大無間山【南アルプス深南部】~超難関二百名山の圧倒的パワー~

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投稿者
好日山荘スタッフ
日程
2015年12月16日 (水)~2015年12月16日 (水)
メンバー
天候
曇りのち晴れ
コースタイム
諏訪神社鳥居(110分)小無間小屋(60分)崩壊地(35分)小無間山(80分)大無間山(60分)小無間山(70分)小無間小屋(80分)諏訪神社鳥居

GPS値 距離19.8km 累計標高2,240m(登りのみ)
※山と高原地図のコースタイムは14時間30分
コース状況
【諏訪神社~小無間小屋】
植林地が長い。そして広葉樹がで始めるとつづら折れのくせにもの凄い急な道になる。落葉も相まって下りが大変。
植林地にクマの糞があり。この暖かさなのでまだ活動しているでしょう。

【小無間小屋~小無間山】
P3~P1の小ピークはかなりやっかい。地図上だと3つですが、実際5つぐらいある感覚。崩落地に関して後述参照。小無間直下もかなりの急登。

【小無間山~大無間山】
いままで登ってきた道から一転、非常になだらか。大無間直下で一度急な場所あり。
山と高原地図で「迷」となっている中無間山では北に延びる尾根に迷いそうだが、ロープが張られているので明確。
もう一つの迷いは小さな二重稜線になっていて、稜線を渡ります。

雪が全然ありません!アイゼンもいりませんでした。
普通であればこの時期積雪があるので、さらに難関の山になります。
難易度
Google Map
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感想コメント

正直”超”難関でもないですが、尾根の崩壊が進んでいるため、いつ登れなくなるかわからない山です。山と高原地図【塩見・赤石・聖・】では崩壊のためルートが切られています。
浜松来てから池口岳とともに非常に行ってみたい山だったので、いろいろな情報がネットでも載っていますが、ようやく自分の目で現実を目の当りにしてきました。

大無間山(だいむげんさん)、知らない方の方が多いと思いますが、一応日本二百名山に指定されている山です。標高は2,329.3m、今回登ったルートより北側や西側がいわいる深南部に当たるバリエーションルートです。
そして今回登った田代集落にある諏訪神社からのピストンが最もポピュラーなルートですが、スタート地点の標高が約650m、距離は往復約20km、日帰りで行くには健脚向き、テントを背負って上がるにはタフ過ぎる急登のルートです。

この内容を見てくれている方はある程度「大無間山」という山に興味がある方だと思います。そして、一番興味があるのはP1と呼ばれるピークから小無間山までの崩落具合でしょう。私もこの状況を知りたく登りました。

トラロープが3本張られているので、ロープを頼りに行けば初心者や高所恐怖症の方以外でであればそこまで恐怖を感じないと思います。ただ、自分の加重で崩落をさらに悪化させかねない恐怖はすごいです。なので下りの方が通過は慎重になります。
小さな石の落石でも、雪だるま式で大きな崩落を招きかねません。なるべく落石させないようにしましょう。またロープに頼り過ぎてもテンション強く張られてるわけではないのでバランスを崩しやすくなります。

あと、植林地を抜けてから小無間山まではとにかく急で長い。私の経験ではNo.1でした。ただ長いだけのルートかと思っていたらあまりにも急登が長いので結構バテました。
やっとの思いで小無間小屋に着いたら今度はP3、P2、P1という小ピークにもかなり苦戦。これを往復やるのは正直萎えます。

小無間まであがってしまえば大無間までなだらかな稜線を行きます。正直拍子抜けなくら踏跡が明瞭です。意外と多くの登山者が入っているのでしょうか?

大無間の手前に光岳や聖岳など展望が良い場所もありますが、今回は曇天のため見えませんでした。
とにかく長くて、つらくて、危険な山です。それでも登り終わったあとの達成感は素晴らしいです。

助言できる立場ではないですが・・
日が短いこの時期に日帰りピストンするのはかなり賭けですし、崩壊地の通過はいつ山が崩れてもおかしくないので、できれば経験者の方とパーティーを組んで行く方がいいと思います。
ビビりなので撤退の判断は人より早い方ですが、ソロで入る高揚感が私は好きなので、辞められません 笑

フォトギャラリー

小無間から少し下ったところ(唐松谷の頭)から見る大無間山。残念ながら逆光。

田代の集落を抜けて諏訪神社の鳥居から登山開始。写真の左方面にわき水がある。

機能していない登山届ポスト。今回はコンパスで提出。

最初は植林地を行く。ビニールを巻くのは食害防止のため。ここまではなだらかな登山道。

全然伝わらないが、もの凄い急。

急登をやっと乗越えてP4と呼ばれる小無間小屋がある広場にたどり着く。ここがテン場適地。

小無間小屋。

小無間小屋の内部。

小屋で一息つくと今度はP3、P2、P1と連続エネルギー消耗弾が待ち構える。

P1下り途中から。隕石が当たったかのうような崩落地。このルートの核心部。左側を行きます。

両側崩壊し、尾根はもろく歩くと簡単に崩れる。手前にトラロープが3本ある。

何もない小無間山(2149.6m)。

唐松谷の頭と呼ばれる崩落地。この山は至るところ浸食が進んでいる。

同じ場所からの大無間。左に延びている尾根は大井川鐡道の有名な無人駅「尾盛駅」に繋がっている。

念願の大無間山。ソロで静かな山を楽しむのは最高!

小無間山と登ってきた尾根が右側に延びているのがよくわかる。

晴れてきて崩落地から安倍奥の山々が見えてきた。

安倍奥の北側、目立つのは笊が岳かな?

スタート後は暗くて気付かなかったが、登山ポストの奥に諏訪神社の社がありました。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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