小雨と霧の菰釣山、畦ヶ丸(丹沢山塊)

投稿者
好日山荘スタッフ
日程
2016年04月13日 (水)~2016年04月14日 (木)
メンバー
天候
初日小雨のち曇り、風、夜から朝方まで雨、2日目曇り時々小雨
コースタイム
1日目 山中湖平野→(60分)→高指山→(10分)→富士岬平→(35分)→大棚ノ頭→(35分)→石保土山→(20分)→樅ノ木沢の頭→(15分)→油沢ノ頭→(20分)→ブナノ丸→(20分)→菰釣山→(15分)→菰釣避難小屋

2日目 菰釣避難小屋→(20分)→ブナ沢ノ頭→(20分)→中ノ丸→(30分)→城ヶ尾山→(5分)→城ヶ尾峠→(20分)→大界木山→(40分)→モロクボ沢ノ頭→(20分)→畦ヶ丸避難小屋⇔(5分)⇔畦ヶ丸→(40分)→大滝峠上→(40分)→一軒屋避難小屋→(55分)→大滝橋→(30分)→中川・ぶなの湯
コース状況
良く整備され道標が適宜あり、迷うこともないでしょう。尾根がやせ細ったところも多く一部鎖を掴む箇所がありますが難しくありません。全体的に小ピークをいくつも越えて行くような辛い上り下りの連続といった感じですが、真っ平で歩きやすいところも多くあり、とても変化に富んでいます。畦ヶ丸から大滝橋へ下るルートは、ステタロー沢やマスキ嵐沢などを何度も渡渉する箇所があります。難しくはありませんが、若干トラバース箇所や橋がボロボロになっていてスリルがあります。
難易度
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感想コメント

丹沢山塊はテントを張ることの出来る場所が少ない代わりに、避難小屋が充実しています。いつの頃からか何となく泊まってみたいと思っていたきれいだと評判の菰釣避難小屋。天気予報はやっぱりどうしても雨でしたが、ぶなの丸とも呼ばれる菰釣山なのできっと雰囲気は良いだろうと計画を決行しました。そして結果とっても楽しかったので、感想も張り切って長めです!

新宿から登山口となる山中湖平野まで直行のバスがあります。富士急ハイランドや富士山目当ての外国人観光客がほとんど途中下車し、終点まで乗っていたのは我らだけでした。山中湖なんてすっかり観光に来た気分で、車窓から山中湖やその周辺のペンションやレストラン、テニスコートなどを見るだけでかなりテンションがぶち上がりました!

小雨と霧の中、高指山から何とか山中湖は見下ろすことが出来ましたが、富士山はかなり至近距離なはずなのにその存在を1mmも感じませんでした。あんなデカい山がひとっつも見えませんでした。自然は驚くことがいっぱいです。

全体的に今回のルートは小ピークが延々と続き、かなり登り応えがありました。しかしもうしんどいと限界を感じたと思ったら、天国のような真っ平な道も次々に続いたりします。深い霧と神秘的なぶなの木も相まって、本当にここは天国かと何度も思いました。天気も悪かったので歩いている途中誰一人として会うこともなく、遠くで雷のような音が時々聞こえましたがどうやら陸上自衛隊東富士演習場からの音のようでした。それ以外は私の熊鈴だけが大音量で鳴りまくっていました。この山域は人も東丹沢ほど入山しないため熊がよく出るそうなので、熊鈴必携です。

菰釣避難小屋は想像以上に広くてきれいで快適でした。水場は少し離れているようだったので、下から持参しました。夕方になっても誰も他に来ず今回貸切になったので、小屋の中でテントをたてて寝ることにしました。なぜならいくら小屋の中とは言え、寒いのです。風はしのげますが、体感としては外にいるのと同じ温度。小屋に備え付けられていた毛布もテントマットとして使わせて頂き、最初は寒くてなかなか寝付けませんでしたが、そのうちテント内がすごく暖かくなりました。最初寒くて寝袋の中でゴロゴロぐるぐるしていたら、シュラフカバーから顔が出せなくなって危うく窒息するところでした。

2日目も小雨が降ったり止んだりでなかなかカッパが脱げませんでしたが、畦ヶ丸を経て一軒屋避難小屋方面へ下っていく沢沿いのコースがとっても楽しかったです。ステタロー沢(名前の由来が気になります)や沢登りで有名なマスキ嵐沢、大滝沢などの沢の流れと、アセビ、ヤマツバキ、ミツマタ、ハナネコノメ、ミツバツツジなどのたくさんの花。特にミツマタが素晴らしかったのと、ヤマメが川の中をジェットな速さで泳いで行き、かえるか何かが川にジャパーンとダイブして潜って行ったのを見て、ここでも天国はこのことかと感じました。ボロボロカメラではその天国感を出せないのが残念です。

一軒屋避難小屋は、沢のすぐ脇にあるので水に困らない上に、川の流れの音が何とも言えない癒しサウンドになってとても心地良さそうでした。中ももちろん快適そのものです。設置してあった避難小屋日誌には、自身の誕生日に単独でこの小屋に泊まり来たという中年男性の記録がありました。「誕生日だからお酒を飲みに来ました。静かな夜でした。」の感想。何かそういうの良いなあと思いました。今度はこの避難小屋に泊まりに来たいです。

大滝橋のバス停に到着し、そのまま車道を30分歩いてぶなの湯へ。ぬるっとしたお湯で気持ち良かったです。その後新松田駅まで行くバスがしばらくなかったので、途中の御殿場線谷峨駅まで行くバスに乗りました。マンガみたいな駅舎です。周りに何もありません。事前に調べていた駅前唯一の一休食堂へ真っしぐら。通称トラック食堂と呼ばれるその食堂は、なんと朝8時半から夜12時まで営業しているというトラック野郎御用達の食堂。こんなところにそんな深夜営業の食堂が!?と驚きます。冬期の名物は猪鍋らしいのですが、もちろん今の時期はないので食べられず残念でした。無難にほっけの開き定食を頂き、帰路につきました。御殿場線も初めて乗ったので楽しかったです。車窓から富士山の裾であろう物体をかろうじて見ることが出来ました。

フォトギャラリー

天国感が出ない

スタートは廃墟の横から

唯一の展望

この熊なら遭っても良い

菰釣避難小屋

テーブル完備

テントあったかい

娯楽は必要

マーボーちくわ

おちゃめな土嚢

アセビ

写真ではなかなか天国感が出ない

沢を渡渉

ミツマタ

一軒屋避難小屋 もはや隠れ家的別荘

ミツバツツジ

山桜

トラック食堂

谷峨駅

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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