中央アルプス 宝剣岳

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投稿者
田渕 幹敏
日程
2013年08月11日 (日)~2013年08月11日 (日)
メンバー
ららぽーと横浜店 田渕 (TL)
他 9名
天候
コースタイム
菅の台駐車場 ⇒ [30] ⇒ しらび平 ⇒ [8] ⇒ 千畳敷 ⇒ [30] ⇒ 極楽平 ⇒ [15] ⇒ 三ノ沢分岐 ⇒ [50] ⇒ 宝剣岳 山頂 ⇒ [20] ⇒ 乗越浄土 ⇒ [50] ⇒ 千畳敷

※ 単位は分、休憩含まず。
コース状況
"千畳敷から三ノ沢分岐"及び"乗越浄土から千畳敷"は整備された登山道。
良く踏まれており安定しているが、浮石や落石には注意。

三ノ沢分岐から宝剣岳の山頂を越え乗越浄土までは、細く痩せた稜線。
鎖やステップはとても良く整備されているが、転倒や滑落は致命的な事故に繋がるので要注意。
不安な方は、ハーネスとランヤードを用意しヴィアフェラータで行かれると安心。

千畳敷まではロープウェイであがれる為軽装の方が目立つが、カールは氷河に削られた岩肌の地形であり、上部では落石もある。
ロープウェイ駅付近のハイキングなら良いが、登山道に足を踏み入れるならば極楽平や乗越浄土までであってもきちんとした装備を用意すべき。

☆ お願い ☆
長野県の遭対協がヘルメットの装着を奨励しているエリアです。
事故防止の為、稜線に出る方はヘルメットの着用をお願い致します!
宝剣山荘にてレンタルもあります。
難易度
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感想コメント

宝剣岳は古くから山岳信仰の対象とされ、険しい岩の山として知らる秀峰。
千畳敷カールからも急峻な稜線を望む事が出来、その迫力ある尾根筋は日本を代表するカールの景観に華を添えています。

アルペンムードに満ちた美しい高山の景観、良く整備されていながら険しく冒険心をくすぐる岩稜、雄大なカール地形の眺望、そして美しいお花畑、…それらの全てに非常に短いアプローチで出会う事が出来るロケーションは国内でも稀有な存在です。

これから日本アルプスでの登山を目指す登山者や、更に深い自然に触れたい方々にとっては、より文明の助けを借りながらその目標に挑戦出来る貴重なフィールドであると言えるでしょう。

しかし一方で、ビーチサンダルやクロックスで登山道に足を踏み入れる方が大勢いらっしゃったりと、登山云々以前に生物としての危機管理能力を疑う様な事例が多く見られる現状は憂慮すべき事態の様に思われます。
山岳事故に限らず、熱い物を飲んで飲食店を訴えたり…不注意の怪我まで責任を学校等に押し付けたり…、勿論全てではありませんが、自身の行為の帰結を自身で負わない風潮がさも当然の如く社会に蔓延している事が我々にとって良い状態だとは思えないのです。

登山に限らず、アウトドアに於いてはオウンリスクが原則です。
そして、現代の責任所在を特定し難い複雑な社会に於いてもまた、この原則を再認識し自分と自分に関わる人々を守って行く事が必要になっているのではないでしょうか。

話が逸れてしまいましたが(笑)、今回は我々のチームにとっては初の中央アルプス!
アクセスのし辛さ等から中々足が向かなかった中央アルプスは、とても綺麗で素敵な山域でした。
千畳敷は、同じカールでも涸沢とはまた違った趣があります。
涸沢よりも遥かに雪が少ないせいでしょうか、より明るく穏やかな印象で心地良かったです。

宝剣岳の岩場は、難易度的には両神山などと同程度でしょうか。
但し、標高が高いですから気象条件はより厳しくなりますのでご注意下さい。
整備はよく行き届いており、本格的な岩稜へのステップアップとしても非常に良いコースです。

緑を懐に湛えた岩の山は、やはり良いですね。
森林限界を超えた岩肌の尾根から緑の裾野を見下ろすと、何故か胸が締め付けられる様な感動があります。
人の住む世界とそれを拒む世界との境界を思う時、自然はどの様に在り、その中で自分はどの様な存在なのかを考えてしまいます。
そして、独りではなくて良かった…と思うのです。
美しい山を、信頼出来る仲間に恵まれて共に歩けるのは本当に嬉しいものですね。
そして下山すると家族がいて、帰りを待ってくれている人もいる。

大きな自然の中に身を置く事の心細さが、普段は気付かずにいる幸せを教えてくれます!
仕事が繁忙期を迎えあまり山に行けていなかったので、改めて人に恵まれた自分の幸せさを実感しました!

フォトギャラリー

千畳敷カール!この広大な圏谷は、かつて氷河に因って削られた跡。高山植物の宝庫でもある。

駒ヶ岳ロープウェイを利用すれば、ロープウェイの高低差としては日本最大となる950mを一気に運んでくれる。ただ…、この日の帰りは何と2時間30分待ちだった(TT)

極楽平への登り。だんだんと近付いて来る稜線が気持ちを盛り上げてくれる。

三ノ沢分岐から、宝剣岳への稜線。中央アルプス随一の岩稜の始まり!!

のっけから高度感のある素敵な鎖場!全体を通してホールドは豊富だが慎重に!

垂直に近い登りも!鎖がきちんと整備されているが、手も足も良いので岩を上手く使って登るとより安全にクリア出来る!

迫力のプチギャップ!稜線上の岩場は変化に富み、冒険心をくすぐられる!楽しさでつい童心に帰りがちだが、あくまで慎重に!

稜線上から見下ろす千畳敷カール。膨大な量の氷の河が岩肌を削り、この広大な圏谷を創り出した!

大好きな仲間と素敵な山を歩く、とても幸せな時間。僕は、このメンバーが世界一の登山チームと思っています^^(笑)

今回は10名のパーティーだったので、稜線は2班に分かれた。信頼出来るSLがいて全員が慎重で…、気持ちの良い登攀が出来た。

長い鎖場の降り。確実な三点確保で!

中岳から木曽駒ヶ岳へ向かう稜線。右端のコルに小さく見えるのは駒ヶ岳頂上山荘だろう。

難所にはステップも整備されている。

Bark at the sun !! ココを越えると山頂はもう直ぐ!

山頂直下のトラバース。前半三分の一辺りが少し前傾していてドキドキ!

午後からはガスが稜線を覆い始めた。山では、晴れの予報でも午後はガスや雨の可能性が増す。雷の発生率も高まるので行動時間帯には注意したい。

宝剣山荘。ココでヘルメットの貸し出しも行っている。稜線に入られる方は是非着用を!

乗越浄土の直下から、千畳敷カールを望む。奥は駒ヶ岳ロープウェイの千畳敷駅。

カール内は高山植物の宝庫。美しいお花畑が広がっている。

剣ヶ池。モレーンで堰き止められている訳ではなく、氷河湖ではないのだそう。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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