西丹沢 西沢本棚沢遡行 ~ 丹沢屈指の名瀑“本棚”を抱く爽快な渓へ (畦ヶ丸東面 中川川支流)
- 投稿者
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伊藤 岳彦
横浜西口店
- 日程
- 2015年05月27日 (水)~
- メンバー
- 浜松メイワン店 藤谷 康輔 (モデル!?)
新宿東口店 伊藤 岳彦 (文・写真)
- 天候
- 晴
- コースタイム
- 西丹沢自然教室(35分)本棚沢出合(30分)F4倒木の滝(40分)F6赤岩の湧水滝(45分)畦ヶ丸登山道(60分)西丹沢自然教室
- コース状況
- ■ 本棚の高巻き道は明瞭
■ 水温やや低め
■ 西丹沢自然教室駐車場は平日でも混雑
■ 中川温泉ぶなの湯は受付17時まで(水曜休)
- 難易度
-
感想コメント
※本棚の登攀レポートではありませんので、ご容赦ください。高巻き中心の沢歩きです。
流量、落差ともに丹沢山地最大級の大滝「本棚(ほんたな)」を懐に抱く「西沢本棚沢」。
丹沢湖に注ぐ中川川の一支流で、周囲に急峻な谷を擁する畦ヶ丸(あぜがまる)の東面を流れる短いながらも豪快な渓として知られます。
落差70mを誇る「本棚」は丹沢三滝の一つで、登攀にこだわる滝ノボラーの方に古くから愛されています。
「早戸大滝」「遺言棚」に比べれば、誰でも容易に訪れることができ、畦ヶ丸へのハイキングの帰路に立ち寄ってみられた方も多いと思います。
「本棚」以外にも畦ヶ丸の周辺には大滝が目白押しで、東面には同じ西沢の下棚沢に「下棚(しもんたな)40m」、北面には盛夏の水遊びに最適なモロクボ沢に「モロクボ大滝30m」、さらに南面には大滝沢上流に「雨棚(あまんたな)」や「地獄棚」があり、西丹沢の沢登りを魅力あるものにしています。ちなみに「本棚沢」は檜洞丸の西面を流れる東沢の本流にも同名の沢があり、こちらも同じく難易度の高いルートとして滝ノボラーの方に親しまれています。
「本棚」の登攀はとてもではないが、滝見遊山的な沢登りを楽しみたいという方には、短い流程のなかに美瀑のエッセンスが凝縮された「西沢本棚沢」はワンデイ遡行として大変オススメです♪
高巻き中の滑落には十分注意すれば、初めての沢登りの方にもきっと楽しんでもらえることでしょう。
F4倒木の滝やF6赤岩の湧水滝も楽しく登ることができ、S字型ナメ滝に代表される流麗なナメ床には誰もが癒されます。直登が困難ならば全て巻くことも可能です。アプローチが大変便利で、比較的楽なツメと快適な登山道でサクッと下山できるのも嬉しいところです。
気温がぐんと上がった初夏のような一日、西丹沢での沢登りを堪能してきました。
西丹沢自然教室から快適な登山道を歩くこと40分程。本棚沢にかかる木橋の前で、沢靴に履き替えて入渓します。
遡るといきなり眼前に現れる巨滝「本棚」。畦ヶ丸登山道から僅かな距離なので、誰でも見ることができる分、神秘性には欠けますが、その堂々たる容姿は男性的で圧倒的な迫力があります。水量も豊富で、さすが丹沢最大と言われることだけのことはあります。
巻きは少し戻った右岸から。拍子抜けしてしまうほど明瞭な踏み跡があり、多くの方が訪れていることが分かりますが、ざれているので滑落には十分注意する必要があります。
右岸の小尾根まで登ってサクサク歩いていくと、いつの間にかF2とF3までも巻いてしまいます。
F3の先で沢は大きく右に曲がり、廊下上のナメ床を進んでいくと、F4倒木の滝10m直瀑が現れます。なぜこのような形で倒木が滝に架かっているのか、とても不思議ですが、倒木があるが故に美しく印象的な滝の姿を我々に見せてくれている気がします。巻きは右岸から。
一連の連瀑が終わると、しばらくは穏やかな渓相。苔の美しさがナメ床に映えます。S字型のナメ滝や傾斜のあるナメ滝が続き、この辺りは癒し系の遡行が満喫できるところ。新緑のなか陽の光を浴びながら清流と戯れると心が洗われるような気がします。
続くF5とF6赤岩の湧き水滝は楽しく登れる丁度良い小滝。水は冷たいですが、軽快に越えていくことができます。
F6の先で急激に水は少なくなり、この先は見所はありません。「えっ、もう終わりなの!?」という感じで靴を履き替え、左岸の斜面を強引にガンガンと登っていきます。傾斜はキツイですが、藪漕ぎではないのでどんどんと高度を上げることができます。ここは体力勝負。息を切らしながら空の見えるところを目指して枝尾根を辿っていくと、無事に登山道へ。新緑のなかに映えるつつじが優しく我々を迎えてくれました。
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