八ヶ岳バリエーション・旭岳東稜

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投稿者
好日山荘スタッフ
日程
2015年03月18日 (水)~2015年03月18日 (水)
メンバー
天候
晴れ/曇り
コースタイム
美し森駐車場-(110)-出合小屋-(40)-尾根取り付き-(160)-五段の宮基部-(270)-旭岳頂上-(40)-ツルネ-(80)-出合小屋-(170)-美し森駐車場

総行動時間:15時間30分
コース状況
沢は雪で埋まっており、渡渉はなかった。
出合小屋まではワカンかスノーシューがあったほうが良い。特に日が出てからだと踏み抜き地獄になる。

尾根取り付きは、北斜面からの方が良いと思われる。
五段の宮までは、一か所岩の露出したナイフリッジがあり緊張するが、それ以外は特に問題となる個所はない。撤退する場合は懸垂下降が必要になる場面もある。

核心部の五段の宮は、特に3段目までスタンスが乏しくパワーとバランスで抜ける箇所がある。支点はほぼ灌木から取ることになる。時々アックスを使った。
4段目から旭岳頂上までは雪壁と顕著なナイフリッジの連続で緊張を強いられる。風が強い日だとかなり怖い。雪庇が右手に張り出しており、しかもほぼ雪庇上を歩かなければならない箇所もあり、雪の状態を見極めながらの登攀となる。
ダブルアックスの方が安定して登れそうだと思ったが、結局一本で登りきった。状況によるだろう。

五段の宮は左にトラバースして灌木の急雪壁を登るルートもとれるが、雪の付きが悪い上、雪崩が頻発していた。
それに、五段の宮を直登してこその旭岳東稜だと思う。

下りはツルネ東稜が一般的だが、踏みぬき地獄だったので途中で右手の沢に降りて下降した。当然雪崩の巣となっておりデブリで埋め尽くされていたが、時間が遅いのもあってか、下降中は安定していた。2,3箇所クライムダウンするような急斜面もある。

出合小屋から美し森駐車場までは延々と続く踏みぬき地獄。軽量化の為とワカンを車に置いてきたことを本気で後悔した。
難易度
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感想コメント

久々のアルパイン。
当初1泊2日の予定だったが、2日目の天候が悪そうだったので日帰りアタックに変更。
予定より少し遅れての出発だったが、ほぼ想定内の時間に核心部の五段の宮に着くことが出来た。
最悪撤退と思っていたが、正直、五段の宮までも嫌らしく、どのみち頂上まで抜けた方が良さそうだった。

五段の宮3段目まで田中リードで1P。セカンドの自分でも途中厳しい箇所があった。さすが田中さん。
2P目は山本リードで5段目まで。右側をから登る。アックスを使って雪と岩のミックス。技術的な難しさはないが、雪稜を越える所で気持ちで負けないことが大事である。
ロープで繋がっているとはいえ、落ちたらあまり意味ないなと思った。

3P目も基本的には細い雪稜。
4P目は岩壁を左に巻き気味にして右に折り返すが、灌木等支点が全く取れないので田中さんに20mほど上がってもらい、稜線から左側に少し下って灌木に支点をとった。
最終5P目はロープは要らなさそうだったが一応スタカット。五段の宮取付きから4時間半で頂上に立った。

下りはツルネ東稜を下る予定だったが、踏み抜き地獄のため思い切って沢に降りた。
デブリだらけだったが安定はしていた。

最後の林道歩きはこれまた踏み抜き地獄で最悪だったが、充実した山行だった。

それにしても、トレースがなければ確実にビバークもしくは敗退となっていただろう。
先行Pに感謝。

フォトギャラリー

至福のひと時

出合小屋まで約2時間

出合小屋

最高のロケーション

急斜面を登り

リッジを渡り

雪壁を登り

広い雪壁を登ると

五段の宮に到着

巻き道

登攀具をつけて

1P目

2ピッチ目

5段目終了点

4P目

高度感満点

頂上直下の雪稜

旭岳頂上

谷を下降しました

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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