丹沢山塊 大山

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投稿者
田渕 幹敏
日程
2014年02月12日 (水)~2014年02月12日 (水)
メンバー
ららぽーと横浜店 田渕 (TL)
他 1名
天候
コースタイム
大山ケーブル 山頂駅 ⇒ (120) ⇒ 富士見台 ⇒ (40) ⇒ 大山 山頂 ⇒ (80) ⇒ 見晴台 ⇒ (25) ⇒ 二重の滝 ⇒ (15) ⇒ 阿夫利神社 下社 ⇒ (30) ⇒ 大山寺 ⇒ (45) ⇒ 神奈川中央交通バス 伊10系統 大山ケーブル バス停

※ 単位は分。
※ 途中休憩/参拝/動物観察…等含む、昼食休憩は含まず。
コース状況
大山ケーブル 山頂駅から山頂までは大きな危険ヶ所は無い。
今回のコンディションでは、阿夫利神社 下社の登山口から登山道までの石段は、段差を埋めた雪が凍り滑り台の様になっていたので注意が必要。
ヤビツ峠 分岐から先は雪が深くなり、とても軽いがラッセルがある。

大山ケーブル 山麓駅/同 山頂駅の少し下/山頂/女坂の中間部/大山ケーブル バス停、の各所に良く整備されたトイレ有り。

山頂から見晴台までは、往路より雪量が増える。
斜面も急になり片側が切れる為、気になる程では無いが雪庇が出来ていた。
大山で雪庇が出来るとは予想し辛いと思うので、注意が必要。

見晴台から阿夫利神社 下社までは、今回の様な積雪量が多いコンディションでは少し厭らしいトラバースが続く。
夏道が雪で埋まり設置された手摺まで雪下になる為、軽アイゼンでの歩行に慣れていない方は滑落の危険が大きい。
斜度も急で、樹林帯ではあるが樹間が広く落ちたら止まらない可能性も高い。

積雪の量が多い時は、山頂~見晴台~阿夫利神社 下社 間のルートは適切な装備とある程度の技術が必要。

阿夫利神社 下社から女坂は、石段を埋めた雪が凍り非常に滑るので注意。

無積雪時の本ルートは初級のコースと言って問題無いと思うが、今回の様な降雪量の多いコンディションでは、(特に復路は)北八ヶ岳などの初級ルートより事故の確率が高い様に感じる。
侮らずに、それなりの準備をして臨みたい。
難易度
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感想コメント

神奈川県に移り住んで早3年目。
沢登や登山で丹沢山塊へはよく入りますが、何故か丹沢で最もポピュラーな山と言っても良い大山へは1度も行った事がありませんでした。

かつて僕は、大山は「高尾山の一号路の様な完全に整備された登山道の山」だと思い込んでいました。
仕事柄近隣の山を調べる様になってそうでは無い事を知りましたが、美しい登山道を有するこの自然豊かな山へ出かけるチャンスが無いまま今に至っていたのです。

ふと「大山に雪が乗ったら綺麗だろうなぁ!」と思い立ち、南岸低気圧のもたらした大雪が融けてしまう前に白銀の大山へ出かけてきました。

一般的には、大山は丹沢山塊の中でも難度的には易しい山であると言われています。
しかし…、今回の様な深雪のコンディションではけして"易しい"と言う印象ではありませんでした。
軽いラッセルに小さな雪庇やちょっと怖いトラバースなどが要所に現れ、充実した山行になりました。

また大山は、富士山や相模湾を一望出来る素晴らしい展望や美しい樹林、そしてきれいなラインの尾根など、多くの魅力も持っています。
人との関わりに於いては、古くからの信仰の歴史と文化を紡いできた山でもあります。
懐が深く魅力溢れる、本当に素敵な山でした!

山頂には広い休憩スペースとよく整備されたトイレがあります。
夏期は半ば観光地化するとは言え、地元の方の努力には頭が下がります。

僕は、あまり山に人の手が入る事を好む方ではないです。
それだけに、全く整備されていない山を登る事の難しさや危険もまた分かります。
登山が一般的なレジャーとして広まった現在、僕たちは色々な山との関わり方を柔軟に模索していかなければならないのだと思います。
整備する事でロー インパクトを守れると言うのも、間違いなく一つの事実なのでしょう。
文化や信仰に関わりながら、地元の方の支持を得て守られる登山環境と言うものがきっとある筈です。
そう言った意味でも、大山が今後益々素敵な山になってくれたらとても嬉しいですね。

コース状況にも書きましたが、積雪量が多いと見晴台を経由するルートは少し難しいです。

見晴台の手前には小さいですが雪庇が出ているヶ所があります。
大山に雪山のイメージが無い事も手伝って、かなり気付き難いかと思いますので気を付けて下さい。
見晴台から先は斜面に付けられた登山道が全て雪で埋まっています。
手摺まで雪下となっており、斜度もそれなりにありますので滑落には要注意です。

僕にとっては、初めての大山が雪山となりました。
のんびりと気持ち良く歩けながらも気を抜けない雪中登山らしいヶ所もあり、とても充実した山行でした。
同じ山でも色々なコンディションで歩くと、全く違う印象を受けるもの。
いつか、(混雑しないタイミングを狙って^^)雪の無い大山も歩いてみたいと思います!


※ 今回の山行はのんびりと休憩や訓練の時間を多く取るコンセプトの為、ゆっくりです。
※ 標準的なコースタイムは、地図やガイドブックをご確認下さい。

フォトギャラリー

大山ケーブルカーは、赤と緑の2台で運行している。可愛らしい素敵な車体だ。

阿夫利神社 下社の手水舎(ちょうずや)。柱や水盤から水盤上の柄杓まで、全てが芸術的なまでの美しさの厚い氷で覆われている。梁から垂れた氷柱も美しい。

往路の稜線上より、帰りに降る予定の見晴台へ続く尾根。

ヤビツ峠 分岐から先は雪が深くなり、軽いラッセルも。

大山からの富士山はとても美しい。先日登った毛無山に続いて、美しい富士山の眺めに恵まれた。

山頂付近から見下ろす相模湾。正面奥の山並みは恐らく天城山。低く垂れこめた雲海と相模灘。僕たちは今、二つの海に挟まれている。

山頂の小屋陰でお昼ご飯!

パートナーが持って来てくれた、合鴨の燻製!めちゃくちゃ美味しい!

生味噌を使った野菜の味噌汁リゾット!

鴨ラーメン!

内陸方面。水平線と雲海の境が一直線にのびている。僅か1252mの頂からでも、僕らの住む地球が宇宙に浮かぶ星なんだと感じる事が出来る。

見晴台への稜線は、往路よりも全体に雪深い。

見晴台から先は、登山道も手摺も雪下へ沈んだ急傾斜のトラバース。もう少し雪が融ければ状態は良くなると思うが、降雪量が多い時は注意が必要。

予想より時間がかかった為、下山は女坂経由でのナイトハイクを選択。間隔も広く当然ヘッドライトは必要だが、女坂には街灯が整備されている。

下山途中、森の切れ目に伊勢原の夜景が見えた。色々な問題をはらみながらも、やはり人の住む所は温かく見える。

雪の女坂。街灯の灯が届かない所は真っ暗闇。遠く近く、梟の鳴き声が聞こえていた。

鹿の足跡がいたる所についている。人里にまで降りて来る様だ。この日は沢沿いで数頭の群れと出来わした。夜の鹿は、かなり近距離まで近付いても逃げない様に感じる。

静かな里山の参道。「里山」と言う環境の維持は現代では難しいのだろう。しかしその在り方は当に中庸であり、今の我々に最も足りない「適切なバランス感覚」に溢れている。

夜の仲見世通り。地元のおばちゃんと少しお話をした。お喋り好きで気持ちの良い、素敵な方だった。彼女たちが、大山の信仰と文化を未来に紡いでくれているのだろう。

夕闇のバス停にて。大山ケーブルカーのバス停は、かなり遅くまでバスが走っているので安心感がある。近くにトイレも有り登山者には心強い!

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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