【冬バリ】残雪の爺ヶ岳東尾根テント泊
- 投稿者
-
日下部 友哉
横浜西口店
- 日程
- 2021年03月29日 (月)~2021年03月30日 (火)
- メンバー
- 横浜西口店 高谷・日下部
- 天候
- 晴れ
- コースタイム
- ■1日目 行動時間:5時間25分
鹿島山荘(165)ジャンクションピーク(80)P3(80)P2
・累積獲得標高:約1240m
・歩行距離:約4.3km
■2日目 行動時間:4時間45分+休憩+テント撤収=約6時間
P2(45)P1矢沢の頭(50)爺ヶ岳中峰(20)P1(30)P2(25)P3(115)鹿島山荘
・累積獲得標高:約520m
・歩行距離:約7.8km
※()内単位:分
- コース状況
- ・鹿島山荘前を通り抜け、いきなりの急登。草木を掴みたいくらい。特に下山時注意。
・P2手前は雪の急斜面。ロープはあるがあまり頼りにはできない。
・P2とP1の間はナイフリッジあり。雪状況・風注意。
・2日目下山時は気温が高く雪グサグサで踏み抜き地獄。
◾️気温
7:30 鹿島山荘 7℃
10:00 ジャンクションピーク 10℃
15:30 P2 8℃
2日目は気温確認してませんでしたが、朝氷点下になったかどうか。日中は気温高かったです。
- 難易度
感想コメント
冬季限定バリエーションルート「北アルプス 爺ヶ岳東尾根」
去年に引き続き先輩スタッフ"タカヤ"との冬季バリエーション第二段。3月終わりの残雪期になってしまいましたが、北アルプス冬季限定バリエーションルート爺ヶ岳中峰に直接登り詰める「爺ヶ岳東尾根」をテント泊。
■1日目
久々に泊まりで雪山テント泊の重装備。鹿島山荘前を通り過ぎ、いきなりの歩きにくい急登。ピンクテープはしっかりあったので迷う感じではありませんが、ストックを持っていましたが草木を時々掴むほどの急登。いやらしい急登を抜けると雪が出てきました。今度は雪の急登。さっきほどではないがここもなかなか。。。さらに踏み抜きもあり体力消耗。少し標高が上がってくると木々の隙間から鹿島槍ヶ岳が!ようやくジャンクションピークに到着すると爺ヶ岳中峰・北峰がドカーンっと素晴らしかったです♪と言っても東尾根はまだ先は長い。風が出てきたのでハードシェル着用。気温は高めで雪がグサグサなのでアイゼンは付けずツボ足で進みます。ちょろっと雪庇らしきものも増えてきます。またもや急登が現れ、ようやくP3に到着。
P3も景色は最高♪少し広さがあるのでここでテント張っても良いくらい。目的地はP2なのでまだまだ登ります。傾斜が増してきて壁のような斜面を登り、少しするとP2に到着♪結構狭いのでテントは頑張って3張りほどか。テント設営するためにしっかり整地して、風はまあまあ強いのでテントが飛ばされないよう雪用ペグ「MSRブリザードステイク」をしっかり雪面に埋め込みます。雪山テント泊はテント設営に時間がかかります。こういうときに手袋は防水性に優れた「テムレスウィンター」が役立ちますね。重い荷物でかなり体力消耗したので、鹿島槍を見ながら早めの夕食タイムに。簡単なアルファ化米とソーセージに、野菜スープ。食べ終わったら水作り。そんなことしていると日が暮れてきました。夕方、南側には槍ヶ岳も見えてきました。
■2日目
2日目は爺ヶ岳を目指します。夜中は結構風強くてテントが飛ばされるか心配で何度も起きてしまいました。ですが意外と気温は下がらず寝ていても寒い感覚はありませんでした。テント内は0℃以下にはなってなかったと思います。風があったせいかテントの結露はほぼなし。軽く朝食を済ませ、アイゼン・ピッケルを装備していざ爺ヶ岳アタック!いきなりナイフリッジが出てくるので緊張しました。久々に緊張する高度感と、さらに風もあるので慎重に。もちろん左右どちらにも落ちれません。ナイフリッジを越えて急登を登ってP1矢沢の頭に到着。白沢天狗尾根との合流地点。爺ヶ岳中峰に突き上げるビクトリーロードが目の前です。爺ヶ岳南峰がやっと見えました。ただこの稜線がなかなか強風で素直に立っていられない時も。特に中峰直前の急登では強風で飛ばされてくる氷の粒が痛いし、耐風姿勢を取りたいときも。そんなこんなでようやく爺ヶ岳中峰に登頂!約4ヶ月ぶりの爺ヶ岳中峰。今回も目の前に美しい双耳峰鹿島槍ヶ岳が待ってくれていました。黄砂と気温のせいか少し霞んでいましたが西側には立山剱岳も♫ただ強風でゆっくりはしていられないのでそそくさと風が弱まるところまで戻ります。気温が上がってきたのでウェア調整して、また緊張するナイフリッジを歩いて無事テント場に帰還。テントも飛ばされてなくて良かった(笑)テント撤収して下山します。
下山は重い荷物と気温が高くてグサグサの雪で歩きにくく踏み抜き多し。踏み抜きはほんと足が疲れます。そして最後に追い打ちをかけるようにあのいやらしい急坂が。ここが核心ですね(笑)
1人の登山者としかすれ違わず静かで、ナイフリッジ、爆風、そして雪山北アルプスの素晴らしい景色とバリエーションに富んで、今回もなかなか痺れる山行でした!日帰りでも頑張れば行けなくはないですが雪山テント泊したかったので満足ですね。重くて辛かったので雪山テント泊装備をもう少し重量削りたい。今回の失敗は重量が重いのにULザックで行ったことでした。やっぱりパッキングウェイトが15kgくらいになってしまうと腰に荷重を乗せないと身体が辛いですね(笑)あとはこの時期はレイヤリングが悩ましい。。。
※山小屋もなく、雪山一般道ではありませんのでご注意ください。
■レイヤリング
Tops:1日目は①に、風が出てきたら④を着用した程度。
①TNF/ExpeditionDryDotCrew
②powerwoolフーディ
③POLARTEC®︎AlphaDirectフーディ
④ハードシェルジャケット
⑤MountainEquipment/CloudDuvet テント場で着用
Bottoms:
①patagonia/terrebonnejoggers
②シェルパンツ patagonia/GulvanizedPants
③メリノ150タイツ テント場で着用
④MountainEquipment/PowderPant テント場で着用
⑤Exped/DownSock テント場で着用
フォトギャラリー
・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。