「ほんとの空」は拝めなかったけど…錦秋の安達太良山

「あれが安達太良山」
智恵子さんがかつて呟いた山に秋を求めに行きました。が、山麓駅は既に強風、楽をしようとゴンドラに乗るはずでしたが動いていないので徒歩で薬師岳を目指します。

　スキーリフトの下をくぐりごつごつした岩道を登ります。標高が高まるにつれ秋色が増してきましたが、同時にガスも濃くなっていきました。薬師に着いた頃にはガスで真っ白、風も強まってきました。思い描いていた絶景は拝めそうにないけれど、幸い雨は降っていなかったので何とか山頂を目指しました。
　
山頂まではなだらかな道を行きます。晴れていたらきっと気持ちの良い稜線漫歩ができたことでしょう。ちょっぴり残念。あっという間に頂上へ着きましたがかなりの暴風で息が出来ない程です。でも折角来たのでザックを下ろし乳首山へ登りました。鎖もしっかりついているので危険はないですが、風に煽られて少しひやりとしたので早々に下りました。
　
牛の背はその名の如く広くなだらかな火山台地で赤土が目立ち、沼ノ平の火口からは硫黄の香りがしてきます。ここでもガスの為火口は見えませんでした。

　体が少し冷えたのでくろがね小屋で一休み。管理人さんは千石先生にそっくりで、とてもお話好きな方だったので楽しい時間を過ごせました。ランプのぬくもりが心地良く温泉もあるので、次回はぜひ宿泊してみたいと思います。

　小屋を後にしてから徐々にガスが取れ、待ち望んでいた景色が顔を出し始めました。目の前全てが錦です！暫く呆けたように見つめてしまいました。何度も何度も振り返ってしまう程の絶景で下るのがとても名残惜しかったです。

　下山後は岳温泉で汗を流し、とっともボリューミーな名物のソースかつ丼を堪能。ごちそうさまでした！