リベンジ成功♡夢幻沢大滝から旭岳東稜へ継続
- 投稿者
- つじまい(おとな女子登山部)
- 日程
- 2020年12月28日 (月)~2020年12月29日 (火)
- メンバー
- 他1名
- 天候
- 雪のち晴れ
- コースタイム
- 1日目 美し森駐車場→(2時間半)→出合小屋→(3時間)→夢幻沢大滝→(2時間)→大滝上→(3時間)→ビバーク地
2日目 ビバーク地→(2時間)→五段の宮取り付き→(6時間半)→旭岳山頂→(30分)→ツルネ→(2時間)→出合小屋→(2時間)→出合小屋
- コース状況
- 参考書籍
「新版アイスクライミング」
「新版冬期クライミング」
「チャレンジ!アルパインクライミング南アルプス・八ヶ岳・谷川岳編」
一週間前に訪れた時よりは明らかに積雪量が増えていた。
上ノ権現沢、旭岳東稜ともにトレースは無し。
感想コメント
12/19〜20に旭岳東稜を敗退したが、2〜3日すると疲れも忘れてしまった。
年末の三連休で甲斐駒ヶ岳の黄蓮谷をやろうと思っていたが、その人気さ故に情報が溢れ、行く気をすっかり無くしてしまっていた。
そこで、諦めきれない旭岳東稜へのリベンジを企むが、普通に行くには面白くないし…と
しばらく地形図と睨めっこしたところ、上ノ権現沢から継続するラインを思いついた。
さらに夢幻沢大滝から繋げると登り応えがありそうだ。
ネットでは全くそのような記録が出てこなかったが、「新版アイスクライミング」の上ノ権現沢ページに廣川さんによる記録で「夢幻沢(大滝〜旭東稜上まで)」とあった。
これは行けるに違いないと確信し、「黄蓮谷、もう埋まってるから」と適当なことを言ってパートナーを誘導した。
入山前日から雪が降り続けたようで、出合小屋から先は膝くらいの雪があった。
上ノ権現沢は真っ白の世界で、岩の上にのった新雪に苦労しながら進む。
途中でいくつかの小滝を越えていくが、イマイチトポと一致しない。
夢幻沢大滝を目指すが、初めてだと探すのに苦労するようで、慎重に地図を見ながら行動する。
ここでは?と思って支流に入ると、大正解!
事前に今年の情報が得られなかったので心配していたが氷は繋がっていた。
1ピッチ目はパートナーのリード。スクリューを下部で連打し不安になるが、案の定使い果たしてしまったようだ。
ザックを荷揚げしセカンドで登る。右の方がびしょびしょで、濡れないように登るのが大変だった。
傾斜は強いが、氷は柔らかくデコボコ穴が空いているので、思ったよりはやさしかった。
2ピッチ目は私のリード。
傾斜は落ちるが立体的な形状で面白かった。雪に埋まったナメ滝を登りきって岩にスリングを巻き付けビレイした。
このルンゼからのラッセルが今回で一番のラッセルとなった。もう少し積雪が多いと簡単に雪崩てしまいそうである。
腰ラッセルを交代しながら頑張るが、終わりが見えないので左手の尾根にマシなところから無理矢理上がった。
ここからが、ルートファインディング能力の試されるところとなる。
この尾根は旭東稜から一本東の尾根となり、このまま登ってしまうと岩に阻まれ行き詰まる。
なるべく下の方の傾斜の緩いところでトラバースしたかったが、なかなか悪くて難儀した。
そうこうしているうちに日暮れが迫るので、ビバーク地を探すことに。
カミナドーム1がギリギリおさまるスペースを確保した。
翌朝は4時半に行動開始。
結局、もとの尾根に戻りかなり上の方まで詰めたところから、トラバースできる場所を見つけた。
無事に五段ノ宮にたどりついたときは本当にホッとした。
夜明けと同時に登攀開始。
五段ノ宮にも雪がべったりとついているが、岩と雪が交互に出てくるのがアルパインらしく怖くて楽しい。
思ったよりかなり難しく、私はA0でないと抜けることができなかった。
キノコ雪をバイルを振り回しながら払いのけるとホールドや灌木が出てくる。
重いザックのために時間がかかってしまうが、ノートレースの雪稜は最高だった。
ついに6ピッチを終え、山頂が目に入った。
ロープを解き、一歩一歩と踏みしめて歩く。山頂に立ったときは胸がいっぱいになった。
風に煽られながら稜線を歩きツルネ東稜を駆け降りて出合小屋へ。
出合小屋には先客が2組。どうしてもソーシャルディスタンスをとれそうになかったので、疲れてはいたが下山することにした。
先週と同じ道を同じ人と歩くが、気持ちは全く違っていた。
今年1年、行きたい山に行けなかったり、天気が悪いことが多くて、自分が納得できるような登山が出来なかったように思う。
今回パートナーや天気に恵まれ、今年の最後を締め括る素晴らしい山行となった。
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