雲の平~季節の移ろいを感じて~(富山県)
- 投稿者
-
浅見 直紀
さいか屋藤沢店
- 日程
- 2013年08月19日 (月)~2013年08月22日 (木)
- メンバー
- ららぽーと横浜店 安藤、奥様
- 天候
- 晴れ→曇り→雨→晴れ
- コースタイム
- 8/19
折立→(215分)→太郎平小屋→(15分)→薬師峠キャンプ場
8/20
薬師峠キャンプ場→(20分)→太郎平小屋→(150分)→薬師沢小屋→(105分)→木道末端→(20分)→奥日本庭園→(20分)→雲の平山荘→(20分)→雲の平キャンプ場
8/21
雲の平キャンプ場→(85分)→祖父岳→(60分)→水晶小屋→(195分)→野口五郎岳→(15分)→野口五郎小屋
8/22
野口五郎小屋→(140分)→烏帽子小屋→(170分)→高瀬ダム→(20分)→タクシー停留所
- コース状況
- 薬師沢の急登は湿るともの凄く滑ります。それ以外は問題なし。
- 難易度
感想コメント
毎年夏になるとアルプスに行きたくなる。この衝動は気持ちをアツくさせてくれるものだ。「胸を焦がす」とはよく言ったものである。
8/19
深夜バスと路線バスを乗り継いで、折立に降り立つ。地面を踏みしめる度に、気合で地面がバコッ!!と凹む錯覚がある程のモチベーション。リアルに凹んでいるのは80Lのザックのせい。きっとそう。
樹林帯を少し早目にやっつけ、日当たり抜群、と言うか最早オーブンな稜線へ。こんがり焼けます。薬師岳を左手に見ながら、太郎平へ案外サクッと到着。風が気持ち良かったからですかねぇ。で、薬師峠キャンプ場でテントを建てて潜り込んだら、いつの間にか夢心地。テント内から見る黒部五郎岳が印象的だった。
8/20
朝からどんより曇り空。だが、気持ち的には昨日よりもメラメラ燃えるものがあった。今日は雲の平へ上がる日。くくく!この日をどれ程待ち望んでいたことか!!
8年前(もうそんなに経つの!?)、初めての北アルプス縦走。薬師沢から雲の平へ上がる時、水しか飲まなくてバテた記憶が生々しい(塩分採れよ、って話だぜ)。
だから、今回は8年前の悪夢を払拭する良い機会!!いや、そんな生易しいものではない。これは復讐だった。この私自らの足で、この薬師沢の急登を踏み敷くのだ(8年前は半ば担がれていたんだってことは秘密だぜ)。くくく!機会を下さった安藤SMには感謝してもし足りないぜぇ。
「先頭良いですか!?行かせて下さい!」
気付けばそう叫んでいた。そして、苔むして湿って滑りやすくなったこの急登。登りにくかったが、記憶の中にあるようなものではなかった。良い感じだ。しかし、後ろから黒い影に追い抜かされた。
我らが安藤SMである。淡々とした身のこなしに見とれていると、もう見えない。九十九折りの彼方へ、である。しかし、奥様は私の後ろである。しかも数人。安藤SM、どうしたのだろう・・・。
そうかと思えば、今度は下ってきた!しかしザックが無い!デポしてきたらしい。何故か。
奥様の荷物を持つためでした!なんという!なんというタフガイ。それ以上にナイスガイ!
復讐ごときに気を奪われている私なんかとは違うのだ。雷に打たれたような心境で木道末端にいると、本当に降り出してきた。そそくさと雲の平山荘へ行き、受付を済ませてテントを建てて、お昼寝タイム。雨が止むことは無かった。
8/21
雨の間隙を縫って、いざ出発!
風が強くなって、レインウェアの撥水があっという間に圧力で無になる。予想外、いやむしろ裏切られたと言うべきか。低体温症という文字が頭をよぎる。気付けば冷たさに精神をやられていた。震えているのは武者震いだと思いたい。寒さなどではないのだ。水晶小屋が見えた時には心底ほっとした。
ストーブをいれてくれたので、有り難く暖をとる。ここでソフトシェルを着込むと、嘘のように快適になった。そして、苦難を乗り越えた我らに天は味方した。ガスが消え、野口五郎岳の姿が露わに!
「フハハハハハ!」
思わず出る高笑い。水晶小屋で思い切り暖をとったために計画通りには行けなくなったので、野口五郎小屋で素泊まりに変更だ。心にゆとりが出来ると、自然と笑うものなのだと思う。後から解ったことなのだが、この雨が季節の分け目なのだとか。どうりで寒・・・いや、武者震いするわけである。
8/22
最終日。わざわざ見送りに出てきてくれた小屋のお兄様に手を振りつつ、高瀬ダムを目指す。風はそこそこあったものの、朝から晴れていて気持ち良い。そう。これだよ、これ。これがアルプスだよ!烏帽子小屋からブナ立尾根に入り、急坂をいっきに下降する。夢中である。言葉など要らなかった。トンボが多くて、日差しはきついものの空気が秋っぽい。雨後の清涼さなのかも知れないけど、そこはそれ。立秋過ぎの今日この頃はそう思いたいのである。
斜度がきついだけで単調な道と格闘し、一番下まで降りて、ダムサイド(中か!?)を歩いてトンネルに入る。ここを抜ければゴールである。いやぁ、案外早かった。途中、吊り橋の上を過ぎていく爽やかな風に昨日の寒さと冷たさを思い出して怒気怒気してしまったが、総じて言えばやはり・・
「楽しかったァ!」
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