出羽三山を巡る☽山形~羽黒山 月山 湯殿山~

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投稿者
好日山荘スタッフ
日程
2013年08月21日 (水)~2013年08月22日 (木)
メンバー
天候
1日目☁ 2日目☀
コースタイム
1日目 羽黒山神社→車移動→月山8合目(100分)→仏生池小屋(80分)→月山神社・頂上小屋
2日目 月山神社・頂上小屋(70分)→仏生池小屋(90分)→月山8合目→湯殿山神社
コース状況
よく整った登山道で特に危険カ所はありません。比較的なだらかで石畳が敷かれ歩きやすい登山道ですが、時折強風が吹き抜けたり、大きな石の急坂がありますので、足元には注意を払いましょう。
難易度
Google Map

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感想コメント

「月山に呼ばれた」




「はい!?(´Д`;)」





突然そんな事謎めいた事を言い出したのは、私の山友のNさんだった




以前から出羽三山を巡りたいと言っていた友人


羽黒山(現在)
月山(過去)
湯殿山(未来)


という意味合いを持ち、修験道でもある




昨年、一度月山には一緒に訪れていた


その時に


「月山って満月ってイメージだよね(^ω^)」


と、二人で話していた


そして今回、その月山頂上で『満月』が見たいと言う




「だってさ、月山=過去 でしょ

満月=不必要なものを捨てる でしょ

つまり『過去のいらないものを捨てる』でしょ

ムフッ❤いいね、いいね♪」



って…Nさんよ、あなたの過去には一体何が?(==;)




そんなわけで、月山を頂上小屋で一泊し、満月を見る!+羽黒・湯殿神社を巡るという超~ゆるゆる登山を決行する事となった




1日目


高速を5時間かけて移動し山形県へ


今回は友人の運転という事で体は楽だが恐ろしい程の睡魔に襲われる、これは助手席の使命か…




早朝、羽黒神社入口へ到着


ここからは徒歩で神社へと続く杉並木の中の階段を歩く(登山ではないのでスニーカーでOK)


…が、しかし、もの凄い長さの石の階段
おまけに蚊の大群に襲撃され、朝食の餌食とされてしまう∑(=□=;)
うがーーー!!来るなぁぁぁ!!!!と、まるでレゲエのライブ並にタオルをブンブンと振り回して蚊を追い払いながら急勾配の石段を汗だらだらとなりながら延々と登る


目の前の困難や慌ただしさに追われる現代社会…これが羽黒山【現在】か(´Д`;)…


と、無理くり勝手な解釈をしてみた二人だったのでした(何か違う?)






その後、お参りを終えた私達は月山8合目へと向かった


8合目まで車で上がれるとだけあってその道のりは長い、長い
車1.5台分の道幅を観光バスもガンガン走る為、マイカーで訪れる方はすれ違いに注意していただきたい…


午後1時


身支度を終えると登山スタート


駐車場から弥陀ヶ原近辺は観光客の方々で賑わっていたが、その木道歩きも過ぎると自分達以外の人はいなくなり、静けさを取り戻す


お天気は今一つの曇り空だったが、白いガスに包まれた草原は幻想的で現代からは一気にかけ離れた不思議な空間を生み出していた


シーズンには少し遅いと思っていたが、フワフワとワタスゲの様に揺れる白い雪の様な花やアザミ、早くも秋を告げるリンドウ等が出迎えてくれ、草原のあちらこちらに浮かぶ池塘を飾るかの様に見事な演出をしてくれた


しばらくは穏やかな歩きが続くが、時折高度を稼ぐ様に急な岩場も出現する


一汗かけばなだらかになり、また一汗かけば違った景色が広がり…といったように、月山は私達を優しく迎え入れてくれる




月山=満月


だからであろうか?
ヘンゼルとグレーテルの童話に出てくる落とした小石で出て来る道の様に、頂上へと続く道には石畳が敷かれているのだが、その形はまん丸で可愛い


大きくもなく、小さくもなく、丁度良い歩幅でランランと足を進めて行くと、途中雪渓が現れた


その上を、もの凄いスピードで風が吹き抜けて行く
かと思えば、急にスローモーションになり時が止まってしまったかの様に景色も止まる




音の無い世界
聴こえるのは、風の音だけ…




9合目の小屋を過ぎ、いくつかの丘を越えると、これまでよりも更にどこまでも続く広い草原が広がっていた


遠くには大小様々な池塘
山の神様が落としてしまったおはじきの様に、キラキラと光っている






こんなに素敵な景色をプレゼントしてもらえて、私達は幸せだね


胸の中で『ありがとう』と想いながら、その幸せを噛みしめて歩く




ありがとう ありがとう






午後3時
この日お世話になる頂上小屋に到着


小屋に着くなりNさんが


「お腹へったーお腹へったー、カップラーメン食べたい!」


と、突然駄々をこねはじめる(¬¬;)


「今食べたら晩御飯食べられなくなっちゃいますよ!」
「やだ!カップラーメンーーー!!」


世界の中心で愛は叫ばずに月山の頂上でラーメンを叫ぶNさんをなんとか取り押さえひとまず小屋で休憩を取る事に


畳の個室で綺麗にお掃除されたお部屋は雰囲気もいい感じ♪
夕食まで少し時間もある為ダラダラとくつろいでいると、いつの間にかそのまま寝入ってしまった


それから2時間程経った頃


「さ、さぶい…(--;)」


あまりの寒さに目を覚ます


小屋の外ではもの凄い強さの風がガタガタと部屋の窓を揺らしている


とりあえず、持って来ていたフリースとレインのジャケットを着込むもののそれでも寒い!
しまった、標高が2000mもないし小屋泊りだからといってダウンを持って来ていない
完全に油断した…私はここで凍えしぬのであろうか(((--;)))ガタブル


夕方5時半


小屋のおかみさんに呼ばれ夕食の時間


木で出来たテーブルに並べられた食事はボリューム満点!
天ぷらに山菜の胡麻和えに温かいお汁にお茶に…冷え切っていた体が心底温まる
大食いの私でもお腹いっぱいになる程美味しくて、あれだけ騒いでいたNさんも大満足だった(^^)♪




そして、今回のメインイベント、『満月』


見れるかな、見えるかな…




日中がガスガスだった為、不安と期待が入り混じる


レインを着込んで、手袋とヘッドライトも付けて、準備完了。


ドキドキしながら小屋の戸を出て、開ける場所まで足元を照らしながら歩いて行く






「あっ!」





二人で一斉に叫んだ


あれだけ白かった空のガスは晴れ、東の空にまん丸 大きなお月様




「やったーーー!!」




月なんて珍しいものじゃないのに、この時ばかりはその喜びに歓喜の声を上げる




白く降りそそぐ月灯りの下には、ユラユラと静かに揺れる池塘の水面


遠くでは、下界の街の灯りもポワポワと滲む様に浮かんでいる




その光はやわらかくて、優しくて…全てが包み込まれ、心が清らかに穏やかにとけて行く様で…


近くの石に腰かけ、その夜は二人沢山の話をした






翌日、早朝4時半




「久志田ちゃん!早くしないと置いてっちゃうよ!」




着替えながらそう言うNさんの声で目を覚ます
相変わらず外は強風がビュービューと窓を叩いている


眠い目をこすりながらなんとか着替えて外に出ると、すでに空は白み、西の空には昨夜の月が傾きかけ、東の空の方角には他の宿泊客の姿があった




「あっ…」





視界いっぱいに広がった雲海の合間から、小さなオレンジ色した卵の様な太陽が頭をのぞかせた


するとその頭はみるみるうちに大きくなり、まばゆい光りを放ちながら空中をめいっぱいのオレンジで染め上げた


こんなにも沢山の贅沢をさせてもらって良いのだろうか
思わず、手を合わせずにはいられなかった





その後、朝食を済ませるとお世話になった頂上小屋の方に挨拶をし小屋を出る
とても気さくで親切な小屋で、少し名残惜しい気もするけれど、また絶対に来ようねと約束をした


下山は元来た道をピストンで
朝のご来光はすっかり上り、昨日とは打って変わって青空が広がっていた


そして目の前にはな、なんと出羽富士・鳥海山が!!
嗚呼、美しい…ここで鼻血を出して倒れてしまいたい(´ii`)ハァハァ



そんな幸せいっぱいな気分に浸りながら、まったーり、ゆるゆる~と下山


最後の鳥居をくぐった所で、もう一度だけ振り返り、


「ありがとう」


と御礼を言って月山【過去】を後にしたのだった






その後は再び車移動をし、出羽三山最後の湯殿山神社【未来】へ


こちらもまた登山といった感じではなく、観光・ハイキングの様なものですが…


ここでは多くは語りません。実際にご自身の肌で感じ、触れて頂きたいのです


決して(長くなったからめんどくさいんじゃ…)というわけではなく(笑)
一度訪れてみる価値はあると思います






そんなこんなで出羽三山を巡る旅、大変充実した時間を過ごす事が出来たのでした☆(⌒∀⌒)★★

フォトギャラリー

月山頂上より 朝の満月

羽黒神社へと続く杉並木

ラブ・池塘

松尾芭蕉も歩いた 奥の細道

フリフリのレース付(*^ω^*)

だんだんと上がって来ました

雪渓現る!吹き上げる風が気持ちいい♪

こんな器があったら可愛い(≧▽≦)

仏生池小屋に到着、少しものものしい雰囲気…

平たーい、広ーい草原 光る池塘

お気に入りの花

神社が見えて来ました、白装束の人が登場

穏やかな反面、こんな傾斜も

満月と池塘に映る月光

sunrise

くっきり青空の向こうには!見えますか!?

憧れの鳥海山

ありがとう月山

湯殿山神社への入り口、一度訪れてみては…。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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