巻機山 紅葉の割引沢を愉しむ ~ 明るいナメ床が広がる爽快な渓歩き

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投稿者
伊藤 岳彦
横浜西口店 店舗詳細をみる
日程
2015年10月21日 (水)~
メンバー
単独行
天候
コースタイム
桜坂駐車場(25分)入渓点(20分)吹上ノ滝(50分)ヌクビ沢出合(10分)布干岩(60分)桜坂駐車場
コース状況
■ 桜坂駐車場 ¥500/日
■ アイガメの滝 登路に残置ロープあり
■ 巻道(避難路)は踏跡明瞭
難易度
Google Map
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感想コメント

越後の名山・巻機山の紅葉もまだまだ楽しむことができます。
紅葉が映える青空の下、ナメ床やスラブが光彩を放つ広く明るい渓を辿ると、心の底から晴れ晴れとした気持ちになれるもの。
巻機山はそんな渓歩きを気軽に楽しめる数少ない山として大変貴重です。
表玄関口である清水集落からは、最もポピュラーな「井戸尾根コース」が最もよく歩かれますが、沢登りでは井戸尾根の東側に広がる美渓「米子(こめこ)沢」がとても有名。
一方近年訪れる方はあまり多くはないようですが、井戸尾根の西側には「割引(われめき)沢コース」と「ヌクビ沢コース」という沢沿いの一般登山登路コースも登られます。
この割引沢やヌクビ沢は巻機特有のナメとスラブが広がるとても明るい渓相。
米子沢に勝るとも劣らない極上のナメ床もあり、山頂まで無理をして詰め上がらなければ気軽な渓歩きを楽しむことができます。しかも上記の登山道が並行するので、いざとなればエスケープルートにもなります。
登頂にこだわらなくとも、ヌクビ沢の布干岩辺りまで遡り、巻道を利用して桜坂駐車場に戻れば、越後の秋を日帰りミニ遡行で堪能することができます。


たまには時間を忘れてのんびりと渓を歩くのもよいものです。
紅葉真っ盛りの越後で、明るいナメ床が広がる癒しの渓歩きを堪能してきました。
核心部だけを辿るとても短い遡行ですが、僅かな距離のなかに見所が凝縮されているのは嬉しいところ。
入渓からしばらくしてナメ床や大釜の次に現れるのが「吹上ノ滝10m」。
その名の如く空に向かって吹き上げている小さな美瀑で、左岸に明るく開けた草付きスラブを持ち、水流の右を快適に越えていくことができます。
その後、渓が大きく右に曲がると現れるのが「アイガメの滝20m」。
清流を爽快に流れ落とすナメ滝は一番の見所でしょう。スタンスは豊富なので、色々なルート取りができそうです。不安ならば右岸にある残置ロープを頼りに登山道を使って巻くことも可能です。
天狗岩を見上げながらヌクビ沢に入ってしばらくして現れるのが「布干岩4段30m大ナメ滝」。
その名の通り、大きな布が干せそうな一枚岩で、乾いた岩の上を容易に越えていけそうです。しかしこの先は登れば降りてこなければならないので、今回は核心部だけをゆっくりと楽しんでこの布干岩で遡行を終了。ここからは巻道を利用して、桜坂駐車場へ戻ります。
また時間や体力に余裕があれば、布干岩を越えた先でヌクビ沢に流れ込む「三嵓(みくら)沢右俣」を遡行するのもよいでしょう。この渓は短いながら登れる小滝が続き、ニセ巻機付近に詰め上げる渓として、“日本登山体系”にも紹介されています。隠れた佳渓として知っておいてもよい渓です。

越後の山は残雪が豊富なので、沢沿いのルートを訪れることができる時期は限られてしまいます。その意味では10月の来訪がもっとも適しているのかもしれません。
各地で紅葉は見頃を迎えていますが、紅葉と清流と花崗岩が織り成す、割引沢の爽快な渓流美は秀逸でした。
沢靴さえあれば訪れることができる場所なので、初めての沢歩きにも適しており、きっと誰もがその開豁な渓相に感嘆の声をあげることでしょう。
登山道が並行していることで遡行を敬遠される向きもあるようですが、そもそも登山者は決して多くないのであまり登山道のことは気になりません。
もっと手軽な渓歩きが楽しめるルートとしてもっと紹介されてもよい場所であるように思うので、多くの方に紅葉に彩られた割引沢を知ってもらいたいと思います。

フォトギャラリー

割引沢は米子沢にも負けないくらい明るく爽快な渓です

入渓点まで登山道を辿ります

紅葉と清流の調和が素晴らしい

気持ちの良いナメ床が続いていきます

大釜をもった2段8m滝 容易に巻けます

花崗岩を流れる清流は龍の如く

吹上ノ滝の手前にある淵 敢えて突っ込むのもありです

吹上ノ滝10m

水流の右を軽快に登ることができます

60cmほどの凹角が25mくらい続きます

アイガメの滝20m ここで渓は大きく右に曲がります

滝上でもナメ滝が続きます

大岩のある6m滝

前方に天狗岩が見えてきました

平凡な渓相からヌクビ沢出合へ

分岐には赤ペンキで案内があります

割引沢本流 気持ちの良い登路です

布干岩は4段30mに及ぶ大ナメ

紅葉を楽しみながらのんびりとした渓歩きが楽しめました

帰路の巻道にて渓を見下ろす

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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