晩秋の黒戸尾根
- 投稿者
-
るんちゃん(おとな女子登山部)
浦和パルコ店
- 日程
- 2025年10月28日 (火)~2025年10月29日 (水)
- メンバー
- アルピコプラザ松本駅前店 佐藤
- 天候
- 晴れ
- コースタイム
- 【1日目】尾白川登山口(5分)駒ヶ岳神社(90分)一合目(100分)刃渡り(60分)五合目小屋跡(70分)七丈小屋(10分)テント場
【2日目】テント場(40分)八合目御来迎場(50分)ニ本剣(40分)甲斐駒ヶ岳(30分)二本剣(30分)八合目(20分)テント場(10分)七丈小屋(40分)五合目(40分)刃渡り(90分)一合目(50分)登山口
- コース状況
- ○鎖場はステップや手がかり豊富で登りやすくなっています。狭いのでザックの外付けは避けたいところです。
○七丈小屋テント場は平日で1000円でした。外トイレから5分以上登ったところにあります。夜間はヘッデンを灯して梯子の登下降する必要があります。水場は七丈小屋のみ。
- 難易度
-
感想コメント
暑すぎて敗退した真夏の黒戸尾根、微かに冬の気配が漂う晩秋にリベンジしてきました。水や食料は少なめとはいえ、防寒着や厚めの寝袋など冬一歩手前の装備を詰め込んだザックはパンパン、久々のテン泊装備での7時間行動は少々不安でした。少しでも早く出発するために甲府で前泊しましたが、見事に寝坊し1時間の遅刻をして朝7時過ぎに登り始めました。バタバタのスタートでしたが穏やかな天気の中、ゆっくりペースで登りバテることなく14時過ぎには七丈小屋に到着できました。
前半の樹林帯ではブナやダケカンバ、標高が上がるとカラマツも交じり全体的に黄色が目立つ印象でした。中腹の刃渡りでは展望が開けて、両翼を広げた八ヶ岳をはじめ、富士山や北アルプスなど、見覚えのある山が次々に現れ見応え抜群。珍しくお天気に恵まれました。
鳳凰三山を眺められる位置にテントを張り、夜に備えて早速ダウンを着込みました。雪がまだ降ってなかったとはいえ、じっとしていると凍える寒さです。コンパクトなテン場でしたがこの日は私たちの他に3張。小屋にもそれなりの人数が泊まっているようでした。
こちらのテン場はトイレが少し遠いのが厄介。テントの時は決まってトイレ近くに陣取ることが多いですが、今まで泊まった中で一番遠いように感じます。何せトイレは小屋の傍なので、小屋近くまで細い山道を下らなければなりません。夜はヘッドランプで照らした狭い道を注意深く進み、上手くかわさないとぶつかってしまう太枝のトラップをくぐり抜け、2mほどの梯子を下りてようやくたどり着けます。トイレをもよおした時に、そのまま寝過ごしてしまおうか、グダグダ考えずに一思いに下るか、寝袋の中で悩むこと数分、出発の時間までこんなことを数回繰り返すうちに度胸がつき、最後のほうは太枝トラップも巧みにかわすことが出来ていました。暗闇を登り下りすることで妙な自信が生まれ、翌日の鎖場アタックも問題なく歩けました。
翌朝は日の出前にヘッデンを点けて登り出しました。標高が上がるに連れ、白い花崗岩帯となり甲斐駒ヶ岳らしい風景が広がります。古の修験者が刺したものなのか、黒戸尾根名物の二本の剣も富士山と一緒に拝むことが出来ました。ここまで来るとさらに目立ってくるのが日本第二の高峰・北岳です。見る位置によって表情の変わる山ですが、鎌をもたげたような鋭いピークには目を見張るものがあり非常に印象的でした。頂上から北側には茶色く尖った鋸岳が。静かで不気味な雰囲気の未踏峰です。元気なうちに挑戦してみたいものです。
鋸岳に比べると、甲斐駒は爽やかで登山道も整備されており、大変登りやすい山でした。人気があるのも納得です。私たちが下山する時も、七丈小屋方面だけでなく北沢峠から登ってくる人達がたくさんいました。この日も天気はもちそうだったので、ゆっくりと撤収し小屋の外で一服してから下山しました。
昨日よりさらに進んだ紅葉を眺めながら、最後まで穏やかな気持ちで下る予定が一向にゴールが見えてきません。特に一合目から尾白川までが異様に長く感じました。山道を一山も二山も巻いているようでした。登りよりも下りは特に長かったので、やはり黒戸尾根は難儀な山だったと思います。雪が付けばロープや冬ギアも増えるので、難易度はさらに上がるでしょう。また訓練して訪ねてみたいです。
冬が近いせいか、下山後の汗冷えが辛かったので温泉へ急ぎました。道の駅・蔦木宿で温まり、帰りは山梨名物のあっつあつのほうとうを食べて、しっかり体の芯から温めてから帰宅しました。
【使用ウエア】
アンダー▶️ミレー/ドライナミックメッシュ
ベース▶️ミレー/クータイウールクルー(メリノウールとポリの混紡素材)
ウィンドシェル▶️パタゴニア/フーディニジャケット
パンツ▶️ミレー/ビオナセパンツ(ソフトシェルパンツ)
手袋▶️アイスブレーカー▶️クァンタムグローブ
ダウンパンツ/マウンテンイクイップメント
【ギア】
テント▶️アライテント/SLソロ
シュラフ▶️イスカ/エア450X シュラフカバー
ザック▶️オスプレイ/ミュータント52
ヘルメット▶️マムート/ウォールライダー
フォトギャラリー
・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。



















