飯豊連峰~石転び沢から杁差岳へ~

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投稿者
好日山荘スタッフ
日程
2015年08月19日 (水)~2015年08月21日 (金)
メンバー
天候
晴れ-くもり-雨
コースタイム
1日目 飯豊山荘(20分)温身平(2時間)石転び沢出会(3時間)梅花皮小屋
2日目 梅花皮小屋(2時間)御西小屋(55分)大日岳(45分)御西小屋(1時間50分)梅花皮小屋(1時間)門内小屋(1時間50分)頼母木小屋(2時間)杁差小屋
3日目 杁差小屋(1時間)千本峰(2時間)林道終点(1時間)東俣彫刻公園
コース状況
石転び沢はかなり雪が融けていて、一度門内沢の雪渓に乗ってから石転び沢に進みます。門内沢の雪渓もかなり融けていて、左岸の斜面をトラバースして行かないと乗れませんでした。先行者はあきらめて下りて行ったようです。
雪渓はかなり長く、休めるところもありません。落石の危険があるため、アイゼン・ピッケル・ヘルメットは必須です。また、視界が悪い時は隣の北俣沢に入らないように注意が必要です。
雪渓上部も融けていて黒滝が見れました。目印の旗があるのでそこから中の島に取り付けます。雪渓が終わった後も急登が続きます。
杁差からの下りは急で細く、木の根も出ているので歩きにくいです。また、林道に出ると小さいブヨの仲間がたくさんいるので、防虫対策はしっかりと。
難易度
Google Map
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感想コメント

昨年に引き続き、飯豊連峰に行って来ました!
前回は南端の三国岳から入り丸森尾根を下ったので、今回は北端の杁差岳と途中分かれている大日岳を踏んで全山制覇を目指しました。
登りは去年の山と溪谷に載っていた石転び沢を見てみたかったので雪渓歩きを選びました。
そして一番行ってみたかったのは、杁差小屋!笹っ原のなかに建つ小屋で、何かで見たときここに泊まりたい!と思わせる何かがありました。

夜行バスで新宿から新潟、さらに電車とバスに計12時間ほど揺られて、飯豊山荘へ。
身体は疲れているはずなのに、1年ぶりに来た飯豊の山々に心は躍っています。
心地い木漏れ日の中、重いザックを背負い遊歩道を歩きだします。
雪渓の状況次第で行動時間が大きく変わってくるので、徐々にペースアップしていきます。
温身平から登山道になり、沢をどんどん詰めていきます。
草も刈ってあり、崩落地にもロープが張ってあるのですが、支流を高巻きしたりと決して歩きやすわけではないです。

そして石転び沢に着いたときの迫力はすごかったです!白馬ほど横幅はないですが、ずっと上へ続いて行く雪面と両側の谷の深さが印象的でした。
しかし、石転び沢の雪渓末端は高く薄かったので直接は取り付けず、門内沢の雪渓に登って行くにも、やはり末端が薄く心もとない。
門内沢左岸の固い土の斜面をトラバースして行こうとしたら滑ってしまう。
ここでしばらく考え、結局アイゼンを着けピッケルを持って硬い土の斜面にけり込んで門内沢に取りつきました。そこから石転び沢へ。
ここまで来るのに大変だったのに、ここからが雪渓歩き本番です。
降りてくる風が涼しくて気持ちいいと思ったのは最初だけで、だんだん雲が下りてきて視界が悪くなり、斜度を増していく雪渓をなんとか登って行きます。
やっと雪渓終わりの目印の旗が見えたときは、ほっとしたと同時に、早くザックを投げ出して休みたいと思いました。
雪渓が終わり、雪解けが進まないと見れないという黒滝を横目にアイゼン・ピッケルをしまいます。
ただこの辺りも斜度が急なのでゆっくり休めず、とにかく上へ上へと登ります。
振り返ると雲が取れ、歩いて来た雪渓がどこまでも続いて行くように見え、念願の石転び沢雪渓を上がってきたんだと実感しました。
しばらく歩くと今日の宿泊地、梅花皮小屋に着きした。宿泊者は少ないようで、テントは自分を含め3張、小屋の中も3人ほどでした。

翌日は朝3時に起き、サブザックで大日岳を目指します。
本当は前回行けば楽だったのですが、悪天候の為パスしたため、今回行くことにしました。
杁差岳とは逆方向ですが、全山縦走にこだわりなんとか予定に組み込みました。実は飯豊本山より標高が高く、飯豊連峰最高峰です。

まだ暗いうちから出発し、途中で朝焼けを見ながら歩きます。
高低差も少なく、この辺りはとても歩きやすい上に、展望もいいので足がどんどん進みます。
大日岳手前の急な登りを終えると山頂です。
風が強く、雨の心配もあったので長居はせず、そのまま来た道を引き返します。
幸い雨にも遭わずテントを撤収できましたが、ここまで6時間の往復で疲れちょっと休憩。
腹ごしらえをして、テント、アイゼン、ピッケルが詰まったザック担ぎ、重い足取りで進みます。
北股岳や地神山の地味な登りがボディーブローのように体に堪えてきます。
頼母木小屋に着くころにはかなり疲れていましたが、日本海と粟島が見えると、ちょっと気も楽になり、今日の締めに飲むビールを購入。
憧れの杁差小屋はもう見えています。
あとは最後の関門、鉾立峰を越えるだけ。遠くから見るとラクダのコブのようなピークで、今回一番つらかった場所でした。
残りの体力を絞って登りきり、やっと杁差小屋に着いた頃にはもうヘトヘト。
来てみると、やっぱりロケーション最高ですね!笹原の中にポツンと建つ小屋。朝日や夕日があればもっと綺麗だろうと思いながら、またいつか来ようと思いました。
ひとしきり写真を撮った後は、小屋でゆったりと過ごしました。
水場は5分程下に行ったところにあり、かなり汲みにくかったです。
山行のシメの晩餐とビールで気持ち良くなり、疲れもあってこの日は熟睡でした。

最終日は、朝から雨でした。
ほとんど樹林帯で展望も期待できないからと開き直って歩き出します。
急な下りをどんどん下りていき、林道に出たときはやっと降りてきたんだなと実感しました。
小さなブヨの仲間らしい虫と格闘しながら、林道を進んでいきます。
防虫ネットがあれば良かったなと思いながらも、林道ゲートに到着。
さらにそこから大石ダムを超え、バス停まで歩くつもりでしたが、面倒なので電波のあるとこまで歩き、タクシーを呼んで関川村の道の駅の温泉に。道の駅はお弁当やお土産があり、JR越後下関の駅も歩いて5分なので便利です。

2年連続で飯豊を歩き、もう大満足だ~と思っていましたが、しばらくするとまた登りに行きたいと思わせる不思議な山域です。時期を変えまた歩きに行こうと思います。

フォトギャラリー

念願の杁祭小屋

飯豊山荘前の山の神

右手から来て左の門内沢を通ってきました

雪渓下部から

途中で雲が下りてきたけど

上部は晴れてました

雪渓を振り返って

梅花皮小屋より北俣岳

雪渓ははるか下

朝焼けと大嵓尾根

朝日に照らされる天狗の庭

遠くまで見渡せます

飯豊連峰最高峰大日岳

来た道を振り返ると

山頂です!

赤い屋根の頼母木小屋

日本海が見えました

抜群のロケーションの杁差小屋

杁差岳着いた~!

杁差山頂からの朝焼け

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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