広河原沢 左俣&2ルンゼ奥壁
- 投稿者
- つじまい(おとな女子登山部)
- 日程
- 2020年01月18日 (土)~2020年01月19日 (日)
- メンバー
- 他1名
- 天候
- 一日目 小雪 二日目 晴れ
- コースタイム
- 一日目 船山十字路→(90)→二俣→(210)→左俣終了→(90)→二俣 泊
二日目 二俣→(240)→1,2ルンゼの氷柱→(90)→奥壁取付き→(360)→稜線→(120)→二俣→(60)→船山十字路
- コース状況
- 船山十字路に駐車。
二俣でテント泊。
感想コメント
1泊2日で八ヶ岳へアイスとミックスクライミングに行きました。
私は今シーズン初アイス、しかも初めての広河原で、とっても楽しみ。
一日目は、左俣で少し遊んでみようということになりました。
沢の踏み抜きに注意しながら、詰めていくと、すぐに小さな滝が連続して出てきました。
今回スパルタ系パートナーに、簡単な滝はロープ出さないから、と言われていたので、がんばってフリーで登りました。
1年ぶりのアイスでしたが、徐々に感覚を思い出してきました。
大滝は、15mほどある滝で、見栄えがします。
パートナーは私をビレイするためだけにロープをつないで登ったので、フリーソロでした。
落ちはしない感じですが、傾斜が強くすぐに腕がパンプしてきます。
その後も、微妙な10m程のつらら状滝を登ると、終了です。
左俣は、全体的に氷の状態はよく、雪に埋まっていなかったので快適でした。
最後の滝から右手の樹林帯へ入っていき、中央稜に合流して二俣へ。
二日目はパートナーのご希望で2ルンゼへ。
行った事がないということで、ギアも多めに持っていきました。朝は4時出発です。
左俣よりは、アプローチが長く、チョックストーンを越えて行ったり、小さな滝はノーザイルでぬけます。
南岸低気圧の影響で、どんどん雪深くなり、わたしたちが一番早く出発したので、膝程のラッセルをしなければならなくなりました。
ルンゼ内は吹溜りで、急登のため、かなりの疲労。
先頭をかわりながら行くも、私のほうが体力がなくスピードも落ちるので、強いパートナーがたくさんラッセルをしていってくれました。
3ルンゼとの分岐の氷柱まで行きあたるのに4時間も費やしてしまいました。
氷柱は下部に雪がこんもりと盛り、やさしそうに見えますが、私にとっては、かなり傾斜がきつかったです。
奥壁に近づいてきますが、まだまだラッセルは終わらない。
取付きでやっと雪から解放されました。
その取付きというのも、なかなか分かりづらく、一番の弱点は凹角だろうということで、クライミング1ピッチ目のスタートです。
私がまずはリードをしましたが、見た目以上に傾斜があり、そして悪い(難しい)。
岩がボロボロで、思い切ったムーブができず、クラックに決めたカムでA0してしまいました。
「悪い、こわい!」と言いながら動けずにいると、パートナーからは「アルパインだからこわいのは当たり前!はよ行け」的なことを言われ、半泣きで岩を抜けました。
立った岩の上は、傾斜のある雪稜にところどころ凍った草付が混じっており、全くランナーが取れない状況で30m以上ロープを伸ばしました。
やっと灌木で支点をとることができ、ピッチを切りました。
フォローで上がってきたパートナーも、けっこうな時間をかけて上がってきて「なかなか悪かった、よく落ちなかったね」と言われ、やっぱり難しかったんだ・・とホッとしました。
ただ、もうメンタル的にキャパオーバーとなり、あとのリードをお願いしました。
そこから、壁沿いに右にまわりこんで、登れそうなところを弱点をついて登っていきます。
やはりプロテクションはほとんどとることができず、リードはほとんどフリーソロ状態です。
イボイノシシでビレイ点をつくりますが、フォローでも絶対に落ちてはいけないので必死に登りました。
左上していくラインが、合っているのかどうなのか、稜線に出れるのだろうか、という不安でいっぱいでしたが、おそらく2パーティが私たちのあとを追って登ってきました。
すぐ後ろについていた二人組の男性と最後まで一緒になったのですが、男性が前回来たときは南陵のP4に逃げたということでした。
最後の2ピッチは微妙なトラバースを含む雪稜で、最終的に、全5ピッチで稜線まで出てこれました。
残置を追っていくようなスタイルは通用せず、地形を理解し、弱点をついて、勘を頼りに登る冒険でした。
雪もしまっておらず、条件はよくなかったです。
天気がよく風もそれほどなかったのが救いでした。
当初予定していたのは、正面ルンゼから正面壁を登って阿弥陀岳直下まで、というルートでしたが、かなり西側にでてしまい、結果的に側壁を登っていたようです。
中央稜に出て、そのまま中央稜で下山しました。
長時間行動で疲労はしましたが、大変勉強になり、達成感もひとしおでした。
フォトギャラリー
・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。