冬の鈴鹿・鎌尾根

鎌ヶ岳（かまがたけ・1161ｍ）は関西百名山・鈴鹿セブンマウンテンの一つで、鈴鹿の中では最もアルペン的な容姿をもった山で鈴鹿のマッターホルンと呼ばれ、人気が高いです。冬季は鈴鹿スカイラインが通行止になり、夏と違い、湯の山温泉から、もしくは宮妻峡からアプローチします。
鎌尾根は水沢岳～鎌ヶ岳間の2kmの間に7つほどの小ピークがあるヤセ尾根を指しますが、鈴鹿主稜線なので鎖場や標識ももちろんあります。
この時期の宮妻峡は４回目になりますが、今年は雪が多いと予想してましたが、過去に比べて最も雪が少ない様相で楽々、登山口まで車で入りました。
今日は鎌尾根がメインになりますので初めて左廻りになりますが、林道もほとんど雪がなく難なく水沢峠登山口へ。
登山道にはさすがに雪がありますが、トレースも残され、そこでもスイスイと水沢峠へあっけなく到着。水沢峠は鈴鹿特有の狭い峠で前後は細いザレた登山道になっています。主稜線に出るとさすがに強風で一気に体温が下がります。前方に見えるであろう鎌ヶ岳はガスの中で天候回復の兆しはありそうです。
特徴のない水沢岳からまずはきのこ岩ですが、途中までは細い凍結した登山道でここはアイゼンが欲しい所、その先は岩を横断する箇所は雪が全くなく、ザレ場が続きます。
五峰までしばらくは太い稜線ですが、三重側は切れています。この五峰から正面に見えるいかつい岩峰が鎌尾根の本番ですが、本来ならナイフリッジになるであろう箇所も雪が少なくそんな気配もありません。衝立岩の看板がある箇所は滋賀側を一旦下り、岩場の基部に付いた鎖場沿いをトラバース気味に登ります。ここも雪が多いと鎖場が埋まり、凍結したルンゼになるのでしょうが、鎖場が出ていて、全く問題ありません。この先はさらに尾根が細くなりますが今回はナイフリッジにもならず、余裕で正面に鎌ヶ岳と御在所岳を見ながら進めました。
最後の一峰までくると先端手前のマーキング部分から三重側に下降した後に岩場の基部をトラバースします。2019年に来た時に偵察しておいたのですぐにわかりましたが、下りは尾根通しでは無理があり、滋賀側は雪壁で知らないと迷う所です。2019年の時は鎖場は埋まっていて、嫌なトラバースでしたが、今回は鎖場が出ており、すぐにわかりました。
岳峠まで下りましたが、今年は雪が少なく、ラッセルなしで半分夏道で鎌ヶ岳に登頂。
この頃には快晴で辿ってきた鎌尾根をしっかり拝めました。
ここからカズラ谷登山道はさすがに雪山4回目となると勝手知ったる登山道ですが、やっぱり４回目にして一番雪が少ない日でした。あんなにラッセルで苦労した過去２回は何だったのかと思い巡らせました。
鎌尾根は少し物足りないような気がしましたが、かっこいい南側からの鎌ヶ岳の姿を見ながらの登山道はお気に入りです。