沢登り(比良、貫井谷<ぬくいだに>)

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投稿者
好日山荘スタッフ
日程
2016年10月02日 (日)~2016年10月02日 (日)
メンバー
天候
曇り時々晴れ
コースタイム
貫井谷出合-(15分)-堰堤-(25分)-500m地点二俣-(170分)-925m地点二俣-
(40分)-武奈ヶ岳山頂-(1分)-細川尾根分岐-(90分)-葛川細川集落-(15分)-
貫井谷出合
コース状況
沢との出合は分かりやすいと思います。国道367号線が沢をまたいでおり、その橋に「貫井橋」と書いてあれば、それが貫井谷です。

出合から入渓点となる堰堤まで15分ほどですが、滑りやすい草付きの急斜面なども出てくるので、足元に注意が必要です。また、この間にヒルが5匹以上、靴にくっついていました。堰堤に着いた時に気付き、すぐに指はじきと「昼下がりのジョニー」で対処したので、血は吸われませんでした。また、この区間以外ではヒルが付くこともなかったと思いますが、ジョニーは持っていった方が無難でしょう。

沢は、全体的に急峻なコースで、滝だらけ。しかも、やや難しい滝が多いので、単独の場合は無理に滝を直登せず、巻ける所は巻いた方がいいでしょう。ただ、ゴルジュの中は、両サイドが岩壁になっているため、滝を巻くこともできません。そこの滝が登れないと、進退窮まってしまうので、初心者だけの入渓は控えた方がよさそうです。岩もよく滑るので、行動は慎重に。また、パーティーの場合は、できるだけロープを使って安全を確保した方がいいでしょう。

源頭部から稜線までは程近く、ヤブこぎもほとんどありませんでした。詰めに関しては、かなり快適だと言えます。稜線に出てからも、ほんの一投足で武奈ヶ岳山頂に着きました。

下山には細川尾根をたどって降りました。昭文社の「山と高原地図」には道が載っていませんが、実際には道があり、木にテープが貼ってあるので、おおよそのルートはたどれると思います。ただし、下の方は踏み跡がやや不明瞭な箇所があるので、コンパスで方向を確認しながら、テープをしっかり拾っていく必要があります。また、中間部辺りが急になっていて膝に堪えるので、ストックも1本あるといいでしょう。
難易度
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感想コメント

個人的に好きな滋賀県の比良山系。特に、武奈ヶ岳付近は年に何回か足を運び、季節を問わず登っています。

ここ最近は、沢登りでもこのエリアに入るようになりました。そして、この貫井谷は、武奈ヶ岳に直接突き上げる沢であり、しかも僕の好きな滝登りもたくさんあるということで、今回、挑戦してみることに。

実際に登ってみると、滝、また滝の連続で息をつく暇もなく、楽しいことこの上なし!ただ、1ヶ月山に登っていなかったので、ちょっとくたびれましたが。それに、結構難しい滝が多く、今回は単独ですし、万が一落ちてもいけないので、頑張れば行けそうに見える滝でも、巻ける滝はいくつか巻いてしまいました。なお、斜面も草付きの泥の急斜面で、手がかりも少なく、足元も不安定なので、巻きにも慎重さが求められます。
また、ゴルジュ帯の中の滝は巻くこともできず、やや手強そうな滝でも直登せざるをえず、滝の弱点を見つけるまで、通過にだいぶ時間がかかってしまいました。

どうにか源頭部まで詰めると、ヤブこぎらしいヤブこぎもなく、稜線はすぐそこ。茂みを飛び出すと、いつも見る穏やかな武奈ヶ岳山頂が、優しく僕を出迎えてくれました。・・・もちろん僕だけではなく、他の多くの登山者の方々も出迎えられたようで、山頂は大勢の人で賑わっていました。前後の日にちの天気が悪く、貴重な晴れ間をみなさん狙ってきたのでしょう(僕は滋賀県にもう一日滞在しましたが、案の定、翌日は雨でした)。雲が多くて琵琶湖はほとんど見えませんでしたが、それでも十分な展望。9月は雨で山に全く行けなかったので、僕も今日ここに来て本当によかったと思いました。

裏比良で、一番手強い沢と言われている貫井谷。話に聞いた通り、谷全体が一本の滝のような谷で、決して易しくはありませんでしたが、美しい滝や水の流れと戯れることができ、充足感に満たされました。また、好きな武奈ヶ岳に、新たなアプローチの活路を見出すことができ、とても満足のいく山行でした。

フォトギャラリー

貫井谷出合。沢の右側を登っていきます。

15分ほどで、巨大な堰堤に着きます。ここで沢装備に着替えて入渓です。

500m地点二俣です。左俣に入っていきます。

すぐに快適な滝登りが始まります。

左側から水流が合わさりますが、滝は見当たりません。右の本流を進みます。

この滝はきわどかったので、右側から巻きました。

大小様々な水の流れが谷間を縫っていきます。緑とのコントラストに癒されます。

滝ばっかり。しかも、登るのに手ごたえがある滝が多いです。

第一ゴルジュ抜け口の8m滝?左の隅を攻めたら、上の方で行き詰まりました。弱点は途中まで真ん中、上部は右側でした。ここは両サイドが岩壁で、巻くこともできません。

両側の岩は、ツルツルと本当によく滑ります。流芯の中の方が登りやすいことも多いです。

925m地点二俣です。ここは、水量が多い右俣をとりました。

徐々に水量が少なくなってくると・・・

ついに水の流れが消え、源流部へ。深いヤブもなく、稜線はもうすぐそこです。

稜線に出ると、武奈ヶ岳山頂は目と鼻の先でした。あぁ、いつものように、山頂のボディーラインが柔らかい。

ここの山頂は何回も踏んでいますが、沢登りで踏んだのは初めてです。感動もひとしお。

雲は多いが、及第点の天気に登山者も多かったです。ここはやっぱりいい山ですよね、みなさん。

山頂から釣瓶岳方面へ下ると、1分ほどで細川尾根分岐に着きます。一般ルートは分岐の右をとりますが、今回はロープが張ってある左の細川尾根へのルートへ入っていきます。

上部は踏み跡も比較的明瞭で、テープも拾いやすいです。

ぐんぐんと高度を下げ、手入れされた植林帯の付近まで来ると、麓の細川集落は近い。

集落に入り、国道367号線に出ました。あとは駐車場所まで戻るだけです。お疲れ様でした!

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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