南ア・鳳凰三山(冬季小屋2泊3日)
- 投稿者
-
酒井 健
さいか屋藤沢店
- 日程
- 2012年03月21日 (水)~2012年03月23日 (金)
- メンバー
- 池袋西口店・酒井
ららぽーと横浜店・徳宿
さいか屋藤沢店・向山
- 天候
- 晴れ時々雪
- コースタイム
- 一日目:夜叉神峠登山口(8:00)-夜叉神小屋(9:25)-苺平(13:26)-南御室小屋(14:00)
二日目:南御室小屋(7:00)-薬師岳(8:40)-観音岳(9:15)-地蔵岳(11:00)-観音岳(12:55)-薬師岳(13:35)-南御室小屋(15:00)
三日目:南御室小屋(7:00)-苺平(7:40)-夜叉神小屋(9:40)-夜叉神登山口(10:30)
- コース状況
- 全体的にはトレースがしっかりあるので南御室小屋までは難しいところはありません。南御室小屋から薬師小屋までの樹林帯もトレースあり。尾根上に上がると雪が風で飛んで地面や岩が見えている個所もところどころあり。薬師岳から観音岳は尾根上のルートが広く天気次第で分かりずらくなりますので注意が必要です。観音岳から地蔵岳に下る個所は雪が吹き溜まり膝まで埋まります。また今回はトレースも所々消えていてルートに迷うところがありました。
- 難易度
感想コメント
今回は久し振りに鳳凰三山に行ってきました。
1日目
天気も良く歩き始めは順調。10分くらいでアイゼンを装着しなくても歩ける程度の雪道になりそのまま夜叉神峠小屋に到着。白峰三山の眺望が抜群です!!ここでアイゼンを着け杖立峠、苺平と順調に
通過し南御室小屋に到着。南御室小屋まではトレースもしっかりあります。もともとの計画ではテント泊の予定でしたが今回は初めて冬季小屋(夏は素泊まり用)を利用しました。室内は通常で7人程収容可能ですが、我々が泊った時は他に宿泊者がいなかったので広々使用することができました。到着後の仕事はまずは“水作り”からです。水場は完全に雪に埋まっています。夕食分と明日の飲み水分約7リットルを作り、時間的には約45分弱かかりました。
ようやく“珈琲”を淹れることができて、ほっと一息。やっぱり山で飲む珈琲は美味い!!
そして水を減らしてでも持ってきてくれた向山氏の“黒梅酒”も最高でした!!!ご馳走様でした。
夕飯を終えて珈琲を飲み明日に向けて就寝。
2日目
5時起床。朝食を簡単に済ませ7時に出発。雪のせいで歩き始めから斜度がキツく息が上がる。今回はピストンなので荷物が軽いことに感謝。樹林帯から射す朝日がとても気持ちよく、体も温まり高度を稼ぐ。
樹林帯を抜けると一気に風を感じる。ひと山越えて薬師小屋に着く。小屋は見えないくらい雪に埋もれてる。それにしても風が強い。雪か砂粒か分からないが顔を何かで刺されているかのごとく痛い。ゴーグルとバラクラ―バをしていないと前を向くこともままならない。正直もう帰りたいという気持ちを押し堪えて薬師岳(2780m)山頂に到着。展望もよく白峰三山・仙丈岳や甲斐駒ケ岳の展望抜群。そして次の目的地の観音岳が眼の前にそそり立つ。尾根上は風の影響で地面や岩が露出している個所もあり、ルート的にはさほど難しさは感じられないがとにかく風が問題だ。見事に強風を保っている。
風に煽られながら観音岳(2840m鳳凰三山最高峰)に到着。風は強いがそれ以上の達成感が感情を支配すると時として人はおかしな事を言い出す。“地蔵岳に行きたい”と向山氏。確かに鳳凰三山制覇は目の前だ。だがこの強風下で行くメリットは果たして・・・。何より今回はピストンだ。また戻って来なければいけないのだ。そんな自分のかすかな思いもハイテンションモードの向山氏に届くわけもなく地蔵岳に向かい下るのであった。
まず下り、そして登り、また下る。ルート的にはここからが不明瞭な部分が出てくる。トレースがあれば難しことないが、風で消えてしまう。1つは観音岳から分岐に下りきる部分。2つ目が赤抜沢ノ頭から地蔵岳に下る部分。どちらもそんなには下らないし、見えているので迷わないが多少不安に感じるかもしれない。
無事地蔵岳に到着。転がりながら喜びを表現している向山氏の姿を見ると来て良かったと思う反面、これをまた登り返すことを考えると・・・。オベリスクに向かう彼を何とか呼び止め引き返してもらい早々に出発。
行きよりも衰えるどころか風の強さが増している。体を斜めにしても耐えられない。しかしそんな強風下でもゴアッテクスの上下を着ていると寒くはない。ただしバランスを保ちながらの歩行は困難で、耐風姿勢をしながら少しずつ進むため余計に時間も掛る。必然的に体力の消耗は著しい。そんな中、ここでは初めて“雷鳥”に出会うことができた。親子で5羽。みんな白い。こんな風の中、なんともたくましい。
観音岳を通過し薬師岳を過ぎてひと山越えてようやく樹林帯に戻った。あとは、小屋まで下るだけ。本当にもうヘトヘト。早く珈琲が飲みたい・・とばかり考えていた。
夕食を済ませ就寝となっても、過度の疲労は睡眠を妨げる。数時間は起きていたがいつの間にか眠っていた。
3日目
夜から降っていた雪は朝になっても止む気配はなく、出発する時刻になっても一定のリズムを崩すことはなかった。もともと、3日目は雨の予報だったのでむしろ雪の方がありがたい。あとは夜叉神まで下るだけ。下りたら温泉入って・・ほうとう食って・・などと考えながら歩を進めていった。
教訓
晴れていても風が強いときは進まない。
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・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。