子登山部)
- 日程
- 2019年05月04日 (土)~2019年05月04日 (土)
- メンバー
- つじまい 他1名
- 天候
- 晴れ のちアラレ のち雨
- コースタイム
- 自然の森キャンプ場→末端壁取付き→トップアウト→懸垂3回で取付き
0630出発 1500駐車場
- コース状況
- トポは「新版 関東周辺の岩場」、「日本マルチピッチフリークライミングルート図集」
を参考にしました。
ロープは60mダブルロープ使用。
感想コメント
瑞牆マルチピッチの入門ルートとされている十一面岩末端壁「調和の幻想」。
全5ピッチ、ナチュラルプロテクション主体のトラッドルートです。
とても人気のあるルートなので、早めにとりつこうとするが、アプローチで道迷い。
先着の二人組がおられ、少し待ってからのクライムオンとなりました。
1p(5.10a)フォロー
末端壁の右端にある顕著なダブルクラックの右側を登ります。
ワイドクラックで明らかに厳しそうですが、右のフレークを使ってレイバックとステミングで上がっていけます。
先行の方のムーブを参考にさせていただきました。
ワイド下部で#6キャメロットを使う。上部はハンド&フットジャムでのっこせました。
2p(5.9)フォロー
ワイド気味クラックをボルダームーブで無理矢理上がると、傾斜が落ちるが泥と草の詰まった甘いフィンガークラックで、しかも濡れていて最悪でした。
ルートファインディングが難しそうでしたが、左側に回り込んで大きな立ち木のあるテラスでピッチを切る。本当はもっと下かもしれません。
3p(5.10a)フォロー
左側の階段上のフェースを登るのでは?と言うと、チムニーの中を行くと言い張るパートナー。
ザックを背負った状態で苦労したが、10aにしてはやさしかった。
おそらく、フェースのルートが正解だと思います。
4p(5.10a)リード
スラブの苦手なパートナーから、リードは任せた、と言われる。
前日、小川山セレクションのスラブパートでA0をしていたパートナーに文句をつけたことを根に持っているのかもしれない(・・;)
壁と木とチムニー登りで上がると、岩にそろりと移ります。
ここからはスラブで、いったん右にトラバースし、ポケットに手に足でジワジワ高度を上げる。
プロテクションは木にかけたスリングと錆びた古いリングボルトのみで、落ちたらグラウンドという高さまできたところで、手も足もなくなる。
滑らない、滑らない、、と念じて左のクラックへ手をのばす。カムを決めてテンション。
その後は、一転パワー系で、思い切ったムーブが必要。
ハングした岩の下を左に回り込み、立木でピッチを切りました。
私の渾身のリードでしたが、いつ落ちてもおかしくない状況だったため写真がないのが残念(´・ω・`)
5p(5.7-5.8)フォロー
空へ吸い込まれるようなフレーク状のワイドクラック。
#6カムが無いと15mランナウトするらしい、と聞き、このために買いました。
パートナーは器用にカムをずらしながら這い上がっていくが、突然空から大量の小石が振ってくる。
よく見ると小石じゃなく、アラレでした。雨じゃなくてよかった。
60mロープが残り数mというところで解除コール。
心配していたが、フォローではほぼレイバックで解決。
むしろ一番難しかったのはその上のオフウィドスで、私の技術ではどうしようもなく、カムをつかんで上がる。
終了点は残置支点を通り過ぎて木で取り、懸垂3回で取付きに戻りました。
初めての瑞牆マルチでしたが、実力ではギリギリで、「各ピッチとも複雑かつワイルドで多彩な技術が要求され、グレード以上に厳しい内容」とトポにあるとおりでした。
ずっと晴れていたのに、突然のアラレ、その後吹雪、一旦晴れたあとに雨、、と目まぐるしく変わる天気に翻弄されたのも良き思い出に。
今まで登ったマルチピッチのなかで最高のルートでした。
クラックをもっと練習して、また挑戦したいと思います。
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