冬の甲斐駒ヶ岳・黒戸尾根(日本百名山)/山梨県【南アルプス】
- 投稿者
- 好日山荘スタッフ
- 日程
- 2015年02月16日 (月)~2015年02月17日 (火)
- メンバー
- 天候
- 16日:晴れ/17日:雪
- コースタイム
- 【1日目】駐車場~七丈小屋
駐車場⇒(180分)笹の平分岐⇒(190分)刃渡り⇒(125分)五合目⇒(130分)七丈小屋
【2日目】七丈小屋~駐車場
徳七丈小屋⇒(70分)五合目⇒(120分)刃渡り⇒(85分)笹の平分岐⇒(110分)駐車場
- コース状況
- ○年末年始より確実に雪も多く、所々でツボ足ラッセル。
○五合目より上部は凍結と岩・鎖・梯子の連続する垂直登りの連続。
○経験者同伴が必要なレベル(メンバー全員経験者が望ましい)。
- 難易度
-
感想コメント
数年前の秋の終わりに訪れた黒戸尾根。その時の印象が強烈でしたので今回は厳冬期にトライ。これをやるのに経験を積んできたので、気持ちの高揚感も良く、いよいよ満を持してでした。
スタートは竹宇神社前の駐車場から歩きます。車で来たのでここから(北側入山口)でしたが、バス利用で横手駒ヶ岳神社(南側入山口)を利用できます。黒戸尾根は標高差が2000メートル以上もある日本でも指折りの急な勾配で有名です。当然、冬場は雪が積もるので、そこまで積雪量も多くはないですが、ラッセルをしながら急な登りが続きます。刃渡りまでは延々と樹林帯登り。途中で鳳凰三山や八ヶ岳が望めるので息抜きになりますが、それが無ければ体力の消耗も大きく正直辛いだけです(笑)。
地図では刃渡りに危険マークが示されていますが、個人的には五合目より上部が核心部と考えます。冬場は特にそう感じます。
岩場に鎖や梯子が架かる安全ではない垂直の登りになるので、確実なピッケル・アイゼンワーク技術が必要とされます。ダガーポジションやアイゼンの前爪を効かせながら登ります。逆を言えばそれだけ困難になるので、挑戦のやり甲斐のある、山登りの醍醐味とも言える冒険的な要素が増えます。一般ルートですが、バリエーションに近いと思います。
七丈小屋にて宿泊。テント装備でしたが、小屋の冬期開放を利用させていただきました。幸い天候に恵まれ、気持ち的には二日目の山頂への登りが俄然楽しみが増し、二人で気分も上がっていたのですが、その日の晩に小屋番さんから「明日は朝から大荒れだよ。」とアドバイスをいただき気分は暗転。とりあえず、朝の山の様子を見ましょう。という事で相談を終わり、楽しめる範囲で小屋泊を満喫しました。
翌朝は案の定、山頂部全体がガスと吹雪のする天候不順に。昨日は穏やかなだけに山の天候は分からないものです。少し様子を待ちましたが、今回は撤退となりました。
かなり楽しみにしていた山行でしたから気分の落胆は大きくありますが、何かあっては今後も山も楽しめません。引く決断も重要。しかし、冬場はこうした天候に泣かされるパターンも多く、自分の中でリベンジする山がどんどん増えてきました。
贅沢な悩みかもしれませんが、甲斐駒も次の楽しみに温存したいと思います!!
下山は同じく黒戸尾根を往復しました。下山では登りに比べ一歩踏む毎に安定しない雪は谷川へ滑り落ちますし、角度がつくので危なくなります。事故も下山に多い傾向ですので、ここも慎重に下りました。気持ち的には刃渡りを通過すれば緊張感からも開放され樹林帯の下りに変化。この日は雪のためか、行きにつけたトレースが埋まっていた場面もあり、ルートファインディングが必要でした。積雪量は30~40㎝ほどありました。
山頂に登ること叶いませんでしたので、また再訪したいです。
山の嗜好はピークハントですし、苦労により得た山頂からの眺めを心待ちにしているのですから。
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