白山で雪山初め~天国から地獄の秋山
- 投稿者
- 好日山荘スタッフ
- 日程
- 2010年11月04日 (木)~2010年11月05日 (金)
- メンバー
- 天候
- 4日☀ / 5日☁
- コースタイム
- 別当駐車場は11月中旬には閉鎖されます。
地元の人によれば、やはり熊出没注意とのこと
別当登山口~避難小屋 2h
避難小屋~黒ボコ岩 1h
黒ボコ岩~室堂 40分
室堂~山頂 40分
山頂~室堂 15分(以上まで休憩含まず)
室堂~別当登山口 2h
- コース状況
- 登山口~中飯場まではほぼ無雪
中飯場と甚之助小屋の中間ぐらいから積雪があり、
小屋から先は10~30cm、室堂周辺は40cm。
縦走用の登山靴か冬用登山靴、最低でも8本以上のアイゼンが必要です。
感想コメント
祝日明けに二連休をとり、どこか冬山に備えて登山に出かけようと、白山に行ってきました。
当初、土日の登山者情報を基に、積雪はまだ少ないと踏んでいたのですが、実際には30cm前後、気温は氷点下数度となり、まさに冬山そのもの。
私は秋の高山の経験が無かった為、装備が万全とは言えず、秋山の判断の難しさを実感し反省の多い登山となりました。
4日は快晴、登山口周辺はところどころに雪が残る状態、見上げる稜線は真っ白でした。
無風という事もあり、Tシャツ一枚で登れる暖かさ、ロングスパッツとタイツが下半身を蒸しました・・・。
甚之助避難小屋はひんやりと涼しく、外よりも寒いくらいでした。
避難小屋は近くに新築されており、近くそちらが開放されるようです。
小屋からはアイゼンと手袋を装着し、稜線を目指します。
稜線に出る手前、数百mは斜面のトラバースとなり、降雪後や雪面が凍った際には慎重に通過する必要があるでしょう。
室堂の避難小屋に着くと、自衛隊の救難ヘリが旋回・ホバリングを繰り返していましたが、訓練のようでした。
このとき15時、山頂から軽装の女性が降りてきました。南から黒い雲が上がっている状況でしたし、声をかけましたが、残念ながら無視されてしまいました。
室堂の冬季避難小屋は2階からのみ出入りが可能です。中は非常に広いですが、日中でも真っ暗なのでランタンがあると便利です。私たちはキャンドルランタンを使いましたが、火を使わないLEDランタンが安全でお勧めですね。
トイレは閉鎖されていますが、白山は山全体が神社の境内にあたります!室堂で泊まるつもりの方は携帯トイレをご用意下さい。
今回、私はガスバーナー担当でしたが、間違って使いかけのボンベを持参してしまい、バックアップで上田が持参していたエスビット(固形燃料)をメインで使うことになりました。
フリーズトドライ食品やα米など、お湯が無ければ食べられない食品が多かった上、水場が凍結していた為に雪で水を作るなど、燃料の重要性が身に染みました。
エスビットを使うときは、下に板があるとテーブルに優しいです。(今回はチラシを敷きました)
5日は朝からガスが立ちこめ、非常に強い風が吹いていました。
私は3季用登山靴に12本爪アイゼン・冬用ジャケット・フードが目出し帽になっているミッドレイヤー・オーバーグローブ、ほぼ冬山完全装備で出発しました。
写真にあるように視界は悪く、山頂に着くまでのわずか40分でザックに「エビのしっぽ」が出来る状況でしたし、猛烈な横風で頬や鼻がヒリヒリと痛みました。
冬用ジャケットのフードは大きく、顔を覆うのに非常に役立ちました。
記念撮影もそこそこに室堂まで降りると、ダウンジャケットにビニール合羽の手ぶらの女性が登って来ました。女性のものと思われる小さなリュックが黒ボコ岩に残置されていましたが、積雪期のしかも悪天候の山で空身になるのは非常に危険だと思います。
悪天候に追い散らされるように一気に登山道を下ると、下のほうでは風は無く、暖かく、雪はかなり減って紅葉がきれいでした。先程の女性は、この状況を見ていたから引き返さなかったのかもしれません。
私たちが下山したころには猛烈な雨が降り始め、秋山の難しさ、いやらしさを再確認しました。
下から見上げた山がどんなに穏やかでも、秋山にはその山の冬の天候にも耐えうる服装・装備が必要であると再確認させられました。
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・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。