香川県 小豆島 赤嶽の岩場

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投稿者
戸田 竜也
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日程
2023年03月27日 (月)~2023年03月29日 (水)
メンバー
高知大丸店 戸田
本社 圡方
GRAVITY RESEARCH サンガスタジアム by KYOCERA 平嶋
天候
晴れ
コースタイム
【アクセス】
《フェリー》
①高松港⇔土庄港 (小豆島フェリー)
フェリー乗船時間 60分
高速艇乗船時間 35分

②高松港⇔池田港 (国際両備フェリー)
乗船時間 60分

③高松東港⇔坂手港 (ジャンボフェリー)
乗船時間 70分

④神戸港⇔坂手港 (ジャンボフェリー)
乗船時間 200分

⑤姫路港⇔福田港 (小豆島フェリー)
乗船時間 100分

⑥日生港⇔大部港 (瀬戸内観光汽船)
乗船時間 60分

⑦新岡山港⇔土庄港 (国際両備フェリー)
乗船時間 70分

⑧宇野港⇔土庄港 (小豆島豊島フェリー)
乗船時間 90分

※高松港⇔草壁港ラインは現在休止中

《バス》
①小豆島オリーブバス
土庄港・大部港・池田港・福田港⇔寒霞渓ロープウェイ山頂駅
乗車時間 30分

②小豆島交通
土庄港⇔寒霞渓ロープウェイ山頂駅
乗車時間 30分

《徒歩》
寒霞渓ロープウェイ山頂駅⇔駐車場 2.7km
歩行時間45分(往路)
※標高差が180mほどありますので復路はより時間がかかります。

【コースタイム】
駐車場→(30分)岩場
※復路もかかる時間はほぼ変わりません。
コース状況
【エリアの概況】
駐車場からヘアピンカーブのところまで少し戻ると側溝に渡された板があり、そこから山道に入り込みます。
踏み跡はあるものの、あまり明瞭ではなく、ピンクテープを頼りに斜面をひたすらトラバースして行きます。ピンクテープを見逃さなければ迷うことはないと思いますが、暗くなるとかなりわかりにくく、帰り道何回か道を外しました。
岩場が近づいてくると道が険しくなり、切れ落ちた崖にフィックスロープが張られた箇所が出てきます。雨上がり時はぬかるんで滑りやすく、滑落すると助かりませんので細心の注意を払ってください。
岩質は礫岩と安山岩。まだ安定しているとは言い難く、浮いているホールドが多くあります。崩れることもよくありますので、岩壁基部で休憩する際やビレイの際はヘルメットを着用しましょう。私は直径5cmほどの落石を腕と足に受けて擦り傷を作りました。
ルートは長いものが多く、最長で80mロープが必要なルートもあります。
すっぽ抜けには十分注意しましょう。
スマホ電波はau回線でギリギリ入ります。

【気象】
駐車場(標高425m)   8:00時点 7℃  無風
赤嶽の岩場(標高450m) 12:00時点 15℃ 無風

【服装】
トップ
・中厚化繊インサレーションジャケット
・ウィンドシェル
・薄手Octaフリース
・化繊半袖Tシャツ
ボトム
・薄手化繊パンツ
アプローチシューズ
・スポルティバ TX4 GTX
クライミングシューズ
・スカルパ インスティンクト

壁は西面のため、取り付きは午前中は日が当たらず、登っていない時は全てを着こんでいました。日が当たり始めると日向はかなり暖かく、Tシャツ1枚でも快適。
左岩壁の取り付きは、一番右側以外は全て1日中日陰でした。
ジャンボリーケイブは午後から日が当たり、かなり暖かくなります。

【トイレ】
岩場にはありません。
寒霞渓頂上ロープウェイ駅に広く綺麗なトイレ(総工費1億円超!)がありますが、ロープウェイの営業時間外だと使えず、その場合は別で併設されている古いトイレが利用できます。汲み取り式で紙なし。

【駐車に関して】
10台程度駐車できる広い駐車場があります。
駐車料金は300円/1台/1日で、設置している箱に入金。
駐車場の利用には、小豆島クライミング協会の会員であることか、WEBでの利用者登録申請が必要です。利用者登録はすぐできますので済ませてから利用しましょう。
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感想コメント

山と溪谷社『ROCK&SNOW 098』で公開された小豆島は赤嶽の岩場へ行ってきました。
開拓が続いているのは知っていましたので待ちわびていました。
2014年の岩場発見から開拓に携わり、尽力していただいた小豆島クライミング協会の方々には感謝しかありません。

景勝地として名高い寒霞渓のほど近く、比較的長く険しいアプローチを経てたどり着いた赤嶽の威容。
特にジャンボリーケイブの圧倒的なスケールとオーバーハングには目が眩みました。
しかし4日前から雨がちで、かなり染み出しが酷く、後述しますが登れるルートは限られていました。

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【今回の課題】
戸田
①オリーブLINE 5.11c/d OS
②Stone Field 5.12a RP 2try 1day
③腐れ縁 5.12c RP 4try 2day

圡方
①オリーブLINE 5.11c/d FL
④ダイナマイト 5.12b/c OS
③腐れ縁 5.12c FL
⑤烏守 5.12d RP 2try 1day
⑥エルカミノ 5.13b ×

平嶋
①オリーブLINE 5.11c/d FL
⑦OVNI 5.14a RP 7try 3day



濡れているルートが多い中、全て乾いていてグレードも手頃だったので取り付きましたが、私にとってはOSギリギリなルートで、中間部の核心で心が折れかけましたがなんとか粘って登れました。
圡方・平嶋コンビにはアップ。
やや蛇行しますが、ボルトのラインはすっきりしています。
70mロープを持っていっていましたが60mロープでも登れます。

最終日に何を登るか迷った挙句、乾いていて半日で登りきれそうという理由でトライ。
最初のハングを越えられればあとはポジティブなホールドが続き粘れます。
60mロープで登れます。

今回の目標グレード。
ハング部分のムーブを作るのに時間がかかり、圡方さんのアドバイスで良いムーブが見つからなければ完登は難しかったかもしれません。
1箇所、格好のレストポイントのガバがカタカタ動いています。
取れる感じではないのでそのまま使っていましたが、気持ち悪いです。
圡方さんはあっさりFL。さすがとしか言いようがありません。
50mロープで登れます。

出だしがかなり濡れており、普通ならトライするのをためらうところですが、濡れている部分をうまく避けて圡方さんが見事OS。強メンタル。
ホールドの配置が絶妙で、上部は気持ちよく登れるそうです。
70mロープでドローを回収したらギリギリ降りられましたが、80mロープ推奨です。
中間部に結び替え支点があるので、不安ならそちらで結び替えて降りる方がいいでしょう。

長いルート。ハング越えで迷ってOSは逃していますが2撃。
あちこち身体を痛めているそうで、ろくに登っていないとのこと。
本当ですか?という感じ。
60mロープで登れます。

赤嶽の看板課題。圡方さんにとっては今回のメインだったようですが、最終ピンの後が猛烈に濡れており、雫も間断なく滴ってきている中、タオルでホールドを拭きながら登るという執念。
Tシャツをびしょびしょに濡らしながら2日トライするものの、濡れには勝てなかったようです。
70mロープが必要です。

直前の4日ほど高熱で苦しんだようで、ほぼ死にかけのような状態で小豆島に来た平嶋くん。
それでも3日間フルに使ってトライを重ね、きっちり登りました。
核心部の左足のニーバーで太ももを爛れさせながらも、恐るべき集中力と執念でモノにする姿には感動しました。
ショートルートなので50mロープでもおそらく登れます。

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今回は染み出しにだいぶ悩まされたので、以下にわかる限りルートの濡れ具合を載せておきます。
直前の天気
3/23 降水量23mm/日
3/24 降水量0mm/日
3/25 降水量3mm/日
3/26 降水量15mm/日
※アメダス 香川県 内海観測所の過去データを参照。

①「オリーブLINE」
全てのホールドが乾いていました。
②「ダイナマイト」
1ピン目付近のフェイスがびしょびしょ。上部は乾いていました。
③「Stone Field」
全てのホールドが乾いていました。
③「烏守」
全てのホールドが乾いていました。
④「バナージュ」
中間部がびしょびしょで滴っていました。3日間乾かず。
⑤「エルカミノ」
最上部がびしょびしょで滴っていました。3日間乾かず。


リピート確実な岩場。
小豆島という旅情溢れるロケーションも最高です。
ただ、19:00くらいでほとんどの飲食店で食事ができない状態になるのは参りました。
食事を楽しむなら早めにクライミングを切り上げる必要があります…。

フォトギャラリー

ジャンボリーケイブの異様な空間。

高松港からジャンボフェリーで小豆島へ。船に忘れ物をして幸先悪し。

春の小豆島。

悪いアプローチ。ここが怖かった。

この日の為に共同で購入したべアール・スティンガー9.4mm×70m。

アップで「オリーブLINE」を登る土方さん。

瀕死なのに不敵に笑う平嶋くん。いつになく痩せて見える。

それでも「OVNI」を容赦なく攻める。

渾身のトライでRP。体調不良はいったいどこに・・・?

土方さんも肩や腕や腰が痛い痛い言いながら「烏守」をあっさり登る。

私はいつも通り細々と。「腐れ縁」の核心パート。

ここのアンダーの処理は土方ムーブで劇的に楽になりました。

ブラインドのデッド直前。

土方さんの「エルカミノ」トライ。強烈な傾斜の中、30m以上登る。

最終日、「Stone Field」を楽しむ。

ハングは怖い。

越えたらビクトリーロード。

西日に染まる赤嶽。休憩場所のテラスから。

日が落ちる。いいツアーでした。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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