今年も日高の沢に!~1599峰北面直登沢~キムクシュベツ沢

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投稿者
小山田 隆博
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日程
2021年08月28日 (土)~2021年08月31日 (火)
メンバー
小山田
他2名
天候
晴れ
コースタイム
28日
札内川2の沢出合い(2時間40分)歴舟川(1時間)1599峰北東面直登沢(2時間30分)C1:980m付近
29日
C1(2時間30分)1599峰(4時間30分)ルベツネ山(1時間50分)ペテガリCカール(3時間)C2:915m
30日
C2(1時間)720m三股(8時間)歴舟川本流(2時間20分)C3:ゴルジュ高巻き終了付近
31日
C3(1時間)490m二股(2時間30分)尾根上(1時間)1の沢出合い(20分)2の沢=下山
コース状況
〇ヤオロマップ川1599峰北東面直登
 全体的にはスラブの印象が強い沢。核心部にある100m近いスラブの滝は圧巻。北向きなので遅くまで雪渓が残ります。1000m付近からは水量が減り細いゴルジュ状の渓相に変わる。核心部は短いが、高度感のある高巻きもあり上級者向けの沢。出合いの他、大スラブ滝を越えたあたりが幕営可能。 山谷グレードは「!!!」

〇キムクシュベツ沢
 言わずと知れた北海道を代表する銘渓。北海道で沢を志すなら一度は足を踏み入れて欲しい沢。出合いから722mまでは長大なゴルジュ。泳ぎのパートは幾つもあります。後半は枝分かれする支流のどこを登るかで難易度も変わる。Cカールに至る沢が一番手頃か。Cカールはこじんまりとして、テン場としても使えナキウサギの鳴き声がこだまする桃源郷のような場所(言い過ぎ・・?)。今回は下降しましたが、遡行は雪渓の残り具合にもよって大きく困難さが変わる。総合力の試される難しい沢。 山谷グレードは「!!!」

〇札内川~ヤオロマップ川(歴舟川本流)
 現在、歴舟川本流林道は2016年の台風の影響により通行不能となっているので時間短縮のため、札内川1の沢および2の沢を利用し、尾根を乗越してヤオロマップ川へと入渓した。所要時間は3~4時間でかなりの時間短縮が可能。

〇1599峰~ペテガリCカール下降地点までの稜線
 予想よりも藪こぎは少なく踏み跡程度はついており、『ハイマツを掻き分けながら進む』ということはないが、それでも時間がかかる。
 
難易度
Google Map
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感想コメント

 当初は昨年からの課題であった『ルベツネ山・サッシビチャリ川北面直登沢』を計画していたが、直前に林道が封鎖されるとの情報からルート変更となった。難易度は落ちるが自分にとって初遡行の沢と長い稜線歩きに泳ぎのキムクシュベツ沢と体力勝負のルートとなった。果たして今の自分で完登できるのか不安を抱えつつ、札幌から十勝へと向かった。

【28日】
 中札内道の駅でメンバーと合流。40歳、50歳のおじさんに若い20歳代のパランスの良い(?)パーティ。上々の天気の中、まずは札内川2の沢からヤオロマップ川を目指す。2の沢は伏流となっている部分が多く、上部も上手く沢型をつなげると楽に尾根を乗り越せる。下降の沢も容易で出発から僅か4時間ほどでヤオロマップ川本流に降り立った。早い!
 ヤオロマップ川は水量もあり、スケールの大きな沢。少し歩くと610m上二俣。さらに進むと1599峰北面直登沢となった。時間も早いのでさらに先に進む。
 北面直登沢は出合いから滝となっており、ここからはスラブ状の滝が断続的に現れる。極端に難しい箇所はないが、一つ一つ手強い。800m付近にある大スラブ滝は圧巻。途中から樹林帯に高巻いたが高巻きも傾斜が強くルートファインディングを含めて時間を要した。
 さらに進んで大きな雪渓を超え、再び現れた巨大スラブ滝の下でC1。天気は良かったが風が終始強い一日だった。

【29日】
 C1からはスラブ滝の手前で本流は右に屈曲する。ここから一転して狭いゴルジュの滝となる。朝一のシャワークライムを避けて巻くがこれが泥壁に薄い草付きでプルプル震えながら必死に登った。水流が枯れると最後は薄い藪こぎでほぼ頂上間近に出ることが出来た。
 1599峰から見るルベツネ山は遥か遠くに見える。ここから壮絶なハイマツとの戦いと思っていたが、稜線上には頼りないながらも踏み跡があり、想像していたよりも楽な戦いだった。20代メンバーはまだまだ体力十分でどんどん先行するが、おじさんふたりは既にヨロヨロ。それを悟られまいと涼しい顔を作るのが精一杯。
 快適なペテガリCカールを後ろ髪引かれる思いで通り過ぎキムクシュにいよいよ足を踏み入れる。ふたりは初のキムクシュ。僕は10年ぶり4回目のキムクシュ。何度来てもここにはまた足を踏み入れたくなる魅力がある。下り始めてまもなく、大きめの滝が連続。時間短縮のために極力クライムダウンするが懸垂下降も3回ほど。915mのテン場はものすごいスケール感!ぐるりと囲まれた側壁から大きな滝がいくつも流れておてくる。こんな場所は日高でもそうはないだろう。体は疲れていたが、最高のロケーションで焚き火をしてこの上なく幸せな一夜を過ごす。

【30日】
 出発してすぐに泳ぎが始まる。泳ぐのを躊躇っていてはキムクシュは攻略できない。これでもかというほどゴルジュが出てくるがためらわず泳ぐのみ。メンバー3人で交代交代でときにロープをつけて飛び込み突破していく。ゴルジュだけでなく、川原歩きも長い。ようやくヤオロマップ川本流についたときには既に体は限界・・・。だが、20代メンバーはまだまだ元気でさらに進むことに。50代のメンバーF氏は既に限界点を越えるも気力で続く。本流を2時間ほど遡行し、通行不能のゴルジュを左岸からおお高巻きし終えた川原でようやく長い三日目が終わった。
 この夜は風もなく、雲もない夜でとてもきれいな星空。日高のど真ん中で焚き火の横で3人ともツエルトに入らず満天の星空を見ながらシュラフに潜り込んだ。沢ヤにとって至福の一夜。

【31日】
 長い沢旅も今日で終わり、下山できる喜びともう少し山にいたい気持ちが同居する。1時間ほどで左岸からの枝沢に入り札内川1の沢を目指す。想像以上に急峻な沢で緊張感のある登攀を強いられる。雨も降り出し、最後の試練と歯を食いしばり疲れた体で一つ一つ悪場を越えていく。尾根上に上がった時はこれで帰れると正直ホッとした。そこからは鹿道を上手く使いあっという間に札内川に戻ることができた。雨もいつしか上がり、再び真夏のような日差しの中の下山となった。


 4日間の沢旅は久しぶりに充実感のある山行でした。こうした緊張感と充実感のある山を重ねていくことがモチベーションアップとなり次の目標に繋がると思います。20年以上沢を続けていますが、まだまだ行きたい沢はたくさんあります。みなさんもぜひ魅力的な沢の世界に足を踏み入れてみてください。

フォトギャラリー

キムクシュを下る!

明るい渓相の1599北東面直登沢。豪快な滝が流れ落ちる

迫力あるスラブ!どこから登る?!

この雪渓を越えてC1

二日目の朝!

遠い・・ルベツネ山

くまさん!!

ペテガリCカール

キムクシュは日高でも別格のスケール感

三日目の朝!

朝ご飯!蕎麦です!

どんどん飛び込む

泳ぐ!

どんどん泳ぐ!

ロープで引っ張る!

まだまだ泳ぐ!

次はどっちの番?

最終日!!

ラストまで気が抜けない

微妙なトラバース。落られない緊張感!

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