上高地の門番 六百山
- 投稿者
- 三谷 卓亮
- 日程
- 2016年10月08日 (土)~2016年10月08日 (土)
- メンバー
- WEBチーム 三谷
- 天候
- 強風・雨
- コースタイム
- 河童橋前公衆トイレ裏(男子側)→(15分)→土石流センサー建物堰堤→(50分)→大岩壁→(トラバース20分)→中畠沢分岐→(80分 落石ダメージによる休憩を含む)→稜線取りつき→(90分)→頂上→(90分)→中畠沢分岐→(30分)→土石流センサー建物堰堤→(15分)→河童橋前公衆トイレ裏
- コース状況
- 【河童橋前公衆トイレ裏~土石流センサー建物堰堤】
踏み跡はしっかり見えます。藪の下に見えるので注意して下さい。
【石流センサー建物堰堤~大岩壁】
本来のルートではないが、踏み跡が続いていたため、迷い込んでしまった。
途中崩れやすい崖や広いガレや木の根の張った斜面が続きます。
大岩壁を越える必要はないです。
(ワイドクラックをフリーで越えようと思えば行けるかもしれません。ルートからはずれますが。)
【大岩壁~中畠沢分岐】
ガレと土の斜面
【中畠沢分岐~稜線取りつき】
急なガレがつづきます。安定しないガレ場です。浮石しかありません。
【稜線取りつき~頂上】
滑りやすい土やガレ、木の根が続く踏み跡のしっかりした道です。
がけっぷちに細く付けられた踏み跡も沢山ありますので、ハイマツや木の根、岩をしっかり掴んで滑落に注意して下さい。
懸垂下降点をもつスラブ岩もありますが、そこは左に巻くように踏み跡が付けられています。
【下降時 中畠沢分岐~土石流センサー建物堰堤】
森のように鬱蒼としたエリアです。
時期にもよると思いますが、踏み跡が分かりませんでした。
地面は、木の根、ガレや土の地形、木の枝だらけの藪漕ぎとなります。
- 難易度
感想コメント
六百山は、一般登山道の無い山です。
事前にしっかりとした下調べ、地形図読み、計画が必要です。
行動中は常に気を払い、ルートファインディング!
藪山を楽しんでください。
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今回は、前から北アルプス上高地に入るたびに気になっていた「六百山」へ行ってきました。
「六百山」不思議な名前ですが由来は、江戸時代に上高地が木材の産地として発展し、六百山のエリアからは600玉(ホダ)の木材が切り出されたから六百山、なんて話があるようです。
上高地バスターミナルに到着するとすぐ右手に荒々しい壁のような大岩壁を眺めることができますが、この上部にあるのが六百山です。
上高地の平地から頂上まで直線距離にして1.5km程度しかないほぼ目の前ですが、標高差は900mほどもある、かなり急な山になります。
空は雲に覆われ、すでに小雨が降りだした朝。
スタートは上高地河童橋の手前にある公衆トイレの裏(男子側)にある擁壁からです。
たぶん、日本広しといえども、トイレからスタートはここだけ?
藪の急斜面を登って行きます。
踏み跡をたどっていくと、大きな堰堤の角にぶつかります。
ここは堰堤壁左側の藪を登って行きます。
そのまま藪の下にある踏み跡をたどり、いくつかの堰堤の横を登って行くと、土石流対策のセンサー?の建物が付いた堰堤にぶつかります。
ここは堰堤を無理に越えようとせず、センサー建物の土台を踏み台に、藪の斜面をトラバースするように登って行くと良い感じでした。
堰堤を越えていくと、左側の藪の斜面に沿って高度を上げていく踏み跡がありました。
しかしこれは間違いです。
正しくは堰堤を越え、底に降り、踏み跡のない底の藪の中から登って行きます。
私はその踏み跡の見えないルートに気付かず、左斜面に付けられた踏み跡に沿ってどんどん高度を上げて行きました。
途中でガレと木の根の急斜面や崩れやすい崖を注意して越えていくと、大岩壁へ。簡単には越えられそうにありませんでした。
そこで踏み跡もなくなりました。
地形図で確認すると、どうやら尾根2つくらい北東にずれていたようでした。
しかたなく、尾根を越えるようにトラバースして南西方向へもどり中畠沢分岐へ辿り着きました。結果的には大きく曲がってしまいました。
中畠沢はガレガレの急斜面で、登るたびにガレが崩れていきます。
このあたりから天候が悪化していき、雨風が強くなっていきました。
結構な斜度で大変でした。
赤テープはたまに出てきます。基本的には中畠沢の上流に向かって、右側の藪の中のガレ斜面にルートが作られていました。
ルートとはいえ、ガレは安定せず足を出すたびに崩れます。
このまま中畠沢を登って行くと、沢を詰めるのではなく、そのまま稜線の方向へ直進していきます。
草木が沢山生えたエリアに入りますが、ここも雨で泥が滑る斜面ばかりで気を使いました。
落葉と階段ではない斜面の地形が地味にいやらしい。
稜線上に出ると、いよいよ横殴りの雨と強風にさらされ、岩場も滑りやすく、風に飛ばされそうに。
途中、大きなスラブ状の地形の岩場に突き当ります。上部には古い懸垂支点もありました。
ここは左の裏に巻き道の踏み跡もありますので、スラブを直登する必要はありません。
踏み跡は上までしっかりと続いています。
ですが、バリエーションルートらしく、決してきれいなものではありません。
頂上も狭く、ひっそりとハイマツに覆われた場所でした。
結局、強い雨に降られ、そうそうに下山を開始しました。
風景も真っ白で何も見えませんでした・・・。
下山は、行きで大きく迂回した北東斜面を行かず、中畠沢から藪の中を沢筋に沿って下山しました。
藪の森の中にたまに赤テープが出現しますが、時期的に踏み跡は見当たらなく、ただの森のように見えました。
行きで間違えた土石流センサーの建物の堰堤に出ます。
そこからは踏み跡に沿って下山するだけで、上高地へ帰ってこれました。
時間が無かったとはいえ、真っ白な風景しかみることができなかったのは残念でしたが、たのしい藪山歩きを楽しむことができました。
原初の山歩きの気分?
またいつか晴れた日に行きたいところです。
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