コイカク沢左股沢~無名沢:日高の沢を遡って、下って、歩いて・・・

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投稿者
小山田 隆博
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日程
2019年09月08日 (日)~2019年09月10日 (火)
メンバー
小山田 単独
天候
晴れ
コースタイム
一日目:入渓~コイカクシュサツナイ川左股沢680m右沢遡行
札内ヒュッテ(1h20)640m二股(30)680m二股(1h30)C1=910

二日目:680m右股沢遡行~無名沢コイカク南西面直登沢下降~無名沢1839峰北面直登沢遡行
C1(4h30)コイカクシュサツナイ岳(2h30)980大滝(2h20)783m北面直登沢出合(1h)C2=890m
三日目:北面直登沢~(以後夏道登山道)~下山
C2(50)1110m二股(4h30)1839峰(2h30)ヤオロマップ岳(2h)コイカクシュサツナイ岳(3h40)札内ヒュッテ
コース状況
○コイカクシュサツナイ川左股沢680m右股沢
 680mまでは平凡な川原。770mから30mハング滝を高巻くと急斜面のスラブ滝が延々と続く。高巻きも悪くなるべく直登を試みると良いと思います。北海道沢グレード「!!!」

○無名(ナナシノ)沢コイカクシュサツナイ岳南西面直登沢
 夏尾根の頭から下降。上部は開けた明るい渓相で快適なクライムダウンが続きますが、980m付近は深いゴルジュに大滝がかかり壮絶な渓相です。一見の価値はありますが、下降には心の準備と気合が必要です。遡行した方が簡単かもしれません。

○無名沢1839峰北面直登沢
783m出合いからしばらくは断続的にた滝が現れますが、わりと容易です。1110付近から強烈なV字谷の渓相が続き1550m二股直前まで全く気が休まりません。


いずれの沢も雪渓が遅くまで残ることもあり、8月まではその処理がポイントかもしれません。今回はほとんどなく、3本ともほぼ全容を覗けたと思います。
難易度
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感想コメント

 山登りの中でも『沢』が一番好きです。一年に一度は沢を思いのままに歩きたい。そう思っています。今年は仲間と共に日高の沢に行く予定が私の休みの都合がつかなくなり、単独になりました。4日間で3本の沢を継続遡下降する計画ですが、12,13年前にも一部はトレースしてます。でもあの頃は20代後半、自信も体力もあり怖いもの知らずでした。今の自分がどれくらいの゛沢ヤ”なのか・・それを確かめるためにもプレッシャーをはねのけて日高に向かいました。

○1日目
 まるで夏のような暑さの中、ゲートのある札内ヒュッテを出発。今年の日高はヒグマと登山者のニアミスが多いのでいつもは持たない熊鈴とクマスプレーをもちました。夏道との分かれ道である640mまで1時間半。汗だくとなりました。
 ここから左股沢に入り、さらに680mで左岸から滝となって出合う沢に入渓します。これが680m右股沢です。すぐに岩盤状となりいきなり手ごわい滝が出てきます。30mハング滝を怖い思いをして高巻きさらに滝をいくつか越えて、910m二股の小さな平坦地にツエルトを張りました。

二日目
 沢はさらにV字状となり傾斜の強い中スラブ状の滝が延々と続く感じです。この日の天気はお昼すぎまでイマイチで沢の中は濃いガスがかかり、より不気味な渓相に感じます。1200m付近で雪渓から高巻きに入ると大きく巻き上げられました。今日も怖い思いを何度もします。なんとか沢に戻って更に岩盤状の滝を最後まで詰めていくと急に源頭となり、少しの藪こぎで稜線に出ました。
 稜線上は西側から猛烈な風が吹き上げてきて視界も悪い状態。頂上を踏んだあとハイマツの影でスマホで天気予報を確認します。天気は悪くないはず、でもこれ以上進むのは退路を断つことになるし・・・などと1時間近くも小心者の私はここでウジウジとしました(情けない・・)。それでも折れそうな心を胸の奥に押し込むと、風に負けずに無名沢への下降と移ります。

 意外と浅い藪こぎで沢筋に降りると風も嘘のように静まっていきます。上部は明るい渓相で快適なクライムダウンでどんどん高度を下げますが1000mを過ぎると地獄の底のようなゴルジュが待ってました(少々大げさかも・・・)昔の記憶が蘇りますが、弱気に高巻きを選択してしまいました。これがとんでもなく悪かった・・・。寿命が縮む思いで進み、ものすごい高度感と垂直のように感じる側壁から懸垂下降2回でなんとか沢に戻りました。ここは強気に中を下降すべきでした。
 その後の滝はぐっと性格も優しくなり783mの北面直登沢出合いに着きました。予定のテン場ですが翌日の行動も考えてもう少し進むことに。出合いすぐの滝を巻いてさらに疲れてフラフラの体にムチを打って890m二股まで進みました。

三日目
 体は既にボロボロ。でも朝から快晴です。気持ちを振り絞って出発。朝イチで高度感のある高巻きをすると1100mは深いゴルジュに右岸から40m越えのスラブ滝が現れます。右股もとんでもない滝が続いており、これまたすごい景観。スケールが桁違い!これぞ、日高の沢!!
 このスラブ滝を中間尾根から越えていくと、V字状の渓相が待ち構えていました。一つ一つを慎重に超えていくと水量も減ってきましたが、1500m手前でチョックストンのトイ状が直登できず、左岸を高巻きました。そそり立つ側壁を心もとない細いバンドと草付き伝う高巻きで高度感は満点。これが今回一番怖かったかもしれません。
 最後は割と明瞭な踏み跡をたどるとようやく稜線にたどり着きました。思わず喜びの叫び声を上げました。ここからはそれまでとは別の苦しさで薮をこぎながらの日高の稜線歩きです。何故かこの日も真夏並みの炎天下で、さらに源頭で水を十分汲まなかったのでコイカクの頂上で泊まることはできませんでした。結局強引にこの日のうちに下山することに。自分の車が見えたとき、長い3日間を終えて無事に帰り着いたことに心の底からホッとする自分がいました。

 稜線歩きの区間も長く、純粋に沢だけを遡下降したわけではありませんがそれでも満足いく山行ができました。昔と比べれば落ちているところはありますが、沢が好きな気持ちは変わってないません。皆さんも自分の好きな山を時に背伸びして挑戦してみて下さい。

フォトギャラリー

コイカク沢。どの沢も深い谷が特徴でした

コイカク沢は出だしから難しい・・

真夏のような天気でした

初日のテン場。寝心地はボチボチ

まずは頂上一個目。ガスと強風でした

下ると晴れてきました

ものすごい高度感・・

井戸の底に落ちていくような感じ

ここも難しかった。右のフェースをクライムダウン

滝が延々と続きます

ゴルジュと青空・・

1839峰北面直登沢出合いすぐの滝

三日目も滝だらけ

1100mの大滝。高巻きです

その大滝の右側。遡行は出来なさそう・・

上部も厳しい!

日高の名峰・1839峰!

着いた!

頂上からはカムエクも!

また来よう日高!!

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