利尻山東北稜

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投稿者
小山田 隆博
日程
2015年02月28日 (土)~2015年03月02日 (月)
メンバー
小俣(浜松メイワン)
枝中(GRサッポロ)
小山田(サッポロファクトリー店)
天候
28日:曇り、1日&2日吹雪
コースタイム
28日 林道入口150分-終点-C11000m付近
1日 C1120分-三本槍30分-門60分-窓80分-北峰120分-長官小屋
2日 長官小屋180分-北麓キャンプ場20分-フェリーターミナル
コース状況
【アフトロナイ川林道】
東北稜へのアプローチとなる林道。GW頃には多少除雪が入っていることがあるらしいですが、今回は海岸沿いの車道から歩き始め。今回は東稜に入ったバックカントリーの先行パーティのトレースがあり、ラッセルがかなり楽であった。350m位で雪に埋まったアフトロナイ川を渡り東北稜に取り付く。
【東北稜】
テントサイトにした1003m付近までは広い尾根で危険個所はなし。徐々にリッジは細くなり、雪庇、積雪状況によっては雪崩に要注意。門の登攀は1P30mほど。ブッシュでランナーを取れます。ローソク岩を越えて懸垂下降するポイントが問題。進み過ぎると、リッジが崩壊しているので雪庇を踏み抜いて滑落してしまいます。ローソク岩を越えて10m位の少し雪面から出てる灌木で35mほどの懸垂。以降は雪崩に注意して急斜面を上り詰めると頂上。
【北稜】
視界が良ければ危険個所は少ない。ところどころ雪庇や吹き溜まりもあるので視界ないときには要注意。長官小屋避難小屋は冬でも使えるので大変心強い。
難易度
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感想コメント

冬の利尻山は気象条件の厳しさ、複雑かつ急峻な地形、加えて離島という精神的なプレッシャーからも北アルプスの山々にも決して劣らないと個人的に思っています。北海道出身の僕にとって冬の利尻に登ることが山を始めた時の目標であり、それは今でも、そしてこれからも変わらないでしょう。充実した濃い時間を過ごした5日間でした。

○2月26日
サッポロファクトリーにて浜松店の小俣さんと合流。あすからの天気は最悪の予報。それでも行かなきゃ何も始まらないと仕事を終えるとそのまま稚内をめざし北上!稚内港着は翌日2時半ころ。5時間半ほどの長距離ドライブ。
○2月27日
予報通り?午前午後1便づつしかないフェリーは決行。暴風雪の稚内で一日時間を潰す。泊まりは一泊2000円のライダーハウスで快適。
○2月28日
朝一のフェリーでようやく利尻へ。バス移動後、アフトロナイ沢林道から入山。天気は時折青空も見えるくらいの良い天気。林道には東稜に入ったと思われるバックカントリーパーティのトレースが有り、だいぶ楽をさせてもらった。林道終点350mくらいで沢をわたり東北稜に取り付く。広い尾根を登りつめると次第に樹林も少なくなり、順調に幕営地の1003m付近に到着。夕方はテント場から迫力ある利尻の頂稜全体が見れて明日からの核心部に期待が膨らむ。
○3月1日
深夜は猛烈な風で目が何度も覚める。撤退が頭をよぎるが、明るくなるに従い風も弱まった。行けるところまでは全力で行こうとテン場を出発。徐々に細くなる稜線、視界も極端に悪く、複雑な地形と張り出した雪庇に悩まされる。神経をすり減らすような緊張感ある核心部がずっと続く感じ。3本槍と言われる奇怪な岩塔郡の脇を登りつめると、門といわれる岩塔の登攀。1Pだけだが見た目よりやらしく枝中さんが慎重にリードして突破。次の核心はがローソク岩を越えての懸垂ポイント。リッジを進み過ぎると雪庇を踏み抜いてしまい、過去には事故も多発している箇所。右往左往するも、ここも枝中さんの鋭い感で潅木を掘り下げると残置支点を発見。35m程のラッペルでリッジの下に降りると今度は雪崩そうな急斜面を詰める。ホワイトアウトに近い中ようやく頂上に到着。風は猛烈に強くなり、写真を撮るとすぐに北稜を下る。視界5mの中、GPSを頼りに長官小屋まで。ここの下りも全く気が抜けず、GPSがなければ小屋までたどり着けなかっただろう。
○3月2日
 小屋を出ると今日も視界5mといったところ。風も昨日と同様に強烈。それでもGPSと感を頼りに順調に高度を下げ無事に9時過ぎに鴛泊の街に下山も朝一のフェリーは既に出たあと。そして午後のフェリーはまたも欠航!温泉も入れず呆然としている僕らであったが、親切なご夫婦の厚意で暖かいご飯とお布団で寝ることができた。
○3月3日
 ひな祭りの日。朝イチのフェリーで利尻に別れを告げて稚内へ戻る。利尻は厳しくも素晴らしい山で、島の方の温かさに触れた充実した5日間が終わった。

フォトギャラリー

二日目。猛烈な風と視界不良、そしてラッセル。キビシイ!!

出発前。軽量化してもやっぱり重いです。

いきなり出鼻をくじかれます

ようやく出発。トレースがあってラッキー!

東北稜の取り付き。

下部は広い尾根。利尻はデカイ!

初日のテン場は風もなくロケーションも最高。

振り返ると海!これが利尻だ!!

二日目。細くなるリッジ。

エキサイティングなトラバース!!

エキサイティングなナイフリッジ!!

ほぼ視界なし!

退路を断つラッペル!!もう抜けるしかない!

頂上はまだか~。

やっと頂上!でも暴風!

やっと逃げ込んだ長官小屋。中にテントを張って快適な一夜!

三日目。またもホワイトアウト!風も強い!!

やった下山!無事に帰れる!!

ガーン!帰れない。

翌日、さらば利尻~!!

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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