雲ノ平周遊 澎湃岫雲はれるを知らず

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投稿者
戸田 竜也
アミュプラザみやざき・やま館店 店舗詳細をみる
日程
2016年07月28日 (木)~2016年07月29日 (金)
メンバー
姫路駅前店 戸田
天候
曇り
コースタイム
1日目
折立登山口→(105分)太郎平小屋→(70分)北ノ俣岳→(120分)黒部五郎分岐→(10分)黒部五郎岳→(5分)黒部五郎分岐→(70分)黒部五郎小舎

コースタイム:7時間
標準コースタイム:12時間
水平距離:26.1km
累積標高差:2230m

2日目
黒部五郎小舎→(60分)三俣蓮華岳→(25分)三俣小屋→(40分)鷲羽岳→(30分)ワリモ北分岐→(25分)水晶小屋→(20分)水晶岳→(40分)ワリモ北分岐→(30分)祖父岳→(35分)雲ノ平山荘→(80分)薬師沢小屋→(80分)太郎平小屋→(90分)折立登山口

コースタイム:9時間40分
標準コースタイム:18時間35分
水平距離:42.7km
累積標高差:2605m

※標準コースタイムは昭文社「山と高原地図」より。
※実際のコースタイムは休憩時間含む。
※水平距離・累積標高差はアイフォン計測なのでアバウト。
コース状況
有峰林道は気象条件が悪いと通行止めになります。
事前に調べてから行くことをお勧めします。
Google Map
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感想コメント

2年前に周ろうと思って悪天候のため断念したコース。
本当なら3泊4日でゆっくり行きたいとこですが1泊2日の強行軍テント泊です。
しかし、5:00ごろ有峰林道の入り口に着いてみると、前日の豪雨で林道が通行止め。他の山に切り替えようと近隣も調べてみましたがことごとく通行止め。
天気は回復してるから解除されるはずと信じて待つことにすると、6:00定刻に解除されました。諦めなくてよかったです。

さて今回もLight&Fastを貫きましたが、行程の長さを考慮して全体的に少し贅沢な装備に替えました。

替えたのは、
【マット】
エクスペド
エアマットライトUL5 M
軽くてフルレングスでかさ高。
パックライナー代わりに同じくエクスペドのシュノーズルポンプサックを持っていったので膨らますのも問題なし。

【寝袋】
AMK
エスケープヴィヴィ
前回のエスケープライトヴィヴィが胸元から冷気が入ってきていまいち暖かくならなかったのでフード付きのこちら。

【行動食】
味の素
アミノバイタル パーフェクトエネルギー×6
重いですが行程が長いので奮発。1つ180kcalなのでエネルギーとしてはまったく足りません。

ノーベル
男梅×2
ふつうの干し梅菓子の倍近い塩分。2袋40gで塩化ナトリウム4800mg含有。汗の成分である塩化カリウムも同時に摂取できるのがいいです。発汗量からすると2日間で4000mg程度摂る必要があったのでぴったり。強烈な塩っ辛さ。女子も食べてください。

【ヘッドランプ】
ペツル
ティカRXP
暗い中行動する時間が長くなるかと思いましたが2日目は寝坊し、ほぼ活躍せず。失敗。

【スタッフサック】
シートゥーサミット
ウルトラメッシュスタッフサック M
レインスーツ、インサレーション、マット、枕、着替えを専用のスタッフサックなしで丸ごと1つに収納。微々たるものですが軽量化。雨が降る確率がかなり低かったのでできたことです、念のため。


肝心の山のことを。
1日目。晴れのち曇り。
太郎平小屋から黒部五郎岳までが意外と遠く感じました。ハンガーノックが酷く後半ペースダウン。行動中はパーフェクトエネルギー×2、男梅15g、トレイルミックス50gほど。合計しても1000kcal未満。
黒部五郎岳はほとんどガスの中。男らしく姿を見せてほしかったです。
分岐でザックをデポしてピストンし、カールコースを下って黒部五郎小舎へ。
ガスが濃い場合は稜線コースの方がいいみたいですが、カールには氷河の置き土産、モレーン(堆石)があります。
つまりボルダー。
見ないわけにはいきません。
案の定、垂涎もののボルダーがゴロゴロしてました。クライミングシューズはともかく、マット担いで行ける場所ではないので目の保養程度ですが。
小舎に着いてまずしなければならないのは、テン場の受付と生ビールの注文です。
小屋での食料の補給は水以外ナシと決めて行きましたが、ビールは別腹。いつもならすぐに酔うのに、寝不足の空きっ腹に一気に流し込んでもあまり回りませんでした。ただおいしいだけ。不思議なもんです。
疲れていたので18時に就寝。

2日目。晴れのち曇り。
昨日の疲れか、1時間寝坊して4時起床。
ご飯を掻き込んでテント撤収して5時出発。
朝一だけ、全てが見渡せました。
昨日は隠れていた黒部五郎岳も、遠く笠ヶ岳も、ひときわ目立つ槍ヶ岳も、なだらかな薬師岳も。
恍惚の風景の中、三俣蓮華岳の頂上にはすぐ着きました。1日目の疲労はもはや感じません。
この山々を見たくて来たからです。

次は鷲羽岳。三俣山荘から直線的に突き上げる尾根を斜登高していきます。下からの眺めが鷲羽岳は最高にカッコいい。
頂上に着くころにはすっかりガスに覆われて視界が悪くなってしまいました。しかし気分は高揚したまま。かぼそく見える水晶岳を眺めながらタバコをふかす。

ワリモ北分岐で必要のないものだけデポして水晶岳へ。アップダウンが少ないから楽かと思ったら、頂上に近づくにつれ険しくなってきて楽しくなってきます。加藤文太郎が「山らしい山」と評した峻険英峰。
ガレガレの狭い頂上に着いて一服。
水晶は見つけられず。

ワリモ北分岐からさらに降りて憧れの雲ノ平へ。今回は通過するだけ。
祖父岳のピークで雷鳥3羽を見送り、木道へ合流。ここからしばらく穏やかな木道歩き。
たまらない。
雲ノ平山荘で一服してると、後から来た方が同じ兵庫から来てるとのことで、ひとしきり談話をたのしみました。「またどこかで」と言い別れました。先を急ぐ身を恨むこともあるものです。

薬師沢への下りに入り、どうにも気が滅入ります。傾斜が強く、暗い樹林帯の悪路。岩が苔むしていて何回も滑りました。登ってくる人もたいがいしんどいようで、すれ違う人ほぼ全員に「あとどれくらいで木道ですか…?」と聞かれたのが印象的でした。逆に私は「あとどれくらいで薬師沢ですか…?」と聞き返す。
沢に着いたら頭から水をかぶり、熱を下げました。
薬師沢小屋で休憩を取りたいのをこらえ、ちょっと立ち止まってまた歩き出す。
太郎平小屋までが最後の登り。最後の行動食、アミノバイタル1本を一気に流し込み、気合をいれました。ここまで来ると逆に立ち止まると辛い。

太郎平小屋に着いても足は止めず、折立まで下りを走りました。最後の500mでハイドレーションも底を尽き、山に持って入った食料・水は全て消費してフィニッシュ。出し切りました。

今回は行動食をけちったせいで1日目・2日目ともにかなりハンガーノックに悩まされました。1日1000kcalちょっとはしんどかったです。お陰でいいダイエットになりましたが。下山後の温泉で計ったら入山前から3kg減。
日付が変わる前に家に帰ることができて、ケガもなくよかったです。
今度はもっとゆっくり回ろう…。

フォトギャラリー

憧れの雲ノ平。

あやうくたどり着けなかった折立。

最初は飛ばして太郎兵衛平。まだガスは濃くありません。

たまらない景色。息が切れても顔が緩む。

黒部五郎岳はガスの中。

カールに下りてボルダー鑑賞。クライミングシューズ持って来るんだったか…。

黒部五郎小舎に着いたら一杯。このために生きてます。

アルファ米の袋にそのままドライフーズの親子丼を入れる。効率的です。

朝一の黒部五郎岳。男前じゃないですか。

笠ヶ岳も見えました。次はあれ登ろう。

三俣蓮華岳の頂上から槍。あそこまで行くにはもう1日くらい必要かなぁ。

三俣山荘に下りて、

仰ぐ鷲羽岳。仰観が映える山。

この時点でガスに巻かれてます。そして超逆光。

ワリモ北分岐で荷物をデポ。黄色いのです。

水晶小屋を過ぎれば、

水晶岳。かっこいい山でした。

雲ノ平の長い木道と、険悪な下りをこなして薬師沢小屋。この吊り橋怖い。

最後の誘惑。「休んでいきな?」感が凄まじい。

戻ってきました太郎平小屋。あとは一気に下るだけ。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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