高妻山~コテンパンにされた軟弱者(長野県)~
- 投稿者
-
浅見 直紀
さいか屋藤沢店
- 日程
- 2019年08月26日 (月)~2019年08月26日 (月)
- メンバー
- 天候
- 晴れ
- コースタイム
- 登山者用無料駐車 →(110分)→ 一不動避難小屋 →(60分)→ 六弥勒 →(110分)→ 高妻山山頂 →(70分)→ 六弥勒 →(75分)→ 戸隠牧場 →(25分)→ 登山者用無料駐車
- コース状況
- 戸隠牧場・・・案内板を見落とさないように
牧柵~一不動・・・上部まで渡渉を繰り返して登るのでスリップ注意
一不動~山頂・・・九勢至から急激に傾斜が増す&段差大きい
六弥勒~戸隠牧場・・・多少登り返しがあるが、基本的にずっっと急坂の下り。膝ダメージ注意
- 難易度
感想コメント
戸隠。蕎麦で有名だ。山で言えば「蟻の戸渡」で有名な戸隠山のある場所だ。
何故か高妻山の名は出てこない。高妻山に行って来ると言って、さて場所は?となった時、目が「?」になった人が圧倒的に多い。というか、一発でピンと来た人が皆無だった。不思議である。日本百名山なのに。ちなみに戸隠山は200名山。
前日の仕事上がりで一時帰宅した後、そのまま車を飛ばして戸隠キャンプ場へ。約一時間も仮眠すれば出発の時間だ。ヘッドランプを使う時間に登るのは久しぶりなので楽しい。気温は12℃。空には星が瞬いている。素晴らしいコンディションだ。
ワタクシの内臓を除いて。
あのですね、朝飯をパクついてからモタれている感じなのですよ。加えて久しぶりの登山に興奮したのか、眠りは浅く、気分とは裏腹に体は重かった。三ヶ月ぶりだし、歩けば治るべ、とか言い聞かせてスタート。登山届を管理棟で出して、牧場を北西に突っ切るイメージで進む。途中の道の上で寝ている牛との遭遇があって若干怖かった(柵があると無いとではプレッシャーが雲泥の差だ)。
と、そうこうしているうちに最初の渡渉が出現。これは水嵩が増したらコトだぜとか思いながらピョンピョン進む。2日前まで大雨だったが、影響は出ていないみたいで良かった。この分なら問題無さそうだな。
とか思って居た自分に往復ビンタを見舞ってやりたい。
沢を渡り切ってすぐのこと。粘土質の土に沢の水が思い切り蓄えられていて、一瞬にして足首から下が埋もれた。思わず「・・・・・」と渋い顔になる。その上、殆ど沢の中を進むようなルート状況になり、しかも傾斜と水嵩も増した。そんな感じの道が延々と続くのだ。悪態を吐きそうになる頃、滑滝が現れた。ステップがあるものの、水でかなり濡れていて滑るので、遠慮なく鎖を掴む。楽しいことは何事もすぐに過ぎてしまうもので、あっという間だった。ヒィヒィ言いながら進むと、帯岩が出現。細い道をトラバースして、
一気に斜度が増しただと!?
想定以上に息が上がり、オーバーヒート気味になってしまったので意識的に休憩。続々と後続に抜かされていくが、皆様もの凄いスピードだ。ここまでコースタイムを40分程割ったが、ワタクシなんて比じゃない。それでいて走っている訳ではない。見ていたら寒さとは別の意味で震えだしたので、体育座りして現実逃避。「あれは天狗。あれは天狗。自分は人間。自分は人間・・・・・」
一不動からグンと高度を上げて、夢中で歩いて六弥勒へ。辛くなってきたので、ストックを取り出してみる。五地蔵山の山頂は写真だけ取ってスルー。身体をアミノバイタル漬けにしないとヤッテラレナイ。疲労が抜けず、自分らしからぬ写真を撮ったりして(クマみたいに見えたので、えぇ)気分転換を図った。
アップダウンを繰り返して、漸く九至勢に。おおぅ、見える!ワタシにも見えるぞ!プリンの様な山体が!と同時に、目に見えて急傾斜なルートも丸見えなので閉口する。高妻山の別名は「戸隠富士」。ここだけ見れば納得の別名だ。
さて、気を取り直して出発。お?意外と大丈夫だな~。とか思っていたら、いきなり、本当に突然壁が現れた。
はぇ?
思わず声に出していた。変わり過ぎじゃないですかね、高妻さんよ。補助ロープだらけ。あまりの急傾斜にストックが邪魔に思える。かと言って収納するような余裕ある立ちスペースは既にない。何ナノ、ココ!?
歯を食いしばり始めたころ、十阿弥陀に到着。ここから山頂までは目と鼻の先。しかしゴロゴロの大岩で歩きにくいので、山に「ステイ!」ってされている気分だ。
ともあれ到着。抜かして行った人達が早くも撤収ムーブを取っている。バーナーを収納していたことから、相当早くに着いた模様。インタビューしてみた。「ずいぶん速いですね?」「午後から用事があるので」
まさかの朝活!自分にはM・U・R・I。超人や鉄人の登る山だったのか・・(そんな訳は無い、という反語)。
菓子パンを口に詰め込んで、早速下山。午後になると帰るのがダルイですし?
行きが急なら帰りも急なのは当たり前で、非常に膝にクる。九勢至に戻ると一息つけるが、アップダウンが地味にキツイ。六弥勒に戻って永めに休憩する。さて、ここから弥勒尾根の下山だ。いきなり急坂でビックリした。しかもずっと。それはもうずっと。しかも粘土質の土が滑る滑る。だが下りが得意なワタクシは、漸く水を得た魚。グングン下って、ちょっと平坦になったと思ったらもっと急坂になったりもしたが、気付けば最後の渡渉箇所。これを渡れば牧場に飛び出す。
泥まみれの靴を少し沢で洗ってから、牧場にお邪魔した。少し行った箇所に増水時のエスケープルートがあり、そこで沢が牧場を一瞬横切っているので更に洗う。良い塩梅の水でびしょ濡れになった感が否めないが、火照った体には良いかも。
後は牧場を20分も歩けば駐車場だ。丁度お帰りの時間なのか、車と沢山すれ違って排ガスのニオイを嗅いだ時に下山した実感が持てた。何とか生きて帰れたか・・。
久しぶりの、しかもソロの山行だったので思い切り満喫出来た。日帰りの山の中では断トツにキツイ山だったが、それもまた良いと思える。楽しかった!
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