三重県 御在所岳 藤内沢中俣 氷づくし

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投稿者
戸田 竜也
アミュプラザみやざき・やま館店 店舗詳細をみる
日程
2014年01月28日 (火)~
メンバー
GRAVITY RESEARCH NAMBA 戸田
神戸本店 平田
天候
晴れのち雪
コースタイム
御在所ロープウェイ駐車場→(10分)裏道登山口→(90分)藤内沢中俣取り付き→(240分)抜け口→
(90分)中道登山口→(15分)御在所ロープウェイ駐車場
コース状況
登山道の雪は固く締まっていて歩きやすかったです。藤内沢出合からもトレースを辿れば楽に行けます。
中俣は、気温が高い日が続き、当日も比較的高かったので氷結具合を心配していましたが、途切れることなく氷は続いていました。ただ、全体的に氷は薄く、また空洞の多い状態だったのでスクリューを打つのに気をつかいますし、ライン取りもタイトになります。
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感想コメント

御在所の裏道登山道を歩いていると必ず目にするかっこいい中尾根バットレス、その左側に長く垂れる連瀑が中俣です。こちらもカッコよすぎです。
長いアイスのルートは初めて。緊張しながら駐車場に着いてみると、かなりの陽気です。気温なんと7℃!これは登れないかもな・・・とすっかり気持ちがゆるんでしまいました。
今回は一般登山道からの登山でもいいかと歩いていくと、雫が滴っているものの日蔭は凍っています。そして藤内沢出合へ。ハイ、ばっちり凍ってました!途切れているところはありません。
取付きまでいってみるとかなり氷が薄いです。シャワーも出てます。しかしテンションは上がったまま、では行ってみましょう!

1P目 戸田リード
3mほどのバーティカルを含む40m。下からは傾斜がないように見える部分も意外と嫌らしい。途中、足が完全に抜けて片手だけになってしまいました。ヘタクソなものです。スクリューを打てない薄い箇所を避けながらラインを取り、顕著なテラスでピッチを切りました。ボルトも残置物もないのでスクリューをアンカーにしようと打ち込んだら、なんと氷がスカスカ。最終的には太いツララにスリングを巻いて終了点を作ったのですが、ビレイ中は生きた心地がしませんでした。パートナーが落ちないよう祈るのみ。

2P目 平田リード
傾斜が落ち、楽しんで登れるピッチです。途中、クラックが露出している箇所があったのでリードはそこにナッツをきめてました。氷が少なかったからでしょうか、ラッキーなこともあるもんです。
終了点は立木。1P目よりかはずっと安心です。

3P目 戸田リード
中俣で最もしんどいピッチ。氷の質は一番いいのですが、傾斜が強く、半分ほどが垂直です。
右端に抜けるラインは傾斜もなく簡単そうでしたが、ここは敢えてバーティカルな左抜け。最後の方はスクリューを打つ余力がなくてだいぶランナウトしました。力不足を感じます。

蛇足。
アイスクライミングにも「フリー」という概念があるのをご存知でしょうか。「フリークライミング」の「フリー」です。一般的に知られている「Free=自由な」ではなく、「Free=何ものにも頼らない」というような意味です。アイスアックスやクランポンといった人工の道具を使用して登ってはいますが、それ以外には頼らないでルートを登りきるのがアイスのフリー。具体的には、リーシュにテンションをかけて休んだり、フィフィなどをアックスにかけてレストしたり、あるいはその状態でアイススクリュー打ち込んだり、というのがNGになる概念です。より良いスタイルを追求するのなら、アイスクライミングもフリーでいくと充実すること間違いナシです!
今回は、もちろんオールフリーで抜けることを目指し、その通りできたのは良かったです。時間はかかってしまいましたが・・・。

フォトギャラリー

氷にまみれた一日でした。

気温が高かったものの、凍ってるとこは凍ってます。

ニホンカモシカ。太平洋側で初めて見ました。

凍ってますね~。平田さんはここでもんどり打ってました。

藤内小屋の水は火照った体に染みるんです!

ちゃんと凍っていました、中俣。

詰めていって・・・。

ここがスタート。丁寧にもボルトが打たれてます。

登れそうなのは真上のババーチカル部分だけ。

ここで一回両足が外れて片手だけになりました。

あまり気の抜けるパートがなかったです。

1P目終了点。スクリューが効かないのでツララ支点。

2p目は比較的快適。

おー、ナッツがキマってる。

登ってる途中で下を見ると高度感あります。

3P目スタート。初っ端から傾斜がキツいです。

ここからが振り絞るところ。

スクリューを打つ余裕がなくなってかなりランナウト。いっぱいいっぱいでした。

上まで抜けたものの、ロープウェイの最終には間に合わず。

ヘッデン下山です。四日市の夜景がきれい。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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