谷川連峰 赤谷川 笹穴沢 遡行

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投稿者
田渕 幹敏
日程
2012年08月03日 (金)~2012年08月03日 (金)
メンバー
ららぽーと横浜店 髙野 (TL)
ららぽーと横浜店 田渕
天候
コースタイム
川古温泉 ⇒ (65) ⇒ 笹穴沢 出合 ⇒ (190) ⇒ 金山沢 出合 ⇒ (100) ⇒ 50m大滝 ⇒ (170) ⇒ 笹穴沢 源頭部 ⇒ (40) ⇒ 平標山 ⇒ (80) ⇒ 大源太山 ⇒ (135) ⇒ 川古温泉

※ 単位は分、休憩込。
コース状況
川古温泉から笹穴沢 出合までの道は整備されており歩き易い。
但し、雨後はぬかるみがあるのでアプローチシューズは防水の方が良い。
また下山は完全な登山道なので、それなりにきちんとしたアプローチシューズを選択する必要がある。

沢内はとても開放的で美しく、沢床や岸壁の状態は比較的安定している。
滝の登攀はRCCグレードで3級程と技術的には難しくないが、落差の大きな滝もあり易しいと言う印象ではない。
草付きの嫌らしい高巻や落石の危険が高いヶ所も見られた。
ソロで登攀可能だが、メンバーのスキルによってはアンザイレンが必用になる。

平標山から大源太山を経由し黒金山までの登山道は、比較的安定している。
痩尾根や片側が切れた所があるので、踏み抜きや転倒には注意。

黒金山から渋沢に突き当たる迄の渋沢林道は、かなり荒れている。
路面状況も悪く、崩落ヶ所や削れて消えかけているトラバース道もあるので転倒には注意が必用。
また、トレースが殆ど消えていたり倒木等で塞がれているヶ所も多い。
視界不良時や夕刻以降は道迷いに要注意。
特に、日帰りで遡行する場合には渋沢林道で暗くなってしまう可能性が高い。
ヘッデンで歩く可能性があるならば、GPSの携行を強くお勧めする。
難易度
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感想コメント

豪雪地帯の沢は険しく厳しいですが、同時に雄大で美しいとも言われます。
それは、深く降り積もる大量の雪が山肌を削り、沢を深く険しくすると同時に広くもするからです。
笹穴沢もまた、落差の大きいダイナミックな滝や深い釜が連続するその渓相は中々に厳しいものがあります。
しかし頭上を樹木に覆われる事無く広く開けた沢内は、その厳しさとは裏腹に開放的で爽快でもありました。

薄暗い森の底を蜘蛛の巣を払いながら遡行するのも、また沢登の1つの楽しみではあります。
しかし一方で、頭上に広がる青い空と流れる白雲に抱かれての登攀は、これはまた格別の感動を僕らに与えてくれます。

笹穴沢は、谷川連峰を流れる赤谷川の上流に位置する支沢。
源頭は平標山の山頂直下にダイレクトに突上げ、その美しさは関東圏の沢でも屈指と言われる名渓です。

他の沢ならいずれも主瀑となり得る様な大きな滝が頻出し、その殆どが直接登攀可能。
どれも落差が大きく豪快で、素晴らしいスケールを誇ります。
上流部には笹穴沢の盟主とも言うべき大迫力のナメ滝が控え、圧倒的な雄大さと美しさで訪れる者から言葉を奪います。
更に源頭へ詰めれば、この世の物ならぬ仙境の如き大草原が長く厳しい遡行の疲れを癒してくれます。

始めから終わりまで、全ての滝が美しく全ての景色が美しい。
まさに夢心地の遡行でした。

技術的な難所は少ないですが、RCCグレード3級程度の登攀スキルは必須です。
また、ルートファインディングには少し気を使います。
今回はパートナーの高野氏が先行し的確なルートファインディングをしてくれましたが、滝の高さがあるので誤った登攀路をとって動けなくなると窮地に陥るであろうと思われます。
沢の難度としては中級にあたるかと思いますが、登山の一スタイルとしてみれば上級レベルと考えた方が良いでしょう。

下山路に選択した渋沢林道は荒れています。
笹穴沢は通常は一泊二日で遡行される沢ですので、日帰りでトライする場合は林道で夕暮れになる可能性も高いので気を付けて下さい。

谷川連峰は本当に美しく奥の深い山域だと、改めて感じました。
標高としてはアルプスと比べると遥かに低く、2000m前後の山が殆どです。
にもかかわらずその立地から気候は厳しく変化に富み、その気候に育まれた険しくも美しい山容は独特の趣をもっています。
この楽園の如き名渓が悠久たらん事を切に願います。

フォトギャラリー

朝一の小滝。この規模の滝は笹穴沢では小さい方で、この様な小滝が次々と現れる。寒いので右岸(左側)から巻いた^^;

美しいナメ滝。開放感がありとても気持ちが良い!

深い淵をヘツる。水は綺麗で気持ち良く泳げそうだが、冷たいので浸かるのはパス(笑)

二股は右へ。人が小さく見えるこのスケールの大きさも、笹穴沢の魅力だ。

全ての滝が姿形端麗。青空に向かって右岸から水線を突破!

二段の大きな滝。左岸(右側)から直登出来る。

水飛沫を浴びながら豪快に登る!滑るのでちょっと怖い(笑)

上から見下ろすと高度感がある。両段共に釜を持っているのが見える。

流れ落ちる水流を横目に右岸を直登。実に贅沢な沢だ。

美しいナメ滝と、それを台無しにする御茶目なパートナー(笑)

所々に雪が残っている。水が冷たいのも納得だ。

岩魚の目線で滝行中のパートナーを見上げる。

日に輝く草原と青空に、一際映える大瀑布。ここを越えると、音に聞こえた大ナメ滝が待っている。

左岸を浅く巻く。高度がある上に比較的ホールドが悪く注意が必要。

壮大な大ナメ。開放感が素晴しい!長大な天然のウォータースライダーは、スリップしたら下まで止まらないだろう^^;

そのナメ滝に思わずダイブっ!!…しそうだったパートナーは、家で可愛い彼女が待っているので何とか思い止まった(笑)

最後の大滝が見えてきた!!まるで楽園の様な源頭部。

笹穴沢キャンプ場、シャワー完備♪(笑)

大滝を巻いて熊笹の密生地を藪漕ぎ。大変だが、遠くに見える草原の美しさに不快感は少ない。

平標山直下の大草原へ突き上げる。心地良い風に撫でられ揺れる草の海は、安らぎに満ちており思わず寝転んだ。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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