憧れのジャンダルム越えvol.1新穂高~南岳~大キレット~北穂高岳

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投稿者
好日山荘スタッフ
日程
2014年09月10日 (水)~2014年09月12日 (金)
メンバー
天候
☁→☂→☁時々☀
コースタイム
【一日目】:
新穂高温泉(180分)滝谷出合(50分)槍平小屋(240分)南岳小屋

【二日目】:
南岳小屋(100分)長谷川ピーク(110分)北穂高小屋(120分)涸沢岳(10分)穂高岳山荘

【三日目】:
穂高岳山荘(45分)奥穂高岳(95分)ジャンダルム(80分)天狗のコル(100分)岳沢(95分)上高地
コース状況
【一日目】:新穂高温泉~槍平~南岳小屋
 新穂高温泉から槍平小屋までは右俣谷沿いのなだらかな登山道です。槍平から南岳新道へ入り徐々に高度を上げていきます。ここは南岳への西尾根。かなりの急登で体力を奪われるばかりか、稜線に近づくにつれ切り立った岩稜帯に入りますので足元にご注意を。南岳小屋周辺は広くて快適で、大キレットへ入る前の休憩適地。

【二日目】:南岳小屋~大キレット~北穂高岳~穂高岳山荘
 南岳小屋から下降し核心部へ入ります。高度感のあるクサリ、ハシゴを繰り返し大キレットの最低鞍部へ来ます。しっかりルートを確認したら核心部の「長谷川ピーク」へ。切り立った稜線を信州側から飛騨側へ乗越します。高度感がありますが足場はしっかりしていますので3点支持を保ちながら慎重に進みましょう。A沢のコルは休憩適地ですのでルートを確認したり、写真を撮ったり…♪続いて次の核心部「飛騨泣き」です。高度感のあるクサリが連続します。北穂高小屋への登りもガレ場が続きますので慎重に。北穂高小屋を過ぎても気は抜けません。涸沢岳との間の最低鞍部からは広大な涸沢カールが望めますのでゆっくりルート確認。涸沢岳に向けてはハシゴと長いクサリが曲者です。浮石・落石も多いのでご注意ください。穂高岳山荘は鞍部に建つ広大で快適な山小屋です。

【三日目】:穂高岳山荘~奥穂高岳~ジャンダルム~岳沢~上高地
 奥穂高岳へは垂直に近いハシゴを2本登り、岩稜帯を歩けば1時間弱で到着します。日本第3位の3,190mからの眺めを楽しんだらいよいよ“本当”の核心部です。「馬ノ背」は切り立った稜線を巻いて行きますが、高度感が超絶です!3点支持を守って進めばよいのですが、大キレットの高度感でクサリがところどころ無い、と思っていただければイメージしやすいです。続いての「ロバの耳」も高度感たっぷりのクサリが続きます。右に左に巻いて行きます。「ジャンダルム」へは信州側を巻いて登れます。その後も「天狗のコル」までは3点支持を守りながらのクライムダウンが続きます。天狗のコルから岳沢へ下る「天狗沢」の道はほとんどが浮石の転倒要注意ルート!気が抜けません。岳沢小屋から上高地までは徐々に高度を下げながらの一般登山道です。終盤です。足元をよく見ながら下りましょう。
難易度
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感想コメント

 夏頃から東久留米店小澤さんを含め、妻、友人たちと計画していたジャンダルム越え。友人の一人が仕事の都合がつかず結局3人パーティーでの山行となりました。ルートは西穂高岳→奥穂高岳→大キレット、逆の大キレット→奥穂高岳→西穂高岳を迷いましたが、初日に長く行動でき、距離も稼げる後者を選択しました。僕は10年ほど前にテント泊縦走で大キレットを槍ヶ岳→奥穂高岳→上高地、のルートで歩いていましたが、小澤さんと妻は大キレットもはじめて。ジャンダルムは皆初体験で緊張とワクワク感に満ちた充実した山行となりました。

 我々は鹿児島からのアクセスなのでどうしても一日を移動日に費やしてしまいます(*鹿児島空港→中部国際空港(飛行機)→松本(名鉄、JRを乗り継ぎ))。しかし、一方松本で前夜泊できたので身体は比較的楽に。一方小澤さんには松本⇔新穂高温泉の送迎も快諾してもらい、負担をかけてしまいました。しかも前夜仕事を終えてほとんど寝ないまま運転し、初日の朝4時に松本のホテルまで来てくれました。感謝×2♪♪

 初日はひたすら『体力』を使う一日となりました。槍平小屋までは比較的平坦で歩きやすい道が続きます。右手に沢を眺めながら会話も弾む♪ここで表銀座を縦走してきた明石大久保店・原さんのグループと遭遇。お互いの安全を祈念して分かれます。この日は天気も良く夏山らしい暑い、それでいて快適な山歩きが出来そうな予感がしていました。しかし、槍平小屋を過ぎ南岳新道から高度を上げていくと徐々に天候は悪化。ガスで稜線は霞み、時折小雨も降りました。小澤さんはこの付近でウトウトしながら歩いていました。それでも稜線に出る手前でヘルメットをかぶり、足場が悪くなるといやがおうにも緊張感を強いられます。平坦になったと思ったところが南岳小屋でした。夕方自炊(素泊まりにして節約(^_^;))をしている頃から天気が回復。最高の夕陽が差してきたので皆急いでカメラを片手に小屋を飛び出しました。あとはご覧のような景色に眼を奪われながら1時間近くも撮影していました。

 二日目は天気はほぼ良好。安全に大キレットを越えられそうです。南岳小屋を出たらいきなり下降開始!ひたすら下り、最低鞍部へ。「長谷川ピーク」、「飛騨泣き」の通過はトップを交代しながら慎重に通過しました。ハシゴ、クサリはしっかり整備されていますので3点支持を守って歩けば安全に通過できます。北穂高小屋は縦走の中間地点。富士山を除けば日本最高所にある山小屋です。最高のロケーションを眺めながらコーヒーをいただきました。

フォトギャラリー

南岳小屋からの夕景。あまりに美しさに皆佇みます。

初日、新穂高温泉から。

長距離の運転のせいか眠そうな小澤さん。おーい、起きろーっ!

ヘルメットをかぶるとシャキッとしました。

こりゃあシャキッとしなければ通過できません。

南岳小屋へ向けての最後の登り。チングルマに見守られながら。

南岳小屋前から。笠ヶ岳のシルエットが素敵です。

槍ヶ岳も夕方には顔を出してくれました。

雲の美しさにうっとり。

明日越える大キレットを前に…。眺めている人も武者震いをしているのでしょうか。

二日目はいきなり高度感のある下りです。

これから向かう核心部を前に。

稜線の通過は気をつけて。

核心部に近づきます。左上にちらっと見えるは北穂高小屋。

広いカールを眺めてここをを落ち着かせて。

太陽は登山者を現実以上にカッコよく演出してくれます。

長谷川ピークを前に!

長谷川ピーク通過中。

通過した長谷川ピーク。

続いて次の核心、飛騨泣きへ。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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