鹿島槍ヶ岳3月 (爺ヶ岳東尾根から赤岩尾根へ)

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投稿者
伊藤 岳彦
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日程
2013年03月26日 (火)~2013年03月28日 (木)
メンバー
単独行
天候
晴→曇→曇
コースタイム
【1日目】大町温泉郷(60分)鹿島(150分)ジャンクションピーク(210分)矢沢ノ頭
【2日目】矢沢ノ頭(60分)爺ヶ岳中央峰(60分)冷乗越(120分)鹿島槍ヶ岳南峰(60分)冷乗越(150分)西俣出合
【3日目】西俣出合(50分)大谷原(150分)大町温泉郷
コース状況
・全般的にトレースが付けられています。
・爺ヶ岳東尾根上の雪は締まっており、歩きやすかったです。
・冷池山荘冬期小屋は開放されています。
・稜線上は雪庇だけでなくクレパスにも注意を払う必要があります。
・赤岩尾根は高千穂平より下の樹林帯の雪の状態が極めて良くないです。
・西俣出合では流水が利用可能。幕営には雪崩を考慮する必要があります。
・大谷原までは除雪されています。
・今回ワカンを使用することはありませんでした。
難易度
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感想コメント

北アルプスの峰々も春の装いを見せ始め、厳冬期の冷徹な表情とは打って変わり、あたたかく寛容な姿を我々に見せてくれるようになりました。
今回ご紹介するのは、鹿島槍ヶ岳積雪期ルートとしては最もポピュラーなコースです。
稜線に立って初めてまなかいに飛び込んでくる、屏風絵のように美しい剱・立山の白き峰々の屹立とした姿が、ただひたすらに圧倒的でした。

今回は中央高速バス<新宿―白馬線>の夜行便が利用できたので、仕事が終わったあと、新宿23:10発のバスに乗車。5:20には信濃大町駅に着きました。
暖房の入った駅の待合室で仮眠をし、日向山高原行7:05発のバスに乗車。7:30には大町温泉郷を歩き出すことができました。
今期からアルピコ交通の「さわやか信州号」が高速乗合バスとしてリニューアルされたので、首都圏からのアクセスとして夜行バスが使いやすくなりました(運行日・料金はご確認下さい)。

また、信濃大町駅-鹿島間には大町市民バス「ふれあい号」が通年運行(1日3本)されています。
時間が合えば利用させて頂くのもよいでしょう。詳しくは大町市のHPをご覧下さい。


【コース案内】
積雪期に鹿島槍に登ろうとする場合(東尾根・天狗尾根などの直登バリエーションルートは除きます)、まずどのルートで稜線に出るかを選択しなければなりません。

最もオーソドックスなルートが、「爺ヶ岳東尾根」。
爺ヶ岳中央峰から派生する長い尾根で、中間部で尾根が一部痩せるものの、全般的に傾斜が緩く、鹿島集落から取り付くことができるので、市街地からのアプローチが最も便利です。
時期的には4月末までで、あまり遅くなると下部ではかなりの藪コギに苦しめられます。
3月中は週末に登る方もおられるので、トレースもしっかりしています。
幕営適地はジャンクションピーク、P3、矢沢ノ頭にあります。
末端の取付きは、矢沢橋の先にある林道矢沢線に入り、道を外れて傾斜の緩いところを目指す方が効率が良いと思われます。

もう一つが扇沢方面の柏原新道から入る「爺ヶ岳南尾根」。
爺ヶ岳南峰から派生する一番危険性が少ない確実なルートですが、一般的には扇沢への道路が開通してからでないと使われません。
2013年度は4月16日から扇沢行きのバスが運行開始となります。
ハイマツが多いのでアイゼンで傷つけないよう、植生へのローインパクトを心がける必要があります。

3つ目が無雪期の一般ルートでもある「赤岩尾根」。
稜線直下の下りが急峻で、上部トラバースでの雪崩に注意する必要があります。
今回下りでは赤岩ノ頭から派生する小さな尾根を下降し、途中で水平にトラバースをして赤岩尾根上部に取り付きました。
高千穂平より下部の樹林帯の雪の状態がよくないので、登りにはこの時期不向きではないでしょうか?
トレースもしっかりしており、下降路として使われることが多いように思われます。
高千穂平での幕営も気持ちよさそうです。
全般的にとても急な尾根なので、バランスを崩して思わぬ滑落をしないようご注意下さい。

フォトギャラリー

鹿島槍ヶ岳は美しい双耳峰

ジャンクションピークから爺ヶ岳を望む

P3からP2へ

迫力ある爺ヶ岳中央峰と北峰

P2から矢沢ノ頭へ ここが一番痩せています

矢沢ノ頭から爺ヶ岳を望む

稜線から望む剱岳

剱岳アップ

種池山荘を望む

冷池山荘はまだ埋もれています

布引山と鹿島槍南峰

鹿島槍南峰への最後の登り

南峰頂上から望む北峰

五竜岳方面を望む

牛首尾根の向こうに剱岳

立山を望む

赤岩尾根上部全容

赤岩尾根最上部の下降

高千穂平へ向かって降る

赤岩尾根取付と西俣出合のデブリ

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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