涸沢でまったり雪見テント泊

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投稿者
るんちゃん(おとな女子登山部)
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日程
2018年10月19日 (金)~2018年10月20日 (土)
メンバー
銀座店 西山
天候
【1日目】晴→雪【2日目】晴→雨
コースタイム
【1日目】上高地バスターミナル(45分)明神館(45分)徳澤園(60分)横尾山荘(45分)本谷橋(90分)涸沢ヒュッテ

【2日目】涸沢ヒュッテ(50分)本谷橋(30分)横尾山荘(50分)徳澤園(45分)明神館(10分)穂高神社(70分)河童橋(10分)小梨平(10分)上高地バスターミナル
コース状況
・涸沢では雪が降りました。奥穂・北穂目指す場合はアイゼンあった方が良さそうです。
・涸沢ヒュッテ、涸沢小屋共に営業11月3日まで。小屋閉め作業始まってました。テント受付はヒュッテにて幕営料1000円。
難易度
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感想コメント

 涸沢といえば、思い浮かぶのは紅葉の圏谷。山登りの魅力にはまってしまった誰もが憧れを抱く聖地。恥ずかしながら一度も訪れたことがなかったので、最盛過ぎた静かな時期に訪ねてみました。上高地から横尾経由で歩くのも初めてなので、涸沢好きのスタッフと共に寄り道がてら登ってきました。

 稜線はこの日雪予報。河童橋から見上げる穂高も晩秋の雰囲気。黄色いカラマツ林と梓川の清流、上高地らしい秋の景色を眺めながら横尾までの長い林道を歩き出しました。噂に聞いていた長ーい林道もお喋りして行けばあっという間。横尾山荘でお茶を沸かして、持参したチーズケーキを食べながらのんびり進みました。日差しがあっても立ち止まるとかなり寒いので本谷橋まではメリノにフリース着用、橋から上はガレ場の登りで汗をかいたので、フリースの代わりにウインドシェルを着ました。北穂の岩稜と下部のカールが見える度に期待を膨らませ、葉の落ちたなまっ白いダケカンバと、茶色いナナカマドで渋く彩られた横尾谷をテンポよく登っていくと、遂に憧れの涸沢カール。赤や黄色が無い代わりに、少し雪化粧した圏谷内は純銀のように輝きを放っていました。

 天気が崩れないうちに早速テントを設営。ペグが打てないので岩を利用して張り綱を固定します。なんだか積み木ならぬ積み石をしている気分。時々岩に手を挟んで悶絶しながらなんとか完成。よし、寝床もできたしちょっくら奥穂にでも…という気分にはならずフラフラ~とおでんの匂いのする方向へ勝手に足が動いて行ってしまいました。そう、涸沢ヒュッテ名物のおでん、これを食べずに何とする。ということで暖かい室内で、大きなジャガイモの入ったおでんを頬張り、甘酒でくいっとやり、持参したお菓子まで開け始めました。すると雷と共に雪が舞ってきて気付けば外は一面の銀世界。フライも真っ白になり、マイテントを一瞬見失うほどでした。お腹もいっぱい、お喋りもたくさんしたし、とにかく眠い。もうやることもないし夕食まで一眠りすることにしました。
 目を覚ますと辺りは薄暗くいつのまにか夕飯の時間に。おでん食べたのに夕飯もきっちり消費します。今夜は極寒かと警戒していましたが、いつの間にか雪は解け外には煌々と月が輝いていました。食後のコーヒーを飲みながら、眠くなるまで月に照らされた穂高の稜線を眺めていました。

 翌日外が何やら騒がしい。時計を見ると時刻は5時半、ちょいと寝坊。換気孔から覗いてみるとモルゲンが始まりかけていました。慌てて外に出てスタンバイ。涸沢に雪が降った様子はなく、テントはフライが結露で凍っているだけ。見上げた穂高連峰は昨日より白く、アイゼンが必要な様相でした。カールが美しい薔薇色に染まる瞬間を堪能しつつ、ゆるゆるとお茶を飲みながら朝食の準備。一人、また一人と軽装の登山者が穂高に向かって行くのがちょっと心配でしたが、私達にも今日は上高地贅沢プランが待っています。徳澤園でランチして、穂高神社でお参りして、小梨平で汗を流して…楽しいことを想像しながら足元だけは注意して下りました。
 
 そしてこの旅一番の奇跡が。Sガレを通過してもう少しで本谷橋というところで、前方から猛スピードの集団。ガタイの良い、きれいに日焼けした坊主頭のあの人がこちらに向かってきました。「こんにちはー」と挨拶をした瞬間に陽希さんだと確信し立ち止まって振り返ると、私のただならぬ熱い視線を感じ取ったのか、カーブのところで顔をこちらに向けてくれました。すかさず必死に手を振ると、なんと手を振り返してくれたではありませんか!良い言葉が見つからず「頑張ってください!」とありきたりな声援を送ると「ありがとうございます!」という返事が。なんという神対応。ほんの一瞬の出来事でしたが、とても素晴らしい瞬間に立ち会えた気がします。

 横尾で雨が本降りに、穂高は完全に雪に変わりました。それでも楽しい上高地旅、もう一泊して帰りたいと思いました。カフェで地図を見返すと、横尾本谷、ジャンダルム、冬の釜トンネル、徳澤園に嘉門次小屋・・・挑戦してみたいルートや泊まってみたい宿がたくさん。上高地からは多彩なコースが延びていて大勢の人が訪れるのも納得です。残雪の涸沢もぜひ訪ねてみたいです。

フォトギャラリー

涸沢カールに朝が来た。

朝靄の明神岳。

カラマツの黄色が美しい。

目を引く屏風岩。

もうすぐ到着。

涸沢じゃなくて枯沢?

寝床完成。

おでん!

ジャガイモと同じ色のシェルを着ています。

今夜大丈夫かしら?と一瞬不安になる。

涸沢小屋に灯りが灯る。

月がキレイでした。

翌朝。昨日より白い!

モルゲン劇場。

ヒュッテでお土産買いました。オーナーさんが描いたかわいい地図。

パノラマコースからの涸沢。朝から小屋仕舞い工事で大忙し。

ちょっと北穂の入口まで。防風性の高いミレーのティフォンパンツの下に150のメリノタイツを重ねています。

北尾根を見上げて、さあて帰りますか。

徳澤園のカレー!

シナモンコーヒーソフトですっかり体が冷えちゃった!

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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