宮崎県 祝子(ほうり)川本流ゴルジュ 水も岩も美しい

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投稿者
戸田 竜也
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日程
2017年08月28日 (月)~
メンバー
トリアス店 戸田
GRAVITY RESEARCH KOKURA 大塚
天候
晴れ
コースタイム
大崩山登山口⇒(40分)湧塚分岐⇒(240分)吐野⇒(80分)大崩山登山口
コース状況
湧塚までは登山道を歩く。
崩壊している箇所もあり赤テープを頼りにいくが、わかりづらく歩きにくい。
湧塚から遡行を始め、しばらくは巨大な花崗岩が折り重なった迷路のようなゴーロ帯を進む。消耗する。
核心のゴルジュ帯は、泳ぎと奮闘的な登りを強いられ、逃げ道もないので進むしかない。
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感想コメント

全国的に有名な花崗岩の美しいゴルジュを懐く祝子川。
九州に来たならここは行っておかなきゃなりません。

前夜発で福岡を出発し、道の駅で仮眠して登山口に着いたのが8時。
大崩(おおくえ)山登山口からしばらくは登山道を歩きます。
途中、大崩山荘(営業小屋ではありません)を見送り、湧塚分岐まで早足で行きました。
なぜって早く沢に浸かりたいから。沢装備でふつーの登山道は暑くてたまりません。
入渓は喜平越谷からが一般的なようですが、いまいち場所がわからないので湧塚から入渓。

とりあえず浸かって体を冷やしました。
しかし、初っ端から巨岩がゴロゴロしてて、ほぼ迷路のようです。
飛んだり乗っ越したりでなかなか前に進めません。
1時間くらい遡行したあたりから渓相が変わってきて、1枚岩の花崗岩が水流に浸食された特異な景観になってきました。
これぞ祝子川!な光景に顔がニヤけます。
樹林が覆いかぶさることもなく、快晴の空と白い花崗岩と透明な水流。
沢の薄暗さは皆無。明るいです。

泳ぎと乗っ越し主体でさらに詰めて行くと、登攀不能な大釜を持つ滝にぶつかりました。
記録では、この滝はどうにも手がつけられず、右岸から巻くとのこと。
大塚くんが偵察してみましたが、人工手段を駆使してもかなり困難なようなので私たちも巻くことにしました。

少し戻って、右岸に打たれた腐りかけのリングボルト3本を使ってA1でスラブを登りました。最初のボルトまでが遠いので背が低い人はスカイフック等があるといいでしょう。
25mほどでブッシュに入り、あとは歩きで滝頭の真上へ。
そこから懸垂15m(30mロープでギリギリ!)で谷に戻ります。

さらにゴルジュは狭まり、有名な30cmゴルジュが見えてきました。本当に30cmくらいしかありません。
突破するのに、側壁のヌメりを嫌って上へ上へ行くと落ちた時に負傷する確率が上がります。ロープアップするパーティーもいるようですが、ロープをつないでも中間支点が取れないのでほぼ意味がありません。
流れのすぐ上あたりをバックアンドフットで抜けるのが楽でいいです。
ステミングで抜けるには足への負荷が高いです。慣れていない人だと足が最後までもたない可能性があります。

30cmゴルジュを抜けた後も核心が続きます。
3段チョックストーンは、最初のボルダーを乗っ越し、次の樋状滝を左岸のグルーブを使ってトラバースし、滝の落ち口に挟まっている流木を抱きかかえるようにして抜け。
悪いです。
次の水路の先にあらわれる滝は、チョックストーンの左のスラブ面をラバーのフリクションを信じて立ちこみ、リップまで手が届いたら乗っ越し。右からでもたぶん行けます。

これで核心は終わり。
側壁の傾斜が落ち、開けてきました。
ほどなく吐野(はけの)の登山道出合に達し、遡行終了。
本当はここから大崩山のピークまで行くつもりでしたが、もーお腹いっぱいで下山することにしました。

素晴らしい沢です。
上級者向けの沢ですが、ぜひあの景観を見てみてほしいです。
言葉はいりません。

装備のことについて。
フェルトソールでは話になりません。ラバーソールのフリクションが絶対的に有利です。
カム・ナッツ類を持って行ってもほぼ出番がないです。
同行者に慣れていない人がいるのであれば補助的に使うのはあり。キマる箇所はあります。エイドギアも登攀能力の低い人がいる場合は必携
ロープは30mで足ります。
泳ぎが多いので、温かい飲み物を多めに、行動食も高カロリーなものを持っていくといいです。

フォトギャラリー

1枚岩の花崗岩ナメ。芸術。

大崩山登山口。登り始めはここから。

湧塚でようやく入渓。重装備の大塚くん、はしゃいでおります。

大釜をもつ滝。泳いでとりつき、流心の左側から抜け。

すごい造形。釜とゴルジュの饗宴。

巨大なポットホール。エグれ方がエグい。

行き詰った滝。大塚くんが偵察するもこれはムリ・・・。

右岸から巻きます。

懸垂で沢に戻る。

でましたゴルジュ帯。まさに水路。

30cmゴルジュ。

大塚くんがまず攻める。

続いて私。足が疲れる・・・。

ステミングばっかり。

このくらいなら楽なんだけど。

ここは左から攻めました。

スメアリングで立ちこんでリップを取ったら一安心。

こんな狭いとこも抜けました。

もうすぐ遡行終了。名残惜しい。

下山も道は悪い。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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