真冬の西沢渓谷を歩いてみる (奥秩父)

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投稿者
伊藤 岳彦
横浜西口店 店舗詳細をみる
日程
2016年02月02日 (火)~
メンバー
単独行
天候
コースタイム
道の駅みとみ(45分)二股(90分)七ツ釜五段の滝(150分)ネトリ大橋(25分)道の駅みとみ
コース状況
本文をご参照ください
難易度
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西沢渓谷厳冬



Ⅰ.概要


国内屈指の渓谷美を誇る西沢渓谷
奥秩父の中央、国師ヶ岳や奥千丈岳を水源とする笛吹川上流部の景勝地で、その風光明媚な美しさは多くのハイカーを魅了します。
日本の滝百選にも選ばれている名瀑七ツ釜五段の滝を筆頭に、三重の滝・竜神の滝・恋糸の滝・貞泉の滝などさまざまな美瀑が織りなす渓谷美は、圧巻の一言。
日本登山体系では「かつて南アルプス南部の遠山川西沢と肩を並べて、そのスケールの大きさ、悪絶さを讃えられた核心部」と紹介されています。
滝以外にも瀞や奇岩、さらにシャクナゲの大群落など見所が満載で、訪れる者の眼を飽きさせることがありません。
深い原生林のなか巨大な花崗岩を清流が削ってできた景観は神秘的で、特に新緑や紅葉の時期はさらに際だった美しさを見せてくれます。
滝や淵が連続する渓谷にはトレッキングコースが整備され、無雪期ならば比較的軽装でもその素晴らしさを堪能することができます。
約9kmの周回コースはワンデイハイクに最適な4~5時間の行程。
前半は沢を眼下に見下ろしながら上流へと登っていき、後半は旧森林軌道である緩やかな山道をゆっくりと下るようになっています。



春から秋にかけてたくさんのハイカーが訪れる人気の渓谷も真冬に訪れる方は疎らです。
主に沢登りで人気のある東沢のようなバリエーション性はありませんが、雪に覆われた遊歩道をゆっくりと辿りながら、白銀世界に躍動する美瀑を巡るトレッキングは厳冬期ならではのもの。
強い寒波が到来しているときであれば、神秘的な氷瀑に出会うこともできそうです。
遊歩道はしっかりとしているので、ルートファインディングの要素はありませんが、雪山初級者の方がステップアップとして訪れるのにも適していると思われます。
トラバースが多くありますが、雪で足場がしっかりとしている積雪期の方がむしろ歩きやすいと言えるかもしれません。
首都圏では貴重とも言える渓谷トレッキングコースは、新緑や紅葉の時期だけでなく、積雪期ならではの美しさも魅惑的。
ピークハントとは趣の異なるスタイルで雪山登山を楽しむのも一興ではないでしょうか。
写真的にも素晴らしい素材がたくさんあるので、山岳写真愛好家の方にもオススメしたいところです。



Ⅱ.厳冬の西沢渓谷へ


1 往路 渓谷道

夜半まで雪が舞っていたものの当日朝は快晴で、冷え込みが緩んでいるためまるで春山を思わせる陽気でした。
やはり快晴だと無意識のうちにテンションが上がります。



【↑】 道の駅みとみからスタート

道の駅や国道にうっすらと積もっていた雪も帰るころには溶けていました。夏タイヤでも大丈夫そうです。



【↑】 林道にもそこそこの雪

林道にトレースはなく、鹿の足跡のみ。雪の状態が良いので、サクサクと進んでいけます。
結局今回ワカンはおろか、アイゼンさえ使用することはありませんでした。



【↑】 ネトリ広場のトイレは冬期閉鎖されています



【↑】 近丸新道入口の様子



【↑】 西沢山荘は現在閉鎖中です



【↑】 吊橋まで僅かな下り ここから登山道らしくなります



【↑】 吊橋へ ここにも鹿の足跡がありました



【↑】 東沢を望む



【↑】 ここが東沢方面の入口となります

かつては乙女ノ滝をはじめアイスクライミングのゲレンデとして盛況だった冬の東沢ですが、温暖化で滝が凍らないためか近年は訪れる方も稀のようです。



【↑】 沢を左下に見下ろしながら進みます



【↑】 大久保の滝 最初の大滝を滝見台より見下ろします



【↑】 三重の滝 立派な滝見台があります



【↑】 三重の滝下のゴルジュは迫力あります



【↑】 沢山のつららが迎えてくれます



【↑】 穏やかな渓相を見ながらゆっくりと進みます



【↑】 フグ岩 色々な奇岩があります



【↑】 ウナギ床 下まで降りてみました



【↑】 人面洞

雪があるとルートを外れて、水際まで簡単に近づくことができます。



【↑】 人面洞上の小滝



【↑】 水際を進んでいきます 

何となく危ないように見えますが、雪があるのでかえって歩きやすいのです。



【↑】 竜神の滝



【↑】 恋糸の滝 風流なネーミングです



【↑】 貞泉の滝が見えてきました

この辺りは高巻く感じでアップダウンがあります。



【↑】 貞泉の滝



【↑】 渓相が少しずつ深くなっていく気がします



【↑】 母胎淵



【↑】 カエル岩を横に見ながらさらに先へ



【↑】 方杖橋で右岸に移ります



【↑】 橋上から下流を見下ろします



【↑】 七ツ釜五段の滝 このルートのハイライトです



【↑】 とても見事な釜です



【↑】 不動滝 最後の滝です



【↑】 旧森林軌道に出るまで少し急登が続きます



【↑】 終点に広場とトイレがあります トイレは冬期使用不可です



【↑】 その先に黒金山登山道入口があります


2  復路 旧森林軌道

ひとまずトイレのある広場が終点となっており、帰りは旧森林軌道を辿ります。
この軌道(トロッコ)跡は昭和8年から昭和43年まで木材搬出のために利用されていたもの。
平坦なトラバースがずっと続いていくので、大変歩きやすいところです。



【↑】 軌道跡をのんびりと歩いていきます



【↑】 午後になって大分雲が出てきました



【↑】 再び七ツ釜五段の滝を見下ろすポイントがあります



【↑】 西沢上流部を振り返ります



【↑】 鶏冠山が立派に望めます



【↑】 大展望台で視界が開けます



【↑】 雁坂嶺など奥秩父主脈を望みます



【↑】 トロッコ軌道についての看板



【↑】 山の神 鈴が凍っていて鳴りませんでした



【↑】 最後は乾徳山林道を辿ります



【↑】 ネトリ大橋 周回で戻ってきました


西沢渓谷を訪れたのは初めてのことでしたが、まさに百聞は一見に如かず。
とても変化に富んだ景観は、次はどんなものが見えるのかという楽しみがあり、人気があるのも納得のルートでした。


Ⅲ.参考サイト


以下、参考となるサイトをご紹介致します。

山梨市による西沢渓谷紹介はこちらをご覧ください

西沢渓谷ガイドマップはこちらをご覧ください

公共機関バスの時刻表はこちらをご覧ください



※ HTMLを使用したレポート掲載については許可を得ております。

フォトギャラリー

七ツ釜五段の滝①

七ツ釜五段の滝②

七ツ釜五段の滝③

見事な釜です

大久保の滝

三重の滝

人面洞上の小滝

竜神の滝

恋糸の滝

貞泉の滝

不動滝

とても静かな冬の滝巡りができました

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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