秋冷が身に沁みる 鶏冠山
- 投稿者
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るんちゃん(おとな女子登山部)
浦和パルコ店
- 日程
- 2020年10月25日 (日)~2020年10月25日 (日)
- メンバー
- 山友6名
- 天候
- 晴れ
- コースタイム
- 西沢渓谷駐車場(20分)トイレ(30分)渡渉点(120分)第一岩峰のコル(40分)第一岩峰(20分)第二岩峰(20分)第三岩峰(15分)第二岩峰(15分)第一岩峰(30分)第一岩峰のコル(90分)渡渉点(30分)トイレ(20分)駐車場
- コース状況
- ・今回の水量は膝程度。水はかなり冷たいです。靴下は冷えから守ってくれるウールが断然おすすめ。ドボンしたときの替えがあると安心。渡渉の水量は降雨後だけでなく、季節によっても大きく変わります。腰まで浸かることもあれば飛び石で行けるときもあります。ストックあれば転倒防止に役立ちます。
・鎖場は新しい鎖が付いていてホールド、スタンスたくさんあるので登りやすいです。第三岩峰は登っていませんが、左から取り付けそうな様子。後続パーティーはロープで確保しながら登っていました。巻き道あるので無理は禁物。
・第一岩峰のコル~第一岩峰間、赤テープ不明瞭な箇所がいくつかあります。落ち着いて地図と周りを慎重に確認すれば突破できます。
- 難易度
感想コメント
一昨年、甲武信に登ってからずっと気になっていた鶏冠(とさか)山。鶏冠のようなギザギザが魅力的な岩山なのですが、渡渉あり、ルーファイあり、藪漕ぎもあるかも?と二の足を踏む要素満載でいつしか存在を忘れかけていました。そこへたまたま友達の友達からお誘いのメールをいただいたので、渡りに舟とばかりに飛び付くと、岩稜好きの参加希望者がいつの間にか大集合し、大所帯でワイワイ出かけることになりました。
人数が多くコースも長めなので出発はまだ暗い朝5時。放射冷却で朝のうちはかなり冷え込みましたが、吊り橋を渡る頃には暖かさが戻ってきていました。
今回のコースの一番の核心は笛吹川の渡渉。東沢と鶏冠谷に枝分かれする場所が渡渉点となります。横着な私はできれば靴を脱がずに行きたい考えでしたが、どの箇所も難しそう。諦めて背筋が凍りそうなほど冷たい川に素足で踏み出しました。その冷たさは雪山の凍傷一歩手前の感覚に似ており、一分でも余計に浸かっていたら確実に低体温症になっていたと思います。
核心が終わって次は急な尾根のだらだら登り。寝不足なので登りでも眠気が襲ってくる始末。景色が開けて左手からきれいな三角の乾徳山が見えてきた頃、漸く目が覚めました。
岩場はまだ先ですが、ロープが張られ落ち葉に覆われた嫌らしい崖やへつりが次々に出現。それらを乗り越えると第一岩峰のコル(チンネのコル)へ、ここからいよいよ岩場の始まりとなるのでヘルメットを装着します。登る前はびびっていたのですが、鎖もしっかりしてるし岩も欲しいところに手がかり、足がかりがあるので軽快に登れました。何より快晴の素晴らしいお天気。白い岩肌に赤や黄色、緑が彩りを添え、この上ない絶景を味わえます。
第一、第二と順調にこなし、第三岩峰へ。ここは今までと違い鎖が見当たりません。フレークや左のカンテを利用して登れそうでしたが皆パス。私もパスして右下の迂回ルートを進みました。迂回コースは、第三岩峰の尾根の右下を巻くようにつけられた滑りやすい樹林の道。高度感はありませんが慎重に進まないと滑落の危険があります。
登りきると、北側の鶏冠山本峰と木賊山へ向かう分岐にぶつかります。ここを南に進んで第三岩峰の頂上へ。今回はここが頂上です。狭いながら爽快な眺めが楽しめ、富士山も拝むことが出来ました。ここでお昼の大休止。私は身軽な格好で来ましたが、他のメンバーは30~40Lの中型ザック。何が入ってるのかと思えば、中から次々に出てくるご馳走の数々、お言葉に甘えありがたく頂戴しました。大きなザックで険しい山に登り、山頂で食事を楽しむ―これこそ余裕のあるベテラン山屋の姿。最近は軽量化ばかりに気をとられていて、こういった楽しみ方を忘れていました。たまには優雅な山行も楽しみたいものです。
満腹状態で下山したので、緊張する岩場を下りきると再び眠気が襲ってきました。下りの尾根の長いこと長いこと、午後の日差しがちょうどよく木の間から差し込み眠さに拍車がかかります。しかし、やはり渡渉の水の冷たさですっかり目が覚めました。
下山後は最も近い笛吹の湯へ。道の駅にも立ち寄り順調な帰り道でしたが、まさかというかやはりというか高速で大渋滞に遭遇、自宅に着いたのは日付の変わる5分前でした。秋の行楽シーズンの中央道は、コロナ禍でも相変わらずということが身に沁みました。
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・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。