利尻山・長浜ダイレクト

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投稿者
小山田 隆博
日程
2017年04月04日 (火)~2017年04月06日 (木)
メンバー
小山田
他1名
天候
4日:晴れ 5日:暴風雪 6日:曇り
コースタイム
4日
栞橋(2時間30分)長浜尾根取り付き(2時間30分)C1:1280mJ・P
5日
C1(1時間)三眺山(1時間30分)ダイレクトリッジ取り付き(4時間)北峰(5時間30分)C2:340m
6日
C3(2時間30分)路線バス停留所・姫沼口=下山
コース状況
積雪量は全体的に少なめ。
栞橋までは鴛泊から路線バスで1600円くらい。
堰堤が続く大空沢をつめて500m位で左手の長浜尾根に取り付く。
雪の状態により三眺山手前までワカンでも可能。
三眺山過ぎると一箇所いやらしいクライムダウンがあり。
わずか数mだが、視界悪い際はロープ使用を使用したほうが安全。
ダイレクトリッジは全4ピッチ。
雪の付き方により猛烈な除雪が必要となる。
確実な支点は取りづらく、イボハーケンが有効。
実質的なクライミングは3ピッチ目までだが、
ルート取り、支点の取り方、さらに高度感もあり、アルパインクライミングの総合力が試されます。
北稜の下りは隠れた核心部。
天気がよければイージーですが、条件が悪いと地獄と化します。
難易度
Google Map
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感想コメント

2年ぶりに冬の利尻に行って参りました!
初日は快晴無風の長浜尾根を険しい岩稜が続く仙法志稜や南稜そして西壁を眺めつつ、高度を上げ、
目の前に翌日登るダイレクトリッジと頂上が目の前に迫るテン場と最高のスタートとなりました。
しかし、二日目は利尻本来のキビシイさを身を持って味わうことになりました。出発してまもなく視界が悪くなり、手探り状態のままダイレクトリッジへの登攀へ。プアなプロテクションと不安定な雪質に加え猛烈な除雪、細いリッジに強まる風。それでも時間が掛かりながらもなんとか抜けて頂上へ。
ここからは下降によく使われる北稜を下ったのですが、視界が相変わらずなく、さらに勢いを増した風はまさに爆風となり、まともに歩行もできなくなりました。20年近く冬も含めて山に登っていますがあんな風は初めてでした。何度も吹っ飛ばされ、四つん這いになって進んだ箇所もありました。予定では長官小屋に泊まるはずが、通り過ぎてしまい、風の強さで戻ることもできず、とにかく高度を下げていきました。
結局北稜上は烈風が吹き荒れ歩くことができず、北稜の東の沢を下りなんとか樹林帯まで逃げてテントを張りました。湿った雪で全身びしょ濡れとなり、疲労困憊。とにかく命の危険がない安全圏までおりれたことに心底ホッとしました。
最終日、地図とGPSを頼りに姫沼方向に進みうまく自転車道路に出て、そこからすぐに車道に出ることができました。さらに運良くすぐに来た路線バスに乗り込み、フェリーターミナルへと戻ることができました。

 今回、利尻のバリエーションルートとしてはさほど難しくないと言われるルートであったこと、4月に入り厳冬期程の厳しい気象条件はないこと、また冬の利尻はパートナーも含めて数回経験している事から多少甘い考えが自分の中で無意識にあったのかもしれません。実際にはダイレクトリッジの登攀はもちろん北稜の下山は本当に辛く厳しいもので一歩判断を間違えば取り返しのつかない状況となるものでした。しかし、利尻の魅力はその厳しさにあります。これからも利尻をひとつの目標に自分を常に成長させていきたいと思います。また、一歩成長して行きたいと思います。

フォトギャラリー

素晴らしき利尻!

歩き始めの栞橋付近

重い荷物が辛い林道歩き

尾根に撮りくと景色も良く

西壁に憧れの仙法志稜

初日は暑いくらいでした

テン場のロケーションは最高!

夕陽に染まる利尻

二日目、朝からガスガス

取り付き前は少し晴れ間も・・

振り返ると絶景!

猛烈な雪煙が・・

ダイレクトリッジ下部

2ピッチ目。猛烈な除雪。

頂上にて。まだ笑顔に余裕がありました

全てが氷漬けになりました

下降は厳しすぎて写真撮れず・

最終日。前日の暴風が嘘のよう

帰ってきた~!

また来年!!

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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