大分県 大野川水系 奥岳川・さまん谷

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投稿者
戸田 竜也
アミュプラザみやざき・やま館店 店舗詳細をみる
日程
2026年09月09日 (水)~2026年09月09日 (水)
メンバー
アミュプラザみやざきやま館店 戸田
グランフロント大阪店 弓林
友人2名
天候
曇り
コースタイム
【アクセス】
①豊後大野市あいのりタクシー
JR豊肥本線・緒方駅→祖母山尾平登山口
乗車時間 55分 27.5km

②豊後大野市コミュニティバス・長谷川線
JR豊肥本線・緒方駅→尾平鉱山バス停
乗車時間 1時間13分 27.5km

【コースタイム】
尾平鉱山駐車スペース
↓ (20分)
入渓点
↓ (310分)
脱渓点
↓ (40分)
尾平鉱山駐車スペース

6時間10分 5.4km 上り632m 下り632m

※休憩時間は含みません。
※標準コースタイムではありません。
コース状況
【ルートの概況】
①尾平登山口~入渓点
登山道を奥岳川に沿って歩いていきます。
出合まで長いわけではないですが、ウォーミングアップで手前から川に入って慣らしてもいいと思います。

②入渓点~脱渓点
通称F1までは平凡な渓相で小さい段差を乗越していくだけですが、F1からは花崗岩で覆われたスラブの連続になります。
登攀困難な滝は3つあり、登れなくはないですが巻いた方が無難です。

③脱渓点~林道
堰堤から左岸側に脱渓。斜面を適当に上がっていきますが、急登ではあるものの悪場はなく15分ほどで林道に出ます。

④林道~尾平登山口
林道をしばらく下り、小さい看板があるところで再び山道へ。
比較的しっかりした踏み跡を辿って斜面を下っていき、奥岳川に出る手前で登山道へ合流してフィニッシュ。

【気象】
尾平登山口(610m) 10:00時点 22℃ 無風
脱渓点堰堤(745m) 15:30時点 23℃ 無風

【装備】
トップ
・バーグハウス べラムⅡジャケット
・モルゲンスカイ 3㎜ウェットベスト
・パタゴニア ユーレックスレギュレーターライトLS
・ミレー ドライナミックメッシュNS
ボトム
・ファイントラック フラッドラッシュタイツ
・ミレー ドライナミックメッシュ3/4タイツ
シューズ
・スポルティバ TXガイド
ザック
・オスプレー バリアント38
登攀具
・カム №0.1~3まで1セット
・クイックドロー×2
・アルパインドロー(60㎝)×3
・アルパインドロー(120cm)×2
・シングルロープ30m×1

水量が多く、かなり飛沫を浴びて登る箇所もあったのでやや寒さを感じました。
ロープは30mでちょうどよかったです。
カムはほぼ満遍なく使いました。

【トイレ】
尾平登山口に水洗トイレがあります。
紙あり。

【駐車場】
もみじや旅館の駐車場に15台ほど停められます。
駐車料金500円/1日。
Google Map
  • スタートナビ
  • おとな女子登山部

感想コメント

初めての沢登りをしに関西から山仲間がはるばる宮崎まで来てくれました。
土地勘のない方にはわかりづらいことですが、一般的に九州外から宮崎県へ来る登山者が、私が現在住んでいる宮崎市を、宿泊を伴い経由するということはあまりありません。訪れることを目的とするような魅力的なアウトドアフィールドが宮崎市近郊には乏しいためです。
全国的に人気の霧島連山に行く人は鹿児島から入るのが普通ですし、そのほかの名のある観光地や山は市内から100km以上離れた県北に集中しているため、宮崎市は通過されることの多い土地という印象です。
実際、私が関西圏に住んでいた時に九州にクライミングツアーに出かけた時は、鹿児島の志布志から入り、そのまま北上して熊本や大分にいく際に、宮崎市は素通りでした。
つまり、友人が足を止めて訪れてくれるのはそれだけありがたいことだと感じます。

今回の主な目的は沢登りです。
ホスト役の私としてはどんな沢に行くのかは腕の見せどころ。
難易度、渓相、下山の容易さを考えて手ごろな沢を検討していたところ、先日下見で行った祖母・傾山系のさまん谷がてとも良かったのでそこに行くことに決めたものの、1週間ほど前から台風の影響で天候が芳しくなく、最寄りの気象観測点・高千穂町の9/2・3の2日間雨量だけで160㎜に達するほど。そこから水が引いていったとしても増水は避けられない状況でした。
沢登りの場合は、当日雨が降っているかどうかより当日までにどれだけ雨が降ったかの方が遡行難易度に大きく関わります。難しい判断でしたが、さまん谷が本流ではなく支流ということもあり、そもそもの難易度が高くないことも考えて決行することにしました。

当日の天気は曇りで、まだ雨が降っていないだけマシだなと思っていましたが、尾平越えを過ぎて大分県に入ると途端に曇におおわれ小糠雨の中となりました。
現地に着く前に私の不注意で道の駅にスマホを忘れるトラブルもあり、なんとも儘ならない出だしです、、、
しかし不思議なもので、車から降り、服装を整え、沢靴を履き、ハーネスとヘルメットを着用したら気分も上がってきます。歩き始めてすぐに見えてくる奥岳川本流の水量はすこし多いように見えるものの、危険なほどではなく、水の濁りもなし。期待感はさらにアップ。

さて出合からさまん谷に入っていきます。
通称F1まではよくある小ボルダーの積み重なった渓相で水量の影響をあまり受けないことはわかっていました。苦労する場面はほとんどなく、フリクションを確かめつつ準備運動という感じです。
1時間ほどの遡行でF1へ。さまん谷遡行の最初の核心。
左岸のクラック沿いを登って越えるので登攀に水流の影響は受けませんが、明らかに釜が増水しているのが見てとれます。
出だしの細いフレークに#0.2を突っ込んで離陸。この時のフットホールドがかなり高い位置にあるため、リーチがない人がフォローにいる場合は、カムにアブミ等をつないだ方がいいでしょう。
やや左寄りにトラバースしたのち、大きく開いたサイドフレークをレイバックで攀じる。
フレークは#0.4~#0.7のサイズでかなりしっかりカムがきまるので安心です。
直径10㎝ほどの立木でいったんピッチを切りフォローを迎えます。立木の奥に錆びたリングボルトが3つ打たれていますが、ビレイステーションとしては微妙で、フォローに待機してもらうのに使っただけでした。
今回のロープシステムとしては、フォローのうち2人はフィックスされたロープをアッセンダーで登ってもらい、最後の一人は通常のフォロービレイで対応。
ここまでは前回と同じ方法で対応できましたが、問題はこの上流でした。
微妙なフリクションのスラブをトラバースしていき、ホールドが途絶えたところで滑り台のようにスラブを降りて流れに入り突破するところ、増水していたため流れに負けてF1まで落ちる可能性があったのです。
継続してこの短いパートもロープを伸ばして肩がらみでビレイ。
ようやく越えました。

その後も増水によって流されるリスクが増したところでは適宜確保をしながらの遡行になり、時間がかかります。しかし奮闘的ながらもここまではまだ楽しめる程度でした。
顕著な樋状になった流れを横断して左岸から巻いた滝の上部から、2つ目の核心の始まりです。
V字状に切れ込んだ小さなゴルジュの中を、威圧的に泡立ちながら流れる水流。
逆らって泳ぐには限界に近く、ブリッジングで立ち込める場所まで行くのに全力のクロールとなりました。
フォローはフィックスしたロープを手繰ってクリア。
そして、懸念していたチョックストーンまで辿りつきました。
ゴルジュをふさぐようにはさまっています。
実はリーチがあるとほとんど問題にならない箇所なのですが、適当な位置にフットホールドがなく、小柄な人では人工手段に頼らざるを得ません。
水量の少ない前回でさえフォローはここは苦労していたので、事前にいくつか方法を考えていました。
①チョックストーンの上から引き上げるようサポート
②チョックストーンの下から押し上げるようサポート
③上下どちらからもサポート
本当は③がベストでしたが、間際でパーティーに欠員が出てしまい不可能になってしまいました。
①も、フットホールドがちょうどいい高さにない中で強い水流に晒されながらでは厳しい。
結局②を選びましたが、私が土台になり押し上げようとしても、流れに負けてなかなかスムーズに上がれませんでした。もうただの力技でなんとかフォロー全員を上げましたが、待っている間に流れに打たれ続けたのでみな身体がすっかり冷えてしまい意気消沈。
それでもゴルジュはまだ続きます。
狭さを増した側壁をバック&フットの連続でひたすら進んでいきます。全身運動です。
そろそろゴルジュも終わりというところで、不意に登れそうもない滝に阻まれました。
水量が少ない時は登れた滝が、登れなくなっていたのです。
右岸は高巻き不可能、左岸は巻けなくもないけどかなり上に追いやられそう、、、
すこし逡巡しましたが、都合のいいことにかなりの太さの倒木が橋のように流れを横断しており、それを渡って滝の上へ抜けることができました。ヌメりの酷い倒木でしたがあまり他にいい選択肢はなく、これはこれで運が良かったというべきでしょう。あとはフォローをロープでレイジングして突破。弓林さんだけは、面白そうだと思ったのか倒木を普通に渡ってきてなんともあっけらんかんとしています。そこそこの高さだったんですけどね。強い。

ゴルジュを抜けると、増水によって登ることを考える必要のなくなった滝を2つ右岸側から連続して巻いてほぼ終了。最後にふさわしい穏やかでどこまでも綺麗なナメに迎えられて、堰堤でフィニッシュ。
達成感と安堵感に包まれます。
堰堤の左岸側から脱渓、林道へハイクアップ。
下山は時間がかかりません。
そこがさまん谷の本当にいいところ。
しっかり余韻を楽しみつつ、尾平へ戻りました。
増水によりかなり過酷なコンディションでしたが、友人たちは初の沢登りを楽しめたようで、さすが山ヤのメンタル。夏の終わりは寂しいだけではないようです。

フォトギャラリー

大人の遊び場。

沢装備はかっこいい。

出合のあたりは穏やか。

F1、ここが一番の核心のはずだった・・・。

アッセンダーのセットを確認中。

出だし以外は簡単。

後半のスラブは嫌らしい。

水量が少なければロープはいらない程度。

見栄えのいい滝。これは左のスラブをじりじりとトラバース。

樋状の流れを飛び越えて斜面を巻く。

地味に怖い部分。流れに身体が持っていかれそう。

忌まわしいチョックストーン。

奮闘的でした。ほぼ筋トレ。

流れに耐えた。

まだまだ続くゴルジュ。

ここも筋トレゾーン。

しんどいはずなんですがいい笑顔。

倒木の橋。けっこう怖いけど他に道はない。

やりきりました。

おつかれさまです。また来てください。。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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