尾瀬の美渓 中ノ岐川北岐沢探勝 ~ 大滝までの前半部遡下降(片品川源流)

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投稿者
伊藤 岳彦
横浜西口店 店舗詳細をみる
日程
2020年08月05日 (水)~2020年08月05日 (水)
メンバー
単独行
天候
晴時々曇
コースタイム
大清水(80分)北岐沢入渓点(80分)大滝(60分)入渓点(70分)大清水
コース状況
※ 本文をご参照ください
難易度
Google Map
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感想コメント





北岐沢探勝



尾瀬沼への玄関口大清水からすぐに奥鬼怒林道に入ると、そこはもう「誰もいない尾瀬」。
静かな片品川源流域は沢登り初級ルートが多く、ナメ床と瀑流帯が広がる水量豊富なとても静かな世界です。
その本流と目されるのが中ノ岐川北岐きたまた沢。
今回は体慣らしのためにハイライトの大滝を訪れてみました。
日帰り遡下降による北岐沢前半部の探勝にすぎないものですが、癒しの渓谷美をご覧いただければ幸いです。




 ↑ 右の奥鬼怒林道へ

大清水から歩き出すとすぐに分岐となり、右の奥鬼怒林道に入ります。
尾瀬沼へ向かうハイカーで賑わう世界とのギャップが激しく、いきなり山奥へ放り出されたような不思議な感覚に包まれます。
よく整備された林道を黙々と歩くこと80分ほどで北岐沢入渓点へ。


 ↑ この辺りが入渓点

林道が大きく右にカーブする地点なので、見落とすことはありません。
入渓点の目印は特になし。ガードレールを乗り越えて、数m突き進むと枝沢が現れるので、これを下降して北岐沢へ降り立ちます。
因みにもしベースキャンプを張るならば、北岐沢と東岐沢の出合付近が最適。
中ノ岐川左岸に幕営適地があるので、そこをベースに遡行プランを立てることもできそうです。



利根川水系片品川は大清水より中ノ岐川と名を変え、源流部は北岐沢と東岐沢に分かれます。
地形的には、帝釈山脈の西部、黒岩山から奥鬼怒山、物見山、燕巣山を経て四郎岳に至る稜線より西側の山域ですが、「尾瀬の東端」と捉えた方がイメージしやすいかもしれません。
今回訪れた北岐沢は片品川の本流と目される尾瀬を代表する美渓。
下流に豪快な滝、中流にナメ床、上流に湿原がある変化に富んだ渓相で、水量も豊富で静かな沢登りが堪能できます。
通常北岐沢遡行はガイド本では中流部のビバークによる1泊2日で紹介されていますが、健脚の方は北岐沢遡行→ブナ沢下降による日帰りで周遊される方も多いようです。



さて、久々に遡行開始!


 ↑ 北岐沢に降り立ちました

最初は穏やかな渓相ですが、朝の光を浴びながら水量豊富な渓を歩き出すと、コロナ禍で何もかも狂ってしまった世界のなか、本来自分があるべき姿に戻ったような気にさせられます。

















やがて最初の滝らしい滝が見えてきました。


 ↑ 滝らしい滝が見えてきました


 ↑ 大釜をもった6m滝

6m滝は直登できそうですが、釜が深いので右から巻きました。


 ↑ 巻きは右から

さらに進むと、また大きな滝が見えてきました。


 ↑ 5m2条滝


 ↑ 水量豊富です


 ↑ 右を登りました


 ↑ 滝上より

ここから暫くはまた穏やかな渓相。







やがて現れる7m滝。




 ↑ 顕著な7m滝

ここは全身水に浸かってへつり、左壁へ。

 ↑ ここをへつります


 ↑ 左壁の登りは容易


 ↑ 滝上より

沢中泊の場合、幕営装備を担いでここをへつるのはいやだな、と思ってしまいましたが、帰りは右岸の枝沢を下降できることが分かり、無理にへつらずとも、枝沢を使えば濡れずに越えられることが分かりました。


 ↑ 右岸の枝沢

続いて現れるのが4段10m滝。小粒ながら立派な滝です。




 ↑ 4段10m滝


 ↑ 左壁の様子


 ↑ 水流左を直登


 ↑ 登りながら


 ↑ 滝上より

ここからはまたナメ床のある穏やかな渓相に。












 ↑ 途中右岸に特徴的な30m壁






 ↑ 何やら大きな瀑音が聞こえてきました

ここで廊下となり、本日のハイライト15m大滝が現れます。




 ↑ 15m大滝

名のない大滝ですが、迫力は十分。久しぶりに自然の素晴らしさを感じることができした。
今回はここが目的地。ここまでのんびり1時間半ほどの遡行でした。
しかしさすがゴルジュ内の大滝だけあって飛沫がすごく、正面に立っているだけですぐに体が冷えてしまうので、すぐに退散。
因みに高巻きのセオリーは廊下の入口からの左岸巻きです。


 ↑ ここを高巻くのかな

本来なら北岐沢遡行はここから中流部となり、まだまだ癒しの渓が続いていきますが、今日は体慣らしなのでここまで。
自分の体がいつも通り動くことを確認できて、何だかホッとしました。
今年は山に行きづらい雰囲気ですが、目標をしっかりともって自分らしい沢旅をしたいと思っています。


 ↑ のんびり往路を辿ります



フォトギャラリー

北岐沢は尾瀬を代表する美渓です

朝の光射し込む入渓点

序盤は穏やかな渓相です

最初の滝らしい滝は6m滝

2条5m滝

7m滝

ここをへつります

4段10m滝

水流左を登ります

ハイライトの15m滝 ものすごい飛沫です

大滝の高巻きはこの辺りでしょう

やっぱり夏は沢ですね

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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