宮崎県 大崩山(1643.3m)~花崗岩の大岩壁と梯子の共演~

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投稿者
酒井 健
さいか屋藤沢店 店舗詳細をみる
日程
2015年05月29日 (金)~
メンバー
福岡パルコ 酒井
天候
曇りのち晴れ
コースタイム
祝子登山口<30分>大崩山荘<180分>坊主尾根・ワク塚分岐<40分>大崩山山頂<50分>小積ダキ<120分>大崩山荘<25分>登山口
コース状況
今回は水量が少なく渡渉は問題無かった。対岸の赤テープを見逃さないように。登山道は乾いていたのでフリクションもよく滑ることもなかった。象岩のトラバースに不安な方はセルフを取ることをお勧めします。簡易ハーネスとスリング60㎝もしくは120cmを1本または2本、ノーマルカラビナ1枚または2枚(スリング2本の場合)があれば対応できると思います。事前にやり方等の習得及び練習必須。架け替えが一カ所有り。また必要であればヘルメットで安全を。あとは慎重に梯子を通過して下さい。決して“飽きた”などと言わず最後まで緊張感を持って行動しましょう。分岐には道標がしっかりあるので見逃さないようにして下さい。
難易度
Google Map
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感想コメント

前日に“祝子川温泉美人の湯”の駐車場で一泊し、翌日早朝から登り始めた。今回は日帰りでも行動時間が長くなることが予想されるので余裕を持っての計画だ。

駐車場から15分程上がり、登山口に駐車。すでに10台以上が並んでいた。人気の高さが伺える。今回は王道コースである“ワク塚”から登り、“坊主尾根”から下る。

登山口から大崩山荘まではアップのゆっくり登る。“ワク塚分岐”までさらに進み、対岸へ渡る。夜中に雨が降ったがその影響は全くないくらい水量が無く容易だった。
まずは“乳房岩”を目指すわけだが、なかなか登り応えがある。登山道がなだらかになり“下・中・上”のワク塚をそれぞれ越える。“大崩山”イコール“岩場”というイメージ通り剥き出しの花崗岩が本当に大きく聳え、まさに圧巻だ。無理に岩に行かなくても巻道があるので心配はない。
“上ワク塚基部”を過ぎると通常の登山道になる。“坊主尾根”との分岐、“モチダ谷分岐”を過ぎると三叉路になり、“石塚”を過ぎると“大崩山1644m”の山頂に着く。残念ながら山頂自体はそんなに広くなく、展望も今ひとつなので写真を撮り、昼食は“石塚”まで戻ることにした。

お腹も落ち着いたので下山を開始。“坊主尾根・ワク塚分岐”まで戻り、ここから“坊主尾根”に入る。緩やかに下りはじめ、分岐を過ぎると“小積ダキ”に着く。行き止まりではあるが何とも気持ちのいい場所。ここも岩が剥き出しで展望もよく、これから下る核心であろう通称“象岩”の全容が見える。本当に象に見える岩だから面白い。ひとしきり展望を楽しみ、分岐まで戻る。ここからは気を引き締める。
スラブ状の岩を固定ロープで下り、さらにもう一度下ると“象岩”のトラバースになる。さっき“小積ダキ”から見た“象岩”の下にワイヤーロープが設置されている。足場もしっかりあり、乾いているのでフリクションの効きもいい。さすが花崗岩。それでも滑落の場合重症では済まない高度があるので一歩一歩慎重に一人ずつ通過する。ん~スリリング。
さてここからは梯子の連続。むしろここからが長い。とにかく梯子。ひたすら梯子。所構わず梯子なのだ。また全てが完璧に設置してある安心した梯子ならまだしも、結構そうでもない設置も少なくないから性質が悪い。そしてもっと性質が悪いのが嫁の“飽きた”というセリフ。恐れていたことが起きてしまった。同じような状況が続くと必ず途中で飽きるのである。特にこういった状況で緊張感を解くと事故に繋がると毎回言っても飽きやがる。てやんでい。
アメとムチを繰り返し、梯子を下りていた時になんと一輪だけ“ササユリ”と出会うことができた。ラッキー。見ることは難しいと諦めていただけに本当に嬉しかった。梯子は終わったが、まだまだ急な下りを後ろで文句をブー垂れながらも懸命に付いてくる嫁に河原に着いたことを告げる。ここを対岸に渡れば“大崩山荘”だ。山荘で小休止をした後、登山口まで一気に下る。

登山口に着いたときはすでに車はほとんど無くなっていた。ササっと登山靴からサンダルに履き替え“美人の湯”に向かう。いや~久し振りの長丁場だった。汗を流しサッパリして一路福岡に向かった。

難易度について・・・
難易度を中級者に設定したのは緊張感を持って行動する状況が長いので。慣れている方にとっては初級者と感じかもしれません。難易度の設定に初級者がないので。また今回のコースは時間的にも長いので計画にはゆとりを持って。下山は遅くても15時を目安に。春や秋であれば14時くらいを目安に。暗くなるのが早いです。ヘッドランプは必携。
初心者の方もどんどん挑戦をして頂きたいですが無理は禁物です。経験者が知り合いにいるのであればまずはその方と行くのも一つです。
安全で楽しい登山を是非。帰りに運転にもご注意を。

フォトギャラリー

祝子川を渡渉

ピンクテープがたくさん

足場が悪い登りが続く

下ワク塚

あそこが中ワク塚

中ワク塚 高度感ある

あそこに見えるが上ワク塚

山頂の手前は笹やぶ

大崩山山頂

小積ダキから象岩を望む

象に見える?

ロープを下って

象岩のトラバース

梯子が続く

梯子

鉄板が置いてあったり

でも梯子

やっぱり梯子 しかもここは途中でロープをたどって横に逃げる

出会えたササユリ

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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