静かな残雪期の仙丈ヶ岳(※小仙丈ヶ岳まで)

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投稿者
好日山荘スタッフ
日程
2013年04月13日 (土)~2013年04月15日 (月)
メンバー
天候
1日目 晴れ、2日目 晴れ、3日目 雪→晴れ
コースタイム
■1日目
戸台駐車場→(100分)→第二堰堤→(145分)→「六合目コース通行禁止」看板→(15分)→丹渓山荘跡→(105分)→八丁坂を登り切ったところ→(105分)→大平山荘(45分)→北沢峠→(25分)→駒仙小屋テント場

■2日目
駒仙小屋テント場→(25分)→北沢峠→(125分)→5合目→(30分)→6合目→(65分)→小仙丈ヶ岳→(45分)→5合目→(110分)→北沢峠→(10分)→駒仙小屋テント場

■3日目
駒仙小屋テント場→(330分)→戸台駐車場
コース状況
■戸台駐車場~丹渓山荘跡
長い河原歩き。
浅い渡渉が何度かある。雨の後など水量の多い時は困難かも。

■丹渓山荘跡~<八丁坂>~大平山荘
丹渓山荘跡から本格的な登り。
八丁坂は数え切れないくらいの九十九折が繰り返されるが、勾配はそれほどキツくない。
坂を登り切ると森の中を緩やかに登り、最後のキツめの坂を登ると大平山荘に至る。
標高1800mあたりから積雪あり。

■大平山荘~北沢峠~駒仙小屋テント場
森の中をいく近道はトレースがなかったため、遠回りになるが林道を通った。
林道は除雪されていた。

駒仙小屋テント場は冬季トイレ使用可能。
トイレはトイレットペーパーもあり、また夜間は点灯し、至れり尽くせり。
冬季小屋も使用可能。
沢の水もそのまま飲めた。

■北沢峠~仙丈ケ岳5合目(大滝頭)
3合目あたりまでは明確なトレースあり。
しかし、3合目より上部はルート不明瞭。
安易に他人の足跡をたどらないほうがよいかもしれない。

■5合目~6合目
森林限界を超える急な坂。
この時期、雪が湿気を含みアイゼンに絡みやすく、歯が立ちにくい。
特に下りで注意。コマメにピッケルで叩いて雪玉を落とすこと。

■6合目~小仙丈ケ岳
吹きっさらしの尾根道。
雪面が凍り付きガチガチでアイゼンもピッケルも刺さりにくい。
強風時は滑落に注意。
また、視界が悪いときはルートを外れないように。
難易度
Google Map

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感想コメント

仙丈ケ岳。標高は3032m。
その優美で穏やかな山容から「南アルプスの女王」と呼ばれています。
無雪期はバスが北沢峠の登山口まで開通しており、そこから山頂までの標高差は1000mほどで十分に日帰りが可能なお手軽な3000m級のお山です。

遠くから眺める仙丈ケ岳も素敵ですが、山頂からの眺めも最高です。
なんといっても富士山と北岳の日本最高峰No1,2コンビが並んで見えます。
そして、甲斐駒ケ岳、鋸岳、鳳凰三山の南アルプスの山々、遠くには中央アルプス、八ヶ岳、北アルプスも望めます。

以前、夏に登った時はかなりあっさりと登れてしまい、ちょっと物足りない気もしていたので、いつかは冬に登ってみたいと思っていました。
白い仙丈ケ岳も見てみたかったし。
そんなわけで、まだ北沢峠までバスが開通していないGW前の残雪期にチャレンジ。
戸台の登山口からテント担ぎで北沢峠まで向かい、駒仙小屋のテント場をベースとして仙丈ケ岳を往復する2泊3日の計画。
せっかくなのでご飯はリッチに、ということでまたまたお鍋と蒸篭(せいろ)も担いで上がりました。

結果は…、仙丈ケ岳まで辿り着けず、手前の小仙丈ケ岳までとなりました。
この季節の仙丈ケ岳を甘く見ていました。
まず、荷物が重い…
通常のテント泊装備に冬山装備(アイゼン、ピッケル、わかん)が加わり、冬用シュラフやダウン、さらに鍋や蒸篭、食材が加わって、ザックの重量は20kgを超えていたとみられます。
ガス缶を多めに持って行ったのも重荷になった。

そして、戸台の登山口から北沢峠までが長い。
標高差も1000mあり、1日目の北沢峠までのアプローチでかなりバテました。
肩も痛いし。

その疲れを引きずって、翌日の仙丈ケ岳アタック。
今度は雪の斜面に苦しめられました。
トレースも不明瞭で、道を見失いそうになりながらなんとか5合目到着。
この時点でコースタイムを1時間以上オーバーしていました。

5合目から上部は森林限界を超え、景色はよくなるのですが、強風が敵となります。
雪面はガチガチに凍っており、アイゼンが刺さりにくく、気を使います。
何とか小仙丈ケ岳(2855m)に到着。
ここから眺める白い衣装をまとった仙丈ケ岳は素晴らしい。
しかし、この距離を往復するのは体力的にも時間的にも厳しそう、ということで今回はここで引き返すことにしました。

小仙丈ケ岳からの景色も十分に素晴らしいです。
北岳、間ノ岳、甲斐駒、鋸岳、鳳凰三山の南アルプスの素晴らしいお山に囲まれ気持ちいい。
ゆっくりランチしながら景色を楽しみました。

3日目の朝は雪。
やはりこの時期でも標高2000m近くでは雪になるので油断ができません。
ただ、テントの中は暖かくて快適でした。

お楽しみのディナーは1日目はトマト鍋。
〆はご飯を混ぜて、チーズをかけてリゾットに。
おいしかった。

2日目は蒸籠で蒸し鍋。
バーニャカウダでおいしくいただきました。
ふっくらと膨らんだ肉まんが最高ですね。

今回は残念ながら頂上までたどり着けなかった残雪期の仙丈ヶ岳ですが、いつか行きたいと思います。
ちなみに、今回3日間山にいて、出会った人は2人だけでした。
静かなお山を堪能できました。

フォトギャラリー

南アルプスの女王 仙丈ヶ岳。白い衣装をまとった姿も美しい

出発からしばらくは河原を歩きます。石がゴロゴロ。歩きにくい

途中、苔が綺麗な森も

北沢峠。何度か来たことがありますが、歩いてきたのは初めてです

今夜の寝床完成!

晩御飯はトマト鍋!

2日目。仙丈ヶ岳にアタック。北沢峠を出発

だんだんと登りが激しくなってきます

北岳だ!ピラミッドがカッコイイ

森林限界を超えます

甲斐駒、鋸岳とその向こうに八ヶ岳

小仙丈ヶ岳が見えました!

雪面はガチガチです。風も強い…。滑落注意

小仙丈ヶ岳到着。今回はここまでにしておきます

北岳と間ノ岳。富士山は霞んでうっすらと

甲斐駒アップ

鳳凰三山アップ

今夜は蒸籠で蒸し野菜!

もちろん肉まん

3日目、目覚めたら雪でした。早々に撤収

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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