天上山~神津島でくさやの夜は更けてゆく
- 投稿者
-
中澤
ららぽーとTOKYO-BAY店
- 日程
- 2014年10月20日 (月)~2014年10月21日 (火)
- メンバー
- 池袋西口店 石倉
調布パルコ店 渡辺
瑞穂店 清水
銀座店 飯酒盃
- 天候
- 晴れ
- コースタイム
- 神津島港―(20分)ー沢尻キャンプ場―(60分)-やよい橋前ー(60分)-白島登山口-(30分)-天上山山頂-(15分)-不動池-(10分)-新東京百景展望地-(15分)-裏砂漠-(30分)-黒島登山口
- コース状況
- キャンプ場からの道を間違えてやや遠回りをしました。登山口から山頂、周囲を歩くコースは、砂と岩の歩きやすい道です。
- 難易度
感想コメント
半年程前に船の手配をして雨のため行けなかった神津島。
今回は5人で女子旅をするという企画でやってきました。いつも嵐を呼ぶわたしより、強力な晴れ人間がいたようで天気は快晴。夏が戻ってきたかのような暑さにややバテながら登山口まで辿り着きました。
登山口から上は快適な道が続き、すぐに海が見渡せるポイントまで出ます。神津島の海は本当に美しく、その景色は暑さにまいったからだをゆっくりとクールダウンしてくれました。
標高542mとは思えない北アルプスのような岩稜を過ぎ、生い繁った草の隙間にもぐり込むようにして歩いていくと、不動池に出ました。この池の中央には竜神様が祀られているらしく、そのまわりも鬱蒼とした草に覆われていて神々しい雰囲気です。
不動池からすこし歩くと、海が眺められる開けたポイントに出ます。ここは新東京百景展望地と言って、天気がよければ式根島、新島、三宅島が眺められます。
明るい空と海の中にいたかと思うと、数分歩けばまたすぐに灰色の砂が続く風景に出会います。ここが裏砂漠と呼ばれる場所です。荒涼とひろがる風景は、どこか異国の土地のようで自分がいまいる場所がわからない感覚になります。この島に着いたのが今朝のことだとは思えないような、どこを歩いてきたのかわからないような、不思議な感覚です。
裏砂漠を横切りしばらく行くと黒島登山口に着きます。ここからはしばらく急な階段を下ることになりますが、目の下にひろがる海を眺めながらの道はなかなか気持ちがいいです。
ここを下り切ると、スーパーなどのお店が集中するところまで行けるのですが、島唯一のスーパーがまさかの定休日でした・・・。やや焦って「神津ストア」を目指すと、そこにはキャンドゥが・・・。どうやら閉店して違うお店になってしまったようでした。
仕方がないのでそのまま坂を下って農協に行ったのですが、魚などはなく、いくつかの野菜や苗などが並べられていました。とりあえずここで小松菜と菜っ葉とししとうを購入。しかし今夜のメインイベントはくさやを焼いて食べることだったので、3件ふられるとやや不安になります。
時刻はすでに5時になろうとしていました。農協のおにいさんたちに他のお店のことを聞くと、さっき通り抜けてきたちいさなお店しか残っていないようでした。けっこう焦ってきた我々は急ぎ足で集落に戻り個人商店に入りました。
ぐるっと店内を見回すと奥の冷蔵コーナーに魚が2匹置いてあるのがわかりました。とりあえずくさやではなさそうだが干物をおさえておけばどうにかなるのではないかと思い、店のおじさんに魚がほしいと伝えて冷蔵のドアを開けてもらいました。
「これ、くさやじゃないですよね」と念のため確認すると、「くさやじゃないよ」とおじさんは答え、わたしはややがっかりしたけれど「じゃあこの鯵ください」とサバよりくさや感が出る鯵を選んだ。おじさんははいはいと言って、上段の発砲スチロールを叩きながら「さっき島の人がくさや買っていったから臭いがするでしょ。こうやって蓋しとかないと臭いがでちゃうからさ」と笑って言った。
まさかくさやが箱に入って売られていたとは!!わたしはとっさに「くさやがあるんですか?!じゃあくさやください」と言うとおじさんは意外そうな表情で「くさやがいいの?」と言って1匹取りお会計をしてくれました。
ひとまず目的のものを手に入れほっとするわたし。その後酒を購入しこれでもう思い残すことはないだろうとキャンプ場へ歩く。ここでわたし以外の女子たちは「藤原ベーカリー」に寄ってクリームとかが挟まったパンなどを買い食いしていて、その後ろ姿は部活のあとの高校生のようでした。
今夜は一人一品作ってみんなで食べる、端的にいうと宴会をしようということで、テーブルにはスンドゥブ、プルコギ、しめじのアヒージョ、トマトソースやあぶったししとうなどが並びました。島で買った小松菜は細くやわらかく、コンビーフと炒めるとしんなりからまってほどよい味になりました。
みんなそれなりに空腹が満たされてきたころ、すべてのパンを焼いたことを確認してからくさやを焼きにかかりました。すぐに「くさっ」と言って20mくらい離れる石倉さん。もうもうとした煙はくさやの臭いを漂わせながら我々を包み、みんなその臭いに興奮気味に反応していた。「くさや職人!」「よっ、職人!!」などと声をかけられながら、くさやを焼いているところを激写されるわたし。
みんな立ちあがって笑いながら一斉にくさやにシャッターを押す姿は、一種異様ともいえる光景だったのだと思う。
焦がさずじんわり弱火で炙ったくさやはすばらしくうまく、みんな口々に「うまっ!」「うまい!」を連発していた。わたしはなんてうまいんだと思いながら日本酒をシェラカップに入れて飲んだ。
翌日、「昨日はすごい盛り上がってたみたいだね」と船着き場のお姉さんに言わる飯酒盃さん。どうやらこの一番ハイテンションのときにお姉さんの旦那さんが横をウォーキングしていたようだ。すごく恥ずかしい。しかし後で見せてもらったくさやを焼く自分の写真は、とても嬉しそうな顔をしていて、いい顔してるわと思った。
くさやうまいぞ推進委員長として、今後も伊豆七島の山に登り、くさやを炙って食べようと思った。
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