【長野県】北岳 バットレス
- 投稿者
-
唐嶋章弘
大丸福岡天神店
- 日程
- 2021年08月02日 (月)~2021年08月02日 (月)
- メンバー
- 他一名
- 天候
- 雨のちガス
- コースタイム
- 広河原(180)5尾根支稜取りつき(400)北岳山頂(100)広河原
- コース状況
- 広河原はテント、小屋ともに要予約です。
専用の予約サイトがあります。
感想コメント
北岳のバットレスに行ってきました!
行動計画としては、
1日目
甲府駅から広河原までのアプローチ。
2日目
広河原を出発。
→バットレス4尾根主稜を登攀。
→北岳山頂
→肩の小屋、白根御池を経由し、草すべりルートから広河原へ下山しました。
1日目に、白根御池に泊まるのがオーソドックスな方法だそうですが、
今回、広河原スタートとしたのは、
〇重たいテント泊装備を背負って標高を上げて前泊するよりも、登攀装備のみでスピーディーにアプローチする方が良い。
〇今回の登攀は、そこまで時間がかからないため、明るいうちに帰ってこれると予想。
ということで、広河原でのテント泊は、ウインナーを焼いたり、たらふくご飯(レトルトご飯&レトルトカレー)を食べたり、
時流に逆らう重量化装備で思う存分、士気を養う事が出来ました。
バットレス登攀当日は、3時出発。
真っ暗な中、大樺沢を無心で登ります。
バットレスの4尾根の取りつきまでは様々なルートがあるようですが
私たちは、cガリーとdガリーの間の樹林帯を登り、
5尾根支稜を経由し、大バンドをトラバースののち、
ヒドンガリーを詰めた後に、有名な4の赤ペンキが付いた壁から登る事にしました。
4尾根を登るよりも、
このアプローチの方がルートファインディングが難しく、アルパインチックでした。
60mのダブルロープです。引き上げの作業をなるべく少なくするために、
多少ロープの流れが悪くなっても、伸ばせるところまで伸ばしました。
トポと若干ピッチの区切りが異なる点がありますが、ご了承ください。
5尾根支稜
1ピッチ目
取りつき点から見える顕著なバンドをトラバース。
トラバース後に岩をぐるっとまわりこんだところがビレイ点でした。
2ピッチ目
フェースを登ります。
どのピッチにも言えることですが、全体的に、ハーケンなどは豊富に有りますが、信用できないので、
#3までの小さめのカムがあると便利でした。
3ピッチ目
ルンゼを登ります。
終了点らしきものは見当たりませんでしたが、
ロープが必要なほどではありませんでしたので、解除して肩がらみビレイで登りました。
4ピッチ目
ロープを解除して、バンドを歩きます。
このバンドの途中に、3ピッチで4尾根取りつきまで上がれるクラックがあるようですが、
今回は、雨が降っていた事や、より分かりやすい道をということで、
バンドを歩ききったところで出会う、ガリーまで行きました。
ガリーを50m程登ったところに、4の赤ペンキがありました。
5ピッチ目
この取りつきまでのアプローチにおける登攀では緊張したパートです。
浮石が多く、ビレイヤーを巻き込まないように注意が必要です。
フェースで高度感があるうえ、プロテクションもいまいち信用できず、慎重に登りました。
このピッチが終わって10m程歩くと、4尾根取りつきのテラスにたどり着きます。
テラスは荷物をおろして、安心して準備が出来るほどの広さがあります。
4尾根1ピッチ目
出だしのクラックが核心です。
フットジャムを決めて、クラックの奥にあるホールドを手探りで探しながら登りました。
グレード表記は高いですが、落ちても受け止め手がいるので、思い切って登れます。
4尾根2ピッチ目
フェースを直上します。こわいパートはありませんでした。
4尾根3ピッチ目
岩のクラックです。
最終ピッチと合わせて、緊張したパートです。
クラックがはっきり見えている&ハーケンが連打されているので、
クラックに頼りがちになりますが、くぼみにガバがあったり、フェースにフットホールドが有ったり、
しっかり岩を見れば、グレードほどの難易度は無いかと思います。
クラックから、数手で、右カンテを掴んで、核心は終わりです。
4尾根(4)ピッチ目(懸垂下降)
総称マッチ箱のコルから、懸垂下降です。
ハーケンが4つほど有りますが、そろそろ寿命が気になるところ。。。
残置のハーケンを持って来ていなかったので、今回は頼りましたが、できれば自分で信用できる支点を作りたいところ。
20m程下降すると、真向いの岩に取り付くテラスがあります。
4尾根4ピッチ目
懸垂下降後、フェース向かって右のカンテラインを触りながら登ります。
特段に難しい所はありませんでした。
懸垂下降した岩にステミングをしたりすると楽に登れました。
4尾根5ピッチ目
やさしい岩場です。
枯れ木のテラスまでのピッチですが、
切れ落ちたリッジを渡るために、ロープアップの作業が面倒だったので、
最終ピッチの城塞ハングの下まで伸ばしました。
ロープは重たくて仕方がありませんでした。
4尾根6ピッチ目
最終ピッチで核心の城塞ハングです。
ハングというよりは、チムニーで、いろんな登り方があるピッチだと思います。
10年ほど前までは、右から優しいラインを登れたようですが、そのピッチのルートが崩落しており、
このルートを登らないと山頂にはたどり着きません。
チムニーががっちり決まってくれますが、
慣れないと腕の力を消耗するので、エイドで登る工夫も必要かと思いました。
このピッチを終えると、広場に付くので、
登山靴に履き替えて、お花畑を眺めながら山頂へ向かう踏み跡をたどります。
数年前に登ったつじまいさんにアドバイスを伺ったところ、
昨年、北岳周辺は閉鎖されていた影響で、浮石が多いかも
という助言を頂きました。
浮石に関しては、4尾根に取り付くまでのアプローチ登攀が、特に気になりました。
4尾根は特に危険な箇所は無かったと思います。
また、当然ですがガリーは少なからず注意が必要だと思いました。
全体的に、ゲレンデ化しているアルパインルートと比べて、
支点が不安なものが多かったです。
ナチュラルプロテクションは必須です。
#3までのカムを頻繁に使いました。
フェース、チムニー、クラックと、多彩なルートで、終始楽しむことが出来ました。
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・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。