白馬セルフレスキュー講習会
- 投稿者
- 好日山荘スタッフ
- 日程
- 2014年02月12日 (水)~2014年02月13日 (木)
- メンバー
- 天候
- 12日:晴 13日:雪
- コースタイム
- コース状況
- 1日め:白馬乗鞍スキー場ゲレンデ内
2日め:スキー場から林道歩行。わかん・スノーシューが必要
- 難易度
感想コメント
先シーズン、少人数ながらも行ったセルフレスキュー講習会。
登攀技術と並行して学び、体得していくべき知識・技術と考え、今シーズンも行ってきました!
今シーズンは、仲間が仲間を呼んだ兼ね合いも手伝って、何と12人の参加です。
初日はスキー場ゲレンデでビーコン探索、プローブ・ショベルを用いて埋めたザックを掘り出します。
最初は3人で、4人6人12人と徐々にグループメンバーを増やしていきます。
グループの中でリーダーを決めて、二木ガイドから「雪崩発生」の無線連絡を受けたら捜索開始。
あらかじめ決めておいた最終喪失地点まで全力で突っ走ります。
そこでビーコンをサーチに切り替え、リーダーはそれぞれの役割を指示します。ビーコン担当は指し示す方向に走り、プローブ・ショベル担当は道具を準備して埋没地点まで突っ走ります!
その頃にはビーコンはファイナルサーチに入っているので、複数でプロービングを行い、ヒットしたら交代しながら掘り出します。
基本、この繰り返しです。
自分達が二次雪崩に巻き込まれない様にしながら(1人監視を立てる)1秒でも早く捜して掘り出します。
講習会、と分かっていても焦ります。
焦って走って転ぶ、ビーコン探索で迷走、プロービングでなかなかヒットしない、etc・・・。
頭で分かっているのと実際出来るのとは、違います。
私は1回リーダーをしましたが、指示を出すのも頭が回らず、ショベルを持ちながらどうにも動けず、二木ガイドからゲキが飛びました。
でも、仲間から声が飛びます。
「自分は何をしますかぁっ?!」「誰がプローブ?!」
その声で何の指示を出せば良いか、真っ白になった頭が動き始めます。
すぐにフリーズしてしまうのですが・・・。
2日め。危険に遭わない為にはどうしたら良いか。ルートファインディングと積雪評価を学びます。
山に入る前から、雪崩れた跡はないか、クラックなど無いかをチェックするのだそう。
実際に山に入ってからは、木の様子や雪庇、風紋などもチェックします。
歩きながらもポイントでは3グループに分かれ、ここから向こうの尾根まで歩くのに何をどう気にすべきか等を話し合い、発表。
積雪評価では、コンプレッションテスト・バープテストを行いました。スノーソーを使って雪を切り出し、ショベルを当てて叩きます。
そんなに深くない所にサンクラスト状態の層があり、モロモロと崩れます。今はボロボロ崩れる状態ですが、雪同士の結合が始まったらスラブ状になるんかな、などと考えました。
最後はグル―プに分かれて、スキー場までルートファインディングで戻る、という課題が。
雪庇が危険、雪原みたいにだだっ広い個所を下って良いのかしら?、と疑問が次々湧いてきて、なかなか踏み出せない状態に。
考え方のヒントを少しもらいながら自分達で考えて、何とか戻りました。
これで、今回の講習会はおしまい。
ただ、これで身についた訳ではありません。学びは来季もずっと続いていくのです。
もしも。
現実に山で雪崩に遭ってしまったら・・・。講習会で感じた焦りより、もっともっと焦るはず。
焦って頭真っ白になるかもしれません。
それでも、講習会を1回でも受けていたら違うはず。
2回、3回、4回、・・・と受けたら受けただけ、少しずつでも身になっていくはず。
誰かの命を救う術は、しっかり身体に覚えこませたい、と考えるのです。
捜索者が全力で走っている間も、焦ってオロオロしてしまう間も、埋没者は息が出来ないのです。
リスク回避の為のルートファインディング、それを用いても雪崩れに遭ってしまった時の仲間との連携捜索。
命を危険にさらさない。より安全に。何よりも重要な事だと考えます。
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・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。