冬の利尻山・東北稜~北陵下降
- 投稿者
- 好日山荘スタッフ
- 日程
- 2015年02月28日 (土)~2015年03月03日 (火)
- メンバー
- 天候
- 2月28日:曇り一時晴れ 3月1日:暴風雪 3月2日:暴風雪
- コースタイム
- <2月28日>
石崎バス停(15)アフトロマナイ川林道入口(90)林道終点(200)東北稜1003m地点
<3月1日>
東北稜1003m地点(400)利尻山山頂(100)利尻山避難小屋
<3月2日>
利尻山避難小屋(200)フェリーターミナル
- コース状況
- アフトロマナイ川林道は、トレース有り。
稜線上は雪庇、表層雪崩に注意。
- 難易度
感想コメント
<2月26日>
夕方に富士山静岡空港から新千歳空港へ。北海道組と合流して、稚内まで運転を交代しながら長距離運転。
日付が変わった27日の2:00頃に稚内に到着。
<2月27日>
終日、フェリーは欠航とのこと。なんてことだ。稚内市内の図書館に行ったり、温泉に行ったりして
時間を過ごし、夜は1泊2000円のライダーハウスに泊まる。
<2月28日>
6:50のフェリーで利尻島へ。大シケで船が大きく揺れる。
路線バスに乗り、石崎バス停下車。1km程鴛泊方面に戻ってアフトロマナイ川林道へ。
スノーシューを装着して歩き出す。林道終点から東北稜へ取り付き、1003m付近で
テント設営。夕方、テントから顔を出すと、山頂付近にかかっていたガスが抜けて
利尻山の山頂が見える。しかしそれ以降、利尻山の山頂を見ることは一度も無かった。
<3月1日>
夜明け前、猛烈な強風で目が醒め、少し恐怖を感じる。
雪庇に注意しながら、細いリッジを登り高度を上げて行く。
ローソク岩を過ぎた辺りで潅木を使って懸垂下降するが、どこに支点を取れば良いか
分からない。見当を付けて掘り出し始めた枝中君が「あったよ!」と声を上げた。
暴風雪で視界が悪い中、GPSを頼りに山頂を探し出したが、登頂の喜びを感じている余裕は無い。
早く避難小屋まで逃げることだけを考え、ひたすら高度を下げる。
GPSではすぐそばに避難小屋があるはずなのだが、何も見えない。
一瞬のガスの切れ目で、避難小屋の屋根らしきシルエットが見え、近づくと確かに避難小屋だった。
思わず笑い声が出る。この日、一番笑った瞬間だったと思う。それだけ神経が張り詰めていた。
<3月2日>
今日も視界はほとんどゼロの暴風雪。GPSを頼りに長官山を越えて、ひたすら高度を下げる。
フェリーターミナルに着いたが、既に午前の便は出港しており、悪いことに午後の便は欠航。
その夜は、フェリーターミナルで出会った親切な御年配の夫婦のお言葉に甘え、泊めさせて頂いた。
<3月3日>
午前のフェリーは出港するとのこと。お世話になった夫婦にお礼を言い、フェリーターミナルへ。
フェリーのデッキから利尻島を眺めるが、最後まで山頂を見ることは出来なかった。
本当にあの雲で隠れた山の中を登っていたのだろうか。
何年経っても今回の山行は忘れることは無いだろう。
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