秋の南アルプス赤石岳~荒川岳

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投稿者
好日山荘スタッフ
日程
2013年10月12日 (土)~2013年10月14日 (月)
メンバー
天候
3日間とも晴れ。稜線は強風
コースタイム
■1日目(10/12)
椹島→45分→1/5標識→70分→2/5標識→60分→3/5標識→90分→歩荷返し→55分→赤石小屋

■2日目(10/13)
赤石小屋→45分→富士見平→140分→稜線→20分→赤石岳頂上→40分→小赤石岳→60分大聖寺平→45分→荒川小屋

■3日目(10/14)
荒川小屋→105分→荒川前岳→15分→荒川中岳→85分→荒川東岳(悪沢岳)→65分→千枚岳→30分→千枚小屋→25分→駒鳥池→35分→見晴台→35分→清水平→55分小石下三角点→45分→鉄塔下→55分→椹島
コース状況
■椹島~赤石小屋
やや急な登り。ほとんど展望なし。
危険個所なし

■赤石小屋~富士見平~赤石岳
赤石小屋から富士見平までは緩やかな登り。
富士見平で大展望。
富士見平から先は斜面のトラバースあり。滑落注意。
その後は稜線まで急な登り。
赤石岳への稜線は危険個所なし。

■赤石岳~小赤石岳~荒川小屋
快適な稜線歩き。
小赤石岳からの下りはやや急。
大聖寺平は視界不良時は道迷い注意。

■荒川小屋~荒川中岳
急な登り。危険個所なし。

■荒川中岳~荒川東岳(悪沢岳)
中岳から軽く下って、悪沢岳に向かって大きく登り返し。
この岩場の登りがきつい。

■荒川東岳(悪沢岳)~千枚岳
悪沢岳直下は歩きにくい岩場。
雨に濡れているとスリップしそう。
展望良い快適な下りが続くが、千枚岳直下に2か所ほど岩場の直登があり、油断できない。

■千枚岳~千枚小屋
危険個所なし。展望もなくなる。

■千枚小屋~椹島
シラビソの樹林帯の緩やかな下り。
展望箇所は見晴台の一か所のみ。
小石下三角点から少し下り、鉄塔の手前に登り返しと岩尾根歩きがあり、ここは注意が必要。
鉄塔より下は急な下り。
難易度
Google Map

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  • おとな女子登山部

感想コメント

南アルプス南部の山。赤石岳、荒川岳、聖岳、光岳など。
山に登り始めたころからずっと行きたい山域でしたが、その山の深さからなかなか実行に移せませんでした。

まず、登山口までのアプローチが悪い。
静岡県の最深部である畑薙第一ダムまで細いクネクネ道を静岡市街からおよそ2時間。
そこからバスで未舗装のガタガタ道を1時間かけて椹島(さわらじま)まで。
さらに、椹島に至る林道も大雨が降ると土砂崩れが起こり、頻繁に通行止めになってしまう。

椹島からも日帰りで登頂できる山はなく、3日以上連続した休みがあり、かつ、お天気に恵まれないとなかなか行けないところです。

この秋、その機会に恵まれたので、ずっと温めていたプランを実行しました。
●南アルプス 荒川三山~赤石岳周回3泊4日
1日目 椹島→赤石小屋 5時間15分
2日目 赤石小屋→赤石岳→荒川小屋 6時間30分
3日目 荒川小屋→荒川岳→千枚小屋 4時間40分
4日目 千枚小屋→椹島 5時間


■1日目(10/12)
金曜日の仕事が終わってからパッキングしてあった荷物を車に積み込んですぐに出発。
途中、寝ながら畑薙第一ダムへ向かい、5時ごろ駐車場に到着。
8時発のバスまで眠ろうと車で寝ていたら、6時ごろから周りが騒がしくなり、バス乗り場に登山者が集まってる。

なんと、7時に臨時便が出発するということで、慌てて列に並ぶも、3台の臨時便には乗り切れず行ってしまいました。
今度バスが来るのは、その3台のバスが行って戻ってくる2時間後…

そんなわけで、ぼ~っと待ってました。
こんなとき、一人だと退屈です。
9時にバスが戻ってきたので、これに乗って椹島10時到着。

赤石小屋へ向かう登山道はかなり急な登り。
テント装備のザックがとても重く、足取りも重い。
どんどん追い抜かれていきます。

樹林帯のひたすらな登りで眺望はなく、退屈。
ひたすら登っていきます。
ペースはコースタイム通り。
休憩を含めて5時間半ほどで赤石小屋に到着。

テントを張って、ご飯を食べてすぐに寝ました。
寝不足だったこともあって、18時には寝入ってました。

■2日目(10/13)
この日の行程も6時間ほどなので、6時ごろ日が昇ってからのんびり起床。
なんと12時間も寝ていました。

7時に出発して、1時間ほど登ると富士見平に到着。
ここでやっと森林限界を超え、眺望が広がります。
目の前にこれから向かう赤石岳、振り返ると富士山、周りを見渡すと、荒川三山、聖岳など。
天気が良いと楽しいね!

ただ、ここからの登りがきつい。
いつも稜線が見えてからがしんどいのですよね。

稜線に着くと、絶景!
中央アルプスとその奥に御嶽山。北アルプスの山並みも。
ここにザックをデポして赤石岳に向かいます。
荷物がないとさくさく足が進みます。

赤石岳からの景色も最高。
富士山が大きいです。
広い山頂をのんびり散歩してました。

景色を十分に満喫した後は荒川小屋へ。
3,000m級の稜線歩きはとても楽しい。
空を歩いているような感じです。
この楽しみを山に登っていない人にも伝えたい。

13時過ぎに荒川小屋に到着。
東海フォレストの帰りのバスに乗るためには、1泊以上小屋に泊まらないといけないので、今夜は荒川小屋の素泊まり小屋に泊まります。
この小屋がとても快適!
広いし、きれいだし、夜は電気も付きます。
ドコモの電波も強く入ります。

そして、楽しみにしてた荒川小屋の晩御飯のカレー。
おいしいし、おかわり自由です。ちょっと食べすぎました。
素泊まり小屋は今夜は青年と二人のみ。
広々使えてとても快適です。
青年は一日で椹島から荒川岳を回って荒川小屋へ来たということ。
すごいね!若いっていいね。

■3日目(10/14)
計画ではこの日ものんびり行程で千枚小屋で1泊して椹島に下りる予定でしたが、台風接近の情報を聞き、この日に一気に椹島に下りることに。
そんなわけで、4時に起きて、準備をして5時過ぎにまだ暗いうちに出発。
荒川前岳に登る途中で日の出です。
富士山のすぐ左にオレンジ色の太陽が昇ってきました。

この日もコースタイム通りに進捗。
荒川前岳・中岳の稜線は風が強くかなり寒い。
中岳からはいったん下って、荒川東岳(悪沢岳)に登り返します。
この垂直に近い岩場が、重いザックを背負っているととてもキツイ。
後ろにひっくり返りそうになります…

がんばって悪沢岳頂上に到着。8時半。
風が強く寒いので、ちょっと休憩して下山開始。
千枚岳に向かっては景色を眺めながらの快適な下りが続くのですが、千枚岳直下も怖い岩場の登り返しがあるので油断ができません。

千枚小屋到着が10時半ごろ。
エネルギーを補給して、ここから椹島までの約5時間の下りに備えます。

千枚小屋から椹島までのルートは緩やかな下り。
快調に飛ばしていきますが、小石下三角点から少し下ったあと、予想外の登り返しと岩尾根歩きがあるので注意が必要です。

15時半ごろ椹島に到着。
14時の終バスはもう行ってしまっているので、今夜はここにテント泊して、翌日の朝一のバスで帰ることにします。
ここにはなんとお風呂があります!
さっぱりしました。

■4日目(10/15)
朝、6時半のバスで椹島を後にします。
遠いけれど、いいところだったなぁ。
また来たい。
ちなみに、畑薙ダムから静岡市街まで80kmほどあり、細いクネクネ道が大半を占めるので、帰りの運転も油断なく。


久しぶりのテント泊装備での縦走でしたが、かなりきつかった。
コースタイムを維持するのが精いっぱい。
秋は日の出も遅く、日の入りも早いので、5~6時間/日ぐらいの行程にとどめておくのがのんびり写真を撮ったりできて快適でしょう。

そして、この季節は気温の変化が激しく、ウェア選びが難しい。
朝は寒く、昼間に日が照ると暑い。
また、3,000mの稜線で風が吹くとめちゃくちゃ寒いけれど、1,500mぐらいの樹林帯では暑い。

今回、椹島→赤石小屋→赤石岳→荒川小屋→荒川岳→千枚小屋→椹島の時計回りルートでしたが、一般的には反時計回りルートがよく歩かれているそう。
反時計回りのほうが登りは緩やかな感じでしょうか。

初めての南アルプス南部でしたが、やはりここに来る方々はみなさん山に慣れている感じがしました。
北アルプスや八ヶ岳、南アルプス北部は歩き尽くして、最後に残ったこの山域に来た、という感じ。

楽しい山行でした。

フォトギャラリー

荒川東岳(悪沢岳)と荒川小屋。南アルプスの山はでかい

赤石小屋への登り。樹林帯で眺望はなくキツイ

赤石小屋とうちゃく。椹島から5時間半かかりました。黄葉がきれいです

2日目の朝。朝焼けに染まる赤石岳。がんばって登るぞ~

赤石岳の頂上が見えた!

赤石岳頂上!3120m。椹島から2000m登ってきました。富士山がでかい!

聖岳(ひじりだけ)に続く道。いつか歩いてみたい

赤石岳頂上から北側。荒川三山、塩見岳、白峰三山、仙丈ケ岳、甲斐駒!

3000mの稜線歩き。楽しい!

荒川岳の麓は秋色です

荒川小屋とうちゃく。オシャレな小屋です

荒川小屋の晩御飯のカレー。これが食べたかった!おかわり自由です。でも食べ過ぎでおなかが苦しくなりました

3日目。この日は一気に椹島まで下りてしまいたいので、5時過ぎに出発。日の出は5時半ごろ。今日もがんばるぞ~

荒川東岳(悪沢岳)頂上付近から来た道を振り返ります。よく歩いたなぁ

荒川東岳(悪沢岳)頂上とうちゃく。3141m。360度の絶景です。

それでは下山開始します。ここから一気に2000m下ります。

気持ちの良い下山道。鼻歌を歌ってしまいそうです

赤石岳を横目に下っていきます

荒川三山を振り返ります

椹島のテント場。お風呂もあって、快適です。ここでテン泊して翌日朝一のバスで帰路につきました

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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