【レポート】紅葉谷道 企業参加型共同作業体験 №1
- 投稿者
- あやや(おとな女子登山部)
- 日程
- 2023年02月27日 (月)~2023年02月27日 (月)
- メンバー
- 神戸市・建設局 公園部の森林整備事務所
一般社団法人 神戸市造園協力会の皆様
神戸電鉄ならびに神電コミュニケーションズの皆様
好日山荘
- 天候
- 晴れ
- コースタイム
- 極楽茶屋跡(15)作業エリア周辺で適宜移動(15)極楽茶屋跡
- コース状況
- ・一部積雪が残るが軽アイゼン等は不要
«お手洗い情報»
なし
感想コメント
KOBE Rail&Trailで現在取り組んでいる自然環境保全活動。その一つとして、好日山荘の知見も取り入れながら六甲山・紅葉谷登山道の整備を行いました。
将来的には登山者参加型の新しい整備のかたちを模索していますが、まずは実際行った整備の様子をレポ―ティングいたします。
合計8日間で大きく分けて4つの作業を行いました。
1. 階段補修
2. 丸太橋伐採見学・加工
3. 丸太ベンチ加工・設置
4. 丸太橋設置(丸太橋の加工・設置サポート)
2023年2月27日(月) ~2月28日(火) 階段補修
一つ目の作業は階段補修。
六甲有馬ロープウェイ・山頂駅から歩いて10分ほどにある極楽茶屋跡に集合です。
今回参加するメンバーは、神戸市・建設局 公園部の森林整備事務所様と一般社団法人 神戸市造園協力会の皆様、神戸電鉄ならびに神電コミュニケーションズの皆様、好日山荘の5者で、毎日約10~15名ほどで作業します。
初日の顔合わせ&朝礼でその日の作業内容を全員で確認します。
自己紹介をすると、まだ白い息が出るのが、さすが寒さが厳しい裏六甲ならではです。
安全に作業できるよう、ヘルメットは必須。作業に必要な鋸(のこぎり)を各自携帯して、いざ階段補修の現場へ向かいます。
作業を始めたのは2月末からで、ここ数日の好天で一気に雪が溶けて来た様子ではありましたが、まだ日陰には所々に雪が付いています。
元々造園協力会の方々は先行して作業を進めて下さっており、先週時点ではまだ積雪のため、表面が雪で覆われた状態だったため少し気を揉んでいたとのことですが、心配には及びませんでした。
本日メインで行うのは、自然石の石組による階段作りと階段補修で、2日間に渡って行います。
登山道整備で自然石を用いた修繕・保全は景観的にも良く、浸食を防止する効果が大きいとのこと。
自然に馴染ませるため、周辺の地形や水の流れ、植生までよくよく考慮し、まるで「元の地形に埋もれていた石が露出している」ように見せることが望ましいんだそうです。
とはいえ、神戸電鉄と好日山荘スタッフは素人ですので、まずは造園協力会の職人さん達とペアを組み、相談しながら作業を進める算段です。
まずは、外傾して滑りそうな段差や、緩んだ石など、ざっくり下見の時点で目を付けておいた個所から整備に取りかかります。
大きな段差を修正する場合は、大きな石は職人さんに動かしてもらいます。
先端がお好み焼きのヘラのように、返しが付いている細長い(鍬・スキ)を使うのですが、鍬自体も重量があり、石の下部に差し込みテコの原理でゴロッと動かします。
石を組み上げる際、接点となる部分を基本的に3点(底・左右・上下)以上確保し、谷に落とし込んで積み上げていきます。隙間はパズルのようにバランスよく石を詰めてかませていきます。
自然に見えるよう、傾きや高低差を織り交ぜるのが難しい。。
たくさんの石を組む・詰むのではなく、大き目の石で安定するように据え付けるのがポイントです。
大きな踏み石の下は土や砂利や小石(栗石)を詰めて、動かないように調整します。
石を移動する際に、指をつめないように気を付けます。
崩れない強度と見た目の美しさ(自然に見える形)を常に考えながら。
スキマを適宜設けた方が、植物が入りこんでよりナチュラルに見えるんだそう。
踏み石は基本水平に据えなければならないので、水平器を使ってきちんと確認します。
寒いからなのか、元々の地質なのか、スコップを入れると土も固く、思うように土を掘り返せない場面も。
岩の下に敷く土に葉が入るとフカフカしてしまい安定しないので、葉を除け、掘りおこした箇所に再度土を埋めていきます。
力作業の際は、谷方向へ滑落しないよう、石を足元へ落とさないよう慎重に。
作業場所は所々狭く、落石注意の看板がある箇所もありましたので、作業に集中しすぎないよう、周りも気にしつつ(途中、紅葉谷を歩くハイカーさんがおられるため)作業を行いました。
作業日数が限られているため、なるべく広範囲の補修をすべく、丁寧かつスピーディーに作業を進めます。
とはいえ、1日があっと言う間に終わるので少しやり残した部分も出てしまいました。
登り返しながら、据え直した段差の確認を行い作業は終了。皆さんに少しでも歩きやすくなったな、と感じて頂ければ幸いです。
帰り道に、ハートの石を発見!今後も整備が順調に進むよう願って。
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